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ソーシャルテレビアワード2012レポート

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7月25日に「ソーシャルテレビ・アワード」の授賞式に出席させていただきました。

この授賞式は日経BPさんの主催する「モバイル&ソーシャルWEEK2012」内のイベントとして行われたものです。
日本においてもソーシャルメディアは一般的なものとして浸透してきており、テレビ業界でもこのトレンドを上手く活用して、業界全体を再活性しようという動きが活発化しています。
これまでテレビとインターネットの世界は疎遠、あるいは敵対してしまっている面もありましたが、昨年あたりからその風潮も急速に変わりつつあり、テレビ番組もTwitterやフェイスブックをどう活用していくかを真剣に考えるようになってきています。そして一般視聴者の意識もテレビは見るだけではなく、見ながら自分の意見を発したり、他者のコメントを見ながらテレビ番組を見るというスタイルが普及し始めています。

そうしたテレビとソーシャルメディアの連携において先進的な取り組みをして結果を出している番組を表彰する場を設けてソーシャルTVの更なる発展に貢献するのが、本アワードの主旨です。

さて選考方法ですが箇条書きにてまとめてみます。
1:2011年7月から2012年6月在京キー局で放送された地上波番組の中から、各局の自薦と主催2誌による推薦で29番組を選定
2:ソーシャルメディア上の番組公式アカウントのファン数やフォロワー数、口コミ件数を数値化。
3;視聴者アンケートを実施。効果的なソーシャルメディア活用をしている番組への回答数も数値化。調査アンケートは2012年6月22〜26日の間に実施。有効回答数は2383人。調査方法はインターネット。
4:2と3をあわせて独自のデータスコアを算出。
5:さらに5人の選考委員が番組の内容、ソーシャルメディアの活用の仕方の先進性などに評点をつけ、これを評点スコアとする
6:データスコアと評点スコアを統合したものを「総合スコア」とする。大賞は総合スコアの最も高かった番組が選ばれる

なお、大賞の他、データスコアを重視する日経デジタルマーケティング賞、内容面を重点評価する日経エンタテインメント!賞と特別賞の4つの賞が設けられています。

受賞番組の選定理由と番組代表者のコメントをまとめます。
※選定理由、受賞者のコメントは一字一句登壇者の語ったものではありません。読みやすいように要点をまとめ適宜編集を加えたものです。

特別賞:NEWS WEB 24(NHK)
まずは特別賞は、NHKの「NEWS WEB 24」です。僅差で総合スコア4位となったこの番組には特別賞となりました。

番組公式サイト:http://www3.nhk.or.jp/news/web24/
ハッシュタグ:#nhk24

選考委員、徳力基彦氏(アジャイルメディア・ネットワーク)による選定理由の説明:
ネット側の人間からすると本当に革命的な番組であった。ツイートが画面と共に流れていくのは、USTなどのネット動画ではお馴染みだが、それを地上波の全国方法でやった意義は大きい。Twitterで寄せられる質問にキャスターとナビゲーターがそれに答えていく、今までのテレビにはない挑戦的な試みを評価した。

番組キャスターの橋本奈穂子アナウンサーの受賞コメント:
一年間の中で放送された番組の中から選ばれるということで、まだ放送開始から3ヶ月のこの番組を選んでいただいて感謝しています。Twitterで寄せられた質問に全身全霊でぶつかっていますので、みなさん是非つぶやきながら番組を見てください。

日経エンタテインメント!賞:ZIP(日本テレビ)
次に日経エンタテインメント!賞ですが、日本テレビのZIPが受賞しました。

番組公式サイト:http://www.ntv.co.jp/zip/
番組公式Twitter:https://twitter.com/ZIP_TV
公式LINEアカウント:友だち追加 → ID検索 → #ziptv

選定委員、品田英雄氏(日経エンタテインメント!編集委員)による選定理由の説明:
総合スコアトップ3の中でも楽しいコンテンツを多数提供してるということで選定した。ZIPカメラという独自のスマートフォン用カメラアプリをリリースしたり、LINE公式アカウントをすでに開設している。ZIPカメラはすでに20万人以上に利用されており、そのカメラから投稿された写真は、ソーシャルメディア上に多数投稿されている。また番組内でお積極的に写真を取り上げるなど、多面的なソーシャルメディア展開をしている点を高く評価した。
番組の看板犬であるZIPPEIが全国を旅する様子をTwitterで写真投稿する「ZIPPEIスマイルキャラバン」も大きく話題となっていおり、またMOCO’sキッチンも人気を博している。

番組キャスターの桝太一アナウンサーの受賞コメント:
ZIPには多くのデジタルコンテンツを支えてくれているスタッフがいます。そうしたスタッフの努力の結果と思います。MOCO’sキッチンなどは当初は想定していない方向に成長していて、それが非常に楽しい。それもソーシャルメディアのおかげだと思っています。ZIPカメラはほとんどの方が普通にカメラアプリとして利用していただいています。このアプリができたきっかけは手動でZIPマークを描いてらっしゃる方が多かったということで、自動でマークを入れられるようにすればいいのでは?という単純な発想でした。

(今後はどんな風にソーシャルメディアを活用していきたいかという質問に対して)ソーシャルメディアは人間があってのもの。人間ありきの世界だと思うので、番組としても人が楽しめるためのツールとしてソーシャルメディアを活用していきたいと思います。

