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録画視聴率導入が10月からと朝日新聞が報じていますけど、どうなんでしょうね。

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この録画視聴の件、朝日だけが報じていて、他紙が全然追随していないのでどこまで本当かわからないのですが、実際に導入となるとテレビ業界には大きなインパクトのある話です。

朝日新聞デジタル:視聴率、録画も本格調査へ 公表に消極的な局も

テレビ番組の視聴率を調べるビデオリサーチ社が、録画して番組を見た人もカウントする「タイムシフト視聴調査」を10月から本格化させる。録画で見る人が増えているのに合わせ、視聴の実態をより正確にとらえたいとの狙いがある。

ご存知の通り、テレビ番組の価値を図る唯一絶対の指標となっている視聴率は、日本では今のところリアルタイム視聴のみをサンプリングしています。朝日新聞の上記の記事では、これに加えて録画によって視聴されているものも計測し、視聴率に反映させていくとのこと。

時代の流れとしては、この動きは必然というか、視聴者の視聴行動により即したデータを、と考えれば当然の帰結になります。
ビデオという録画機器が普及してはや30年近く経っていますし、録画という行為自体けっこう一般的です。録画一度もしたことない人ってどれくらいいるんでしょうか。

しかし、朝日の記事によると、この録画視聴率の導入に積極的な局と消極的な局に別れ、計測してもすぐに公表していくことは難しいとのこと。

積極的なのはドラマに強い、フジテレビ、日テレ、消極的なのは高齢者層が多く視聴しているテレ朝(朝日の記事によるとそういう区分けのようで)。

民放テレビ局はCMによる広告収入が最も大きな収入源ですから、新たな指標によって数字が大きく動けば、今の業界の序列を大きく覆すことになりかねないので、今導入したくない局もあるということですね。

さて、録画視聴率がもし導入されたとしてどんな変化が期待できるでしょうか。番組の価値を計る指標が変われば、今まで仮称評価されていた番組にもスポットライトが当たるかもしれませんね。
朝日の記事のニールセンのパトリシア・マクドノー氏も語るように、録画されやすいタイプの番組というのはあります。ざっくりドラマ、コメディなど、じっくり視聴するタイプのものですね。反対に録画されにくい番組はスポーツ中継やニュース番組のような今見ないとあんまり意味ないタイプの番組。
現在日本代表などのスポーツ番組は各局のキラーコンテンツとなっていますが、その裏で放送されている番組を録画して後で見る人もいるでしょう。そうしたモンスター番組の裏番組の評価向上が期待できます。

あと深夜番組でしょうか。リアルタイムでは視聴率は1桁前半が多い深夜番組ですが、トンガった作品が多い事はよく知られています。割と録画して見ている人はいるかもしれない。そうすると深夜番組の価値は高まるかもしれません。もっと深夜枠に予算がおりるようになるともっと面白いものがたくさん出てくるかもしれませんね。

一方録画視聴率には課題もまだ多くありそうです。タイムシフト視聴の視聴率はアメリカでは最長7日後まで計測していますが、これをどこまで計測するのか。
また前述のマクドノー氏は広告主は「3日以内の視聴を重視する、なぜなら新鮮な真新しい情報に触れてもらわないと意味のない広告もある」と語っているとおり、録画して翌日すぐにみるのと、7日後に見るのを同じ視聴率に反映させるべきかどうかというのは議論のあるところでしょう。その辺ビデオリサーチさんはどんな風にお考えなのでしょう。

アメリカでは3日、というのが一つ分岐点となっているようですが、これは日本ではどうなのでしょう。日本固有の問題以外にも情報のスピード感というのは年を重ねるごとに早まっていますので、その辺も常に考慮に入れながら、経過日数による重み付けをやっていかないといけないでしょうね。
その他、複数回視聴された場合、どうカウントするんだ、とか。
CM飛ばしに関しても同様にいろんなデータを精査していく必要がまだまだありそうです。マクドノー氏は録画しても半分の人はCMを見ていると語っていますが、日本のリサーチ・アンド・ディベロプメントの調査では6割がCMスキップするという調査結果が出てます。テレビ視聴、録画番組は6割が『いつもCMスキップ』 | AdverTimes(アドタイ)

これは個人的な雑感なので読み飛ばしてくれても構いませんが、CM飛ばしに関しては操作性の問題が大きく関わってくるように思います。CMスキップ設定が面倒か簡単かでかなりこの数字はかわるんじゃないかな。
僕はガラポンTVでテレビ番組を見る事が多いのですが、CM飛ばしにくいので全部見てます。

しかし、実際日本においてどれくらい録画視聴率はインパクトを持ち得るのかはまだわかりません。リアルタイムに人気のある番組は録画もそれなりにされているかもしれない。どこまでインパクトがあるかはまだ未知数。

朝日新聞は今回の記事の前哨戦みたいなかたちで1月に録画視聴率に関する記事を出していましたが、これによるとやはりドラマやアニメなどのジャンルでは大きな変動があるとのこと。(どっからどうやって入手したんですかね?)
朝日新聞デジタル:「ドラマは録画」くっきり 再生率が視聴率上回る例も

視聴率は放送時間中に見られた数値しか公表されていないが、視聴実態をより反映した録画を含めた数値をみると、人気ドラマの中には録画再生が放送中を上回る例もあった。テレビ放送が始まって2月1日で60年、視聴率調査が始まってから半世紀以上がたつが、公表数値が視聴実態と離れつつあることが浮き彫りになった。

少し本論から外れますが、ソーシャルゲームで有名なグリーは東芝レグザのクラウドサービス「Time On」と提携してレグザの対応機種ユーザーの録画予約数をランキングで表示する「ランキン☆TV」というスマホアプリをリリースしているのを思い出しました。

レグザユーザー限定ですが、録画人気を可視化するサービスは今までなかったですね。
ちなみにこれだと本日(8/6)の1〜3位は全部ドラマですね。
rankintv

ランキン★TVに関してはこの辺の記事を読むとどういうサービスだかよくわかると思います。
グリー、“放送前”の人気番組がわかるアプリ「ランキン★TV」–東芝「TimeOn」を活用 – CNET Japan

僕はテレビ局の製作するコンテンツはお金も手間も才能ある人員もかけているし、なんだかんだ言ってとても価値あるコンテンツだと思います。
リアルタイムでこそ魅力を発揮するものもあれば、じっくり見てこそ面白いものもあったりして結構多様性があるんですよね。地上波だけでも1週間に2000近くの番組がありますから、それなりに多様性があるのですが、その価値を計る物差しがリアルタイムの視聴率だけでいいのか、とはやはり思ってしまうわけです。
もし録画視聴率がもう一つの物差しとして信用に値するのであれば、それはどんどん使って今までとは違う価値を与えていって、多様なコンテンツが生まれやすくしていってほしいなと思います。

※(本文とは関係ないけど)そういやSPIDERはいつ出るんですかね。。。これ書いて一年経ってしまった。。。