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映画ムカデ人間について

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危ないカルト映画、ムカデ人間が連日劇場満員の大盛り上がりです。

昨日は入江悠監督とのトークショーがあったとはいえ、立ち見が出るほどの盛況ぶり。

トークショーがあっても、昨今席が埋まらないなんてことは、結構よくあること。

瀬々監督のヘブンズストーリーなんかは、監督本人のトークショーつきでも、席が埋まらなかったくらいなので、これは立派なことです。普通の回でも満員が出てるようなので、これは大成功といっていいんじゃないでしょうか。

ネタバレさせたくないんで、内容は詳しく書きませんが、低予算の自主制作から出発してるこの作品、強烈な1アイデアで最後までグイグイ引っ張って飽きさせることなく見事に作りこんでます。

メインロケは博士の家のみ、出演者を少人数に絞る低予算映画の基本的な作りですね。低予算映画の醍醐味を存分に味わえる映画です。ホラー映画なのに、爆笑の連続なので、サム・ライミを彷彿とさせます。というか僕は個人的にはライミの死霊のはらわた以来の衝撃でしたよ。監督トム・シックスは今後の活躍に期待大です。低予算のインディーズ映画はこうあるべし、という見本となる作品です。

この映画はアメリカでは、IFCという会社が配給しましたが、同社を含め今アメリカのインディーズで主流となりつつある配給システムが採用されています。それは、主要都市での小規模劇場公開と同時に自社サイトでオンデマンド配信するというもの。インディーズ映画は、どうしても全国一斉公開は厳しい。しかし、地方の映画ファンにもリーチさせたい、特にアメリカはデカいですから、おいそれと隣の州まで出かけて映画観るなんてのはできないので、地方のコアな映画ファンはなかなか自分達の好きなニッチ作品はDVD化まで待たないといけなかったんですが、このシステムにより、劇場公開と同日から見れるようになりました。

この方式はネットでの口コミが広がりやすく、ネットでの評判をもとに上映スクリーン数が拡大、あるいはムーブオーバーしていくなんてケースもあります。

日本でもシネマライズがVidexと組んでこの方式を始めました。100,000年後の安全や愛しきソナなどを劇場公開と同時にオンデマンド配信しています。このやり方、日本でも拡がるといいなと思います。

しかし、日本の配給会社もすごいがんばってます。

Twitterの公式アカウントがなかなかに面白くて、中の人はけっこうレベル高いエンゲージング力の持ち主ですよ。

ムカデ人間の1号、2号、3号がいてそれに応じていろいろな返事を返してくれたりして、インタラクティブな交流を大事にしてる。他の映画の公式アカウントは単なるお知らせレベルに留まるものは多い中、これは立派です。

しかも、イベントもユニークでしたね。Twitterアカウントと紐づけて主演俳優と一緒にディナーできたり、3人包帯でつながって来場すれば割引があったり、非常に面白い試みをやってました。ここまで出演者と観客の距離が近づけるってのは、けっこう大胆ですね。ソーシャルメディア時代のマーケティングとしては、参考になる部分があります。

今回のヒットは、こうした配給会社の努力の賜物です。

 

このソーシャル時代に低予算映画をどうバイラルの軌道に乗せてマーケティングしていくか、また低予算で面白い映画を撮るにはどうすればいいか、いろいろと勉強になる作品なので、これから映画の道を志す人には是非見て欲しいですね。

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