日経デジタルマーケティング賞:ワールドビジネスサテライト(テレビ東京)
次は日経デジタルマーケティング賞です。受賞はテレビ東京のワールドビジネスサテライトです。

番組公式サイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/
番組公フェイスブックページ:http://www.facebook.com/wbsfan
番組公式Twitter:https://twitter.com/wbs_tvtokyo

選考委員、杉山俊幸氏(日経デジタルマーケティング編集長)による選定理由の説明:
データ面を重視する賞ということで、フェイスブックのファン数がダントツの一位である同番組を選出した。(7/25日時点で154,664いいねを獲得している)フェイスブックでのファンの作り方や投稿の質も高い。また視聴者参加型の番組作りを心がけておられ、視聴者の声も積極的に取り入れている。

番組プロデューサー、大信田雅ニ氏の受賞コメント:
この番組は25年続いていますが、なかなか「WBS」を憶えてもらえず、WBCと呼ばれてしまったりしていましたが、最近ではようやく浸透してきたのか、日本がWBC出場辞退のニュースの時にTwitterを検索したら逆にWBCをWBSと間違えてツイートされてる方も多数おられた。(笑)25年間やってきた中でも、これほど視聴者の声を直接に聞ける仕掛けは初めてです。

番組キャスター、森本智子女史の受賞コメント:
毎日現場に出てそこからフェイスブックに自分で投稿しているのですが、実はスマホをまだ持っていません。(笑)スタッフの方にお願いして自分の取材風景を撮ってもらい、どうやってた一人でも多くの人に読んでいただけるかを考えながら投稿しています。写真の取り方もなるべく現場の空気感が伝わるように取材対象者にもカメラ目線はさけていただくようにお願いしたりと工夫しています。
現場で取材しながら投稿もするのは大変なのですは、取材後、会社にもどってみなさんのコメントを読むのが楽しみになっています。批判的なコメントにも目を通します。最初は見るのもつらかったのですが、非常に本質をついた鋭い指摘もたくさん頂いています。そういうコメントを見て、取材時にフォローしきれなかった部分をスタジオの時にカバーするというったやり方ができてきました。

大賞:SPEC〜翔〜(TBSテレビ)
最後に大賞です。大賞はTBSテレビのSPEC〜翔〜です。

番組公式サイト:http://www.tbs.co.jp/spec2010/
番組公式Twitter:https://twitter.com/spec_loc/
番組公式フェイスブックページ:http://www.facebook.com/specspec

選考委員、徳力基彦氏(アジャイルメディア・ネットワーク)による選定理由の説明:
総合スコアでダントツの一位。今年の4月1日の放送時にTwitterでの投稿を広く呼びかけ、ツイートをデータ放送の画面上で配信するという先進的な試みを高く評価した。番組中の1分の平均ツイート数が231と対象番組中最も多い。また、ゴールデンタイムの番組でこうしたソーシャルメディアとの連携を積極的に行った姿勢も高評価の材料になった。

番組プロデューサー、今井夏木女史の受賞コメント:
大変うれしく思っています。ケイゾクなども手がけたチームだが、ケイゾクも視聴率は悪かったですが、放送後ネットで評判になりブームは起きました。今回も番組放送前から予告編などを流してネットで口コミが広がるようにしていきました。SPECに関してはやはり視聴率はふるわなかったですが(苦笑)、TBSオンデマンドでは歴代1位を記録しています。映画もおかけさまでヒットいたしました。ネットなしには成功はあり得なかった作品だと思います。
公式アカウントも割と普段のことや愚痴もこぼしてたりして、お叱りをうけることもありますが(苦笑)、そうしたとこも受けているのかな、と。

受賞者のみなさん。

受賞者と選考委員のみなさん。

感想:
受賞番組4つのうち、3つがニュース・情報系番組で放送時間がゴールデンタイム以外のものである一方、大賞にはドラマ作品であり、ゴールデンタイムに放送された番SPEC〜翔〜が選ばれました。選定理由でも述べられていますが、SPECの高評価の背景にはゴールデンの時間帯にも関わらずこうした先進的な試みを行ったということがあるでしょう。こうした番組を大賞に選んだのもテレビ業界に対する一つのメッセージではないでしょうか。
大賞番組以外はニュース・情報系番組ですが、それらのジャンルは受賞番組以外の番組でもソーシャルメディアを取り入れる姿勢を持った作品が比較的多いように思います。またNEWS WEB 24とワールドビジネスサテライトは深夜、ZIPは早朝の放送であり、そうしたテレビとしては見られにくい時間帯の番組の方が実験的な要素も含めてのことだと思いますが、ソーシャルメディアに挑戦しやすい雰囲気というが、現場にはあるということでもあるのでしょう。

SPECが一位を獲得できた背景には、ケイゾクから続くコアなファン層の存在が大きいと思います。日本でソーシャルメディアが普及したのはここ数年のことですが、ケイゾク&SPECはソーシャルメディア時代の前からファンとのエンゲージメント率が非常に高い作品です。時間をかけて熱烈に支持してくれるファンを増やした努力がこの大賞という結果なのでしょう。

ZIPの桝太一アナウンサーの言葉が非常に印象的です。ソーシャルメディアは人間がやるもの。人間がダイレクトに評価される場であり、人間が人間に向かって何かをしているかどうかが重要です。
SPECが長い間に渡ってファンに支持されるのも、ファンの声を無視せずにファンの望むあのテイストを崩さずに(あるいはファンが望む作家性を捨てずに)やってきたから多くのファンがついて来てくれたのでしょうね。

テレビでもネットでも今後支持されるメディアは「人間」を大事にするメディアだ、ということを示唆するようなそんな授賞式でした。