[PR]

選挙特番はテレ東x池上彰の圧勝だった。

[PR]

昨日は午後8:00からは選挙特番をザッピングしながら見ていた。同時にテレビジンみるぞうでチラチラとソーシャルメディア上の反応を見ながらの視聴。
まずは報道はNHKだろ、ということでNHKを視聴していた。各局に関連するツイートを1ページでグラフで表示できるテレビジンでも特番開始時はこんな感じ。皆やはり報道ならNHKという意識が強い。
20121217-104552.jpg

ザッピングと言っても全ての番組を満遍なく見ることは出来ないので、2つのアプリを頼りにいろいろチャンネル変えながら見るつもりでいた。単純なツイート数だけなくツイートの中身もある程度追いかけつつ。そうやって見ていてら、みるみるうちにこの表に変化が。テレ東に関するツイートがドンドン伸びていく。しまいにはこんな感じに。
20121217-104637.jpg

一度逆転したらあとはずっとテレ東が優勢だった。
僕もチョロチョロザッピングは続けつつも、メインがNHKからテレ東に切り替わった。全て通してみたわけではないけど、テレ東の特番の面白さは、ツイート数同様群を抜いていた。

テレビというメディアはこんなに面白かったのかと再認識させてくれた。選挙前からこんなに報道が面白ければ、もっと多くの人が投票に行くよなとも思った。

池上彰さんのか各党代表や候補者たちへの質問は視聴者が知りたいと思うことを確実にあぶり出すような巧みな質問だった。
公明党の山口代表には自民党が単独過半数を取ったことで、自民が公明党を以前より必要としないのでは、との質問を投げかけ、山口代表は公明の選挙協力あっての大勝だと強調した。自民が過半数を取ったことで単独で暴走する可能性があるが、それをさせないブレーキの役割を公明党は果たせるかどうかを確認していた。
また公明党といえば、創価学会だが、支持基盤としての創価学会には番組中に繰り返しふれていた。
自民の大勝の裏に創価学会ありときちんと視聴者に印象づけていた。

維新の顔2人には別々の時間にインタビューし、2人の考えのズレを上手く浮かび上がらせていた。また橋下徹氏に、選挙期間中国には政敵だった未来の党の嘉田由紀子代表を褒めさせるように持っていき、地方の首長が立ち上がることの重要性を言わせていた。最近メディア上では国政政党の顔というイメージで扱われることが多い橋下さんだが、大阪市という自治体の首長が本分であり、そっちもしっかりやれよ、とほのめかしているようにも見える。

またこのズレをあぶり出す質問をしたのも池上さんだった。
橋下氏「安倍氏を首相指名」、石原氏「意外」 維新にズレ

テレ東の選挙特番は、たんなる結果報告に留まらず、低俗なワイドショー化することもなく、権力のチェック機構としての報道はこんなも面白いということを再認識させてくれた。

たとえば公明党と創価学会の関係について見ているこちらが心配になるほどに切り込むなど、有権者が聞きたいことを我々有権者以上に巧みに聞いてくれていた。

ほとんど池上ワンマンショーのような状態であったが、全く独善的だと感じさせない。
有権者のモヤモヤとした想いを汲み取り、鋭利な質問として具現化できていたからだろう。政治家も社会も両方良く観察できている。

このレベルの報道番組が選挙前にたくさんあれば、投票率ももっと上がっていたんじゃないかと思えた。今回この特番を見て一番強く感じたことは、このような質の高い報道番組を「当事者」として楽しめるなら、投票に行かなきゃ損だなということ。多分僕が投票に行ってなければ、この特番もある程度「部外者」として享受することになっていただろうから、その意味では投票に行ってよかったと思ってる。

テレビの報道がもっと面白ければ、投票率はもっと高かったかもしれない。

やはりテレビの影響力は大きい。ウェブで政治を動かすにはウェブでテレビの報道を変えろと書いた。ウェブでは今回疑似選挙や投票マッチングサイトなど、様々な試みがなされたが、それらは投票率を押し上げる事にはつながらなかった。投票率を上げ、人に政治に対して関心を高めてもらうにはやっぱりテレビの力が欠かせないのだろう。

しかし、テレビの政治報道は基本質が高いと言えるかどうか。今回の特番もテレ東以外で見るべきものはあったかどうか。ザッピングでフジテレビに当たった時、フジの選挙特番は小沢ガールズを特集していた。彼女達は今回選挙の大勢を左右する存在だったのだろうか。TBSはツイートを画面上に表示していたが、それが生かされていたようには思えない。ただ淡々と表示されていた。あれを取り上げるコーナーとかもあったんだろうか。ザッピングでぶつかることはなかったのだが。TBSは何がしたかったのだろうか?

さて、ではテレビの報道にもっと面白くなってもらうためには何が必要だろうか。ここに関してはインターネットの活用の可能性は十分にある。というのもテレビ業界は今、なんだかんだと言ってもソーシャルメディアをかなり気にかけているし、どんな番組を僕らは支持するのかをわかりやすく意見表明していくしかない。

そこに関してソーシャルメディアには有効性があると思う。今後はテレビも視聴率だけで評価される時代ではなくなりそうだし。
ビデオリサーチフォーラムは、視聴率だけじゃないですよ宣言だった

なによりTVのスポンサーの多くはソーシャルメディアのアカウントも持っていて、ソーシャルメディア上でお客さんの声を聞いてり時に怒られたりしている会社も増えてきているのだから、当然自社がスポンサーになっている番組の反応も気にするようになってきている。

なので、ウェブで直接政治を動かすのはなかなか難しいかもしれないが、ウェブでテレビ報道を面白くすることはできる可能性はある。もちろん僕らが今回の池上さんの番組のように真っ当な番組を評価し続けることができれば、の話だけども。

今回の選挙。僕自身が望むような結果にはならなかったが、池上さんの番組を当事者として楽しめただけでも選挙に行ったかいがあったな、と思えた。今後も日本の政治は迷走するのかもしれないけども、池上さんのこの番組を当事者として楽しめるのなら毎回投票に行こうと思う。
メディアは本来こうやって関心を高めるための媒体だったはずだ。権力のチェック機能としてのメディアの本文と情報を伝える媒体としてのメディアの面白さを再確認できる良質な番組だった。

しかし、すごいフリップ用意してるよな、テレ東。。。
http://twitter.com/anarogTV/status/280281197718945793

関連記事:
ウェブで政治を動かすとはウェブでTVの報道を変えること。書評「ウェブ動」著:津田大介
【選挙】攻めすぎているテレビ東京まとめ【池上彰さん】 – NAVER まとめ
池上彰さんがテレビ東京の選挙特番でやりたい放題だと話題に : 市況かぶ全力2階建

伝える力 (PHPビジネス新書)
池上 彰
PHP研究所
売り上げランキング: 619
[PR]
Tags: