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YouTubeがオリジナルチャンネルをさらに拡大し、テレビ化が加速する

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YouTubeがさらにコンテンツの拡充をはかるようです。

昨年から、ハリウッドにオフィスを構えるなどして、オリジナルコンテンツへの投資を強めていたYouTubeですが、さらにオリジナルチャンネルを増やすために大型の予算を組むようです。
ハリウッドリポーターによると、YouTubeは新たにイギリス、フランス、ドイツのスタジオなどと連携して60ものオリジナルチャンネルを立ち上げるとのこと。新たなチャンネル解説に1億5000万ドルほどの投資をするようです。
YouTube Expands Original Content Initiative Abroad With 60-Plus Channels – The Hollywood Reporter

グローバルコンテンツ部門のVP、Robert Kyncl氏は、約60の新たなチャンネルを、エンタメ、スポーツ、コメディ、音楽、ニュース、オート、美容、健康や料理など様々なジャンルにまたがって開設すると発表しました。

新チャンネルはYouTubeを通じて、どんなデバイスからでも、そして全世界から視聴可能です。

新たなクリエイティブパートナーとしてAll3Mediaのような中規模の配給会社のチャンネル、Endemol, BBSワールドワイドやUFA/Frementleなどのヨーロッパのテレビ局や製作者も含まれています。

それだけの予算を各制作会社や局に払う狙いとしては、将来のネットビデオ全盛時代に彼らコンテンツプロバイダーに継続して独自のコンテンツをYouTubeで配信させ、Googleからの広告配信をそのビデオに載せ続けることでしょうかね。
YouTube adds more channels in original content expansion — paidContent

ニッチマーケットを細かく拾っていこうという戦略でもあるのかな。それはテレビにはなかなかできないことでした。

こないだ書いた記事ですが、このYouTubeのオリジナルチャンネルがABCの公式のプログラムとして採用されるということもありました。ここから新しい番組の企画や演出家などが発掘されている場にもこれから成長していくと思います。

そして、ABCに買われた番組もそうですが、どのチャンネルも尺の短い作品が多い。(たまに長いのもありますけど)インターネットのトラフィックの主軸がモバイルに移行するにつれ、テキストのコンテンツも短めの「マイクロコンテンツ」が好まれる傾向にあると、ケイクスの加藤さんもインタビューで語っておられますが、これからの時代にはより細かくセグメント化したマーケティングにコンテンツそのものは、マイクロ化していくわけですが、そういう時代に放送枠に乗っ取って、1時間や30分と尺が決められてしまっているコンテンツの作り方は非常に不自由なのですよね。
「コンテンツのマーケティングはクリエイターにしかできない」 有料コンテンツ配信プラットフォームを立ち上げた『もしドラ』編集者の勝算 (1/3):MarkeZine(マーケジン)

NYタイムスも指摘していますが、マスメディアであるテレビは大きな注目をあつめなければ行けない宿命をある程度背負っていますが、YouTubeの場合は、より細かいセグメントに刺さるコンテンツを作る自由があります。
YouTube to Serve Niche Tastes by Adding Channels – NYTimes.com

そしてコンテンツのマイクロ化はどのジャンルでも云われることでもあると思うのですが、映像に関していうと、映画は約2時間、テレビ番組は30分〜2時間が相場というイメージからなのか、あまり語られることがありません(僕が不勉強なだけかもしれませんが)。
しかし、トラフィックの占有率を考えると、コンテンツを運ぶ導線のモバイル化によって一番このことを考えないといけないのは、実は映像メディアなんじゃないかと思うんですけどね。HD画質の2時間の映画をLTEの帯域制限のある中で見ようと思う人はほとんどいないでしょう。コンテンツのマイクロ化を測らないとコンテンツをユーザーに運ぶこともまま鳴らなくなり、人が最もネットにアクセスするモバイルを映像メディアは切り捨てるしかなくなります。しかし、それはビデオレンタル全盛時代にツタヤで作品を扱ってもらえないくらいの厳しい流通状況と云えるんじゃないでしょうか。

しかも、YouTubeチャンネルというのは、国境に縛られることがありません。放送波に載せたコンテンツはその国内でしか見れません。外国に権利を販売してようやく見せることができるわけですが(それも大きな収入源の一つなのですが)、それでいて広告自体はローカライズ可能です。

日本のテレビ局も番組と連動してサブ的なコンテンツをYouTubeに配信をし始めていますが、あくまでメインの番組の補助的な要素の意味合いが強いですね。しかし、YouTubeというプラットフォームのリーチ力そのものは利用可能なデバイスを考えると、すでにテレビの放送波以上に広い。ここで勝負可能なマイクロコンテンツの制作を真剣に考えないといけない時期が来ているような気がします。

BBC WorldWideのYouTubeのチャンネルから

しかし、これだけの巨額なお金をかけれてしまうのであれば、テレビじゃないとできないことってほとんど無くなるんじゃないでしょうかね?もちろん現状では、ライブ配信の同時視聴はサーバーの負荷を考えると限界がありますが、そこを克服出来た時にYouTubeは放送局とほぼ同等の機能を持ててしまうのではないでしょうか。

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志村 一隆
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