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映像制作のオープンソース化を夢見てみる。

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映画制作の制作は、アマゾンが云うように、ハリウッドが誕生して以来、ずっとクローズドな環境で行われてきました。
映画制作は専門性が高く、しかも一つの分野だけではなく、様々知識、能力が要求される。しかも金も時間もすごくかかる。その専門性そのものが、参入障壁として機能していた部分があります。
デジタル機器が発達してきて、フィルムの時代に比べれば、安価に制作することもできるようにはなってきていますが、それでもまだまだ音楽やなどと比較して、多くの人にとって手軽に始められるものではないでしょう。
 

音楽業界では、
いや、「業界」という言い方はやめましょうか。
音楽の世界ではいろんな試みがでてきています。云うまでもなく音楽はネットの煽りを00年代にまともに受けてますからね。
今まで音楽制作もクローズドな部分がありましたが、そこに新しいやり方を持ち込む動きが出てきてます。
例えば、Twitter上でユニット結成し、楽曲を制作してしまったNorway
NETDUETTOを通じて、Twitter上でコラボし、そのまま楽曲制作という、この制作過程をオープンにする試みをさして、音楽制作のオープンソース化と呼ぶ人もいます。
 

今や誰でも知ってる存在になったWikipedia。
このオンライン百科事典は、世界中の人の手によって記事が書かれ、編集されています。いろいろな問題がありますが、集合知の象徴的存在になっています。
オープンソースで誰でも記事の作成、編集が可能というコンセプトは、ある種の権威しか作れなかった辞典の概念を確実に変えています。


最近、僕は映像制作をオープンソース化することはできないだろうか、と妄想しています。
あるアイデアをオープンなネットワークで共有し、
それを世界中の人とデベロップできたらどうなるかなあ、と。
あるいは、撮影された素材が全部無料で使えたらどうなるかなあ、とか。
映画の撮影された素材は実際の完成映画のよりも遥かに分量が多いです。大部分は編集で切られて日の目をみることはありません。ハリウッド的なマルチカメラシステムなら尚更です。(低予算映画は撮影素材をほぼ使ってますけど。。。)その素材の編集次第でいくらでも別の作品を作れる可能性があるのが映画です。その素材をクラウドベースのサーバー上において、サービス登録したユーザーは自由にアクセスして編集できるようにしたらどうなるかなあ?
Netduettoのようなオンラインでポストプロダクションをコラボできるツールがでてきたら、本当に面白いと思うなあ。

 

いきなり2時間ちかくある長編映画を作るのは大変かもしれない、でも15秒CMならどうだろう?
映画の表現は出尽くされたと言われて久しいが、今一歩映像表現を進化させるのに必要な事はなんだろう?
なぜ今日のインターネットの世界では、絶え間なく新しいサービスが生み出されているんだろうか?それらを作る人々はいつも大抵新しい人だ。いつも、いつもジョブスやゲイツじゃない。数年前にザッカーバーグが登場し、Evan Dollが美しいFlipboardを作ったり、Foursquareみたいなサービスが出てきて、Instagramが出てきたと思ったらColorという新しい写真共有サービスが登場し、という具合に。
多分、インターネットの世界は所有という概念よりも、オープンソースの哲学が勝ってる世界なんだと思う。各々には野心があって、自分の発明を所有したい欲望があるだろうけど、多かれ少なかれ彼らは、共有することの素晴らしさとそれが自分達のイノベーションを支えていることを知ってるんだろう。
ハリウッドでは、そこに生きる業界人は、絶えずアイデアを盗まれないよう気をつける。その逆に自分の作品が無意識のうちに他人の作品を「盗んで」いないか気をつけないといけない。偶然写った看板やポスターのデザイナーに訴えられることもある。所有概念の暴走だ。
映画の世界は、そうした所有の概念からなかなか自由になれない。シリコンバレーは次々と新しいモノを生み出すが、最近のハリウッドは昔の映画の焼き直しと外国映画のリメイクと原作モノばかり。新鮮さ、を感じることは最近随分と少なくなった。企画、アイデアだけでなく、技術的な面にしてもそうだ。新しい物語構成、編集のタイミング、照明…新しい表現方法はなかなか生まれてこない。

 

こうした状況を打破して、映像表現が進化するには、制作される過程のシステムそのものを見直す必要があるんじゃないかな。映像表現を進化させるのは、3Dよりも制作システムのオープンソースだとオレは信じてる。
(そもそも3Dは参入障壁を高くしてしまっている。それがハリウッドの狙いだと僕は勝手に勘ぐってます。その辺はまたいつか書いてみたいと思います。)
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