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SOPAが廃案、PIPAは投票日延期へ

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photo credit: AndrewDallos via photopin cc
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20日、SOPA(Stop Online Piracy Act)のチーフスポンサーである共和党議員、Lamar Smithは「より広く同意の得られる解決策が見つかるまで」この法案を取り下げると発表しました。

この名称を持って同じような法案を出して来るとは考えにくいので、事実上の廃案でしょう。

以下、Smith議員はの声明の抜粋。http://judiciary.house.gov/news/01202012.html
「私はオンラインの海賊行為に対処するための法案の成立に対する多くの批判と深刻な懸念を数多く聞きました。我々がどのようにアメリカの製品と創作物を奪う海外の泥棒に対処すべきなのか、その方法を再検討する必要があるということが明らかとなりました。

オンライン海賊行為は無視できないほどに大きな問題です。アメリカの知的財産産業は、1千9百万もの高給の雇用を生み出し、アメリカの輸出業の60%以上を占めています。アメリカの知的財産の侵害によるコストは、年間1000億ドル以上ににもなり、数千のアメリカ人の職を奪う結果となっています。

アメリカの技術革新と雇用の創出が危機に直面している限り、議会はこれをただ黙って何もしないというわけにはいきません。オンライン海賊行為は、店から万引きするのと同じことです。それは違法であり、法は店舗でもオンラインの場合でも同様に適用されなければなりません。

我々委員会は、オンライン海賊行為と戦うため、そしてアメリカの知的財産を守るため、引き続き著作権保持者、インターネット企業、金融期間などと協議を続けるつもりです。我々は、いかにこの大きく広がった問題に対処すべきか、我々とは違う忌憚ない考えを、あらゆる組織、個人の皆様から聞きたいと思っています。議会はこれからもアメリカの知的財産と技術革新をオンライン海賊行為から守るための解決策を模索し続けます」

SOPAと並んで大きな関心事となっていたもう一つの法案、PIPA(Protect IP Act)は来週1/24に投票が予定されていましたが、こちらも盛り上がる抗議の結果、延期となりました。

上院多数党院内総務の民主党議員、Harry Reidはツイッターで以下のようにツイートしました。

訳:最近の出来事を踏まえて、私は火曜日に予定されていたPIPAの投票日を延期することに決定いたしました。 同法案のスポンサーである、民主党議員、Patrick Leahyは、 「法案成立により多くの時間を費やせば、より多くの雇用と経済的な損失に直面する」と懸念を表明しています。 http://leahy.senate.gov/press/press_releases/release/?id=467fb8f0-828d-403c-9b7b-8bf42d583c3e PIPAに関しては、投票の延期が決まっただけで、まだ廃案となったわけではありません。しかし、18日に行われた抗議運動はかなりの効果を上げたと云っていいでしょうね。たった一日でこの変化ですから。 SOPA反対運動が議会を揺るがす: 昨日は反対31名, 今日は122名 まだまだ、抗議活動は続きますし、Smith議員の声明を読んでもわかるように、推進派も今後一切ネット規制法案の成立を目指さないというわけではないでしょう。しかし、アメリカでは政治に対して民意がしっかりと反映されていることですね。 いろんな懸念点や思うことは多々あるのですけど、とりあえずは良い結果が出たと思います。 この問題が娯楽産業とネット産業が袂をわかつような自体にならなければいいな、と思います。

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