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映画レビュー『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

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132分があっという間に終わってしまった。J.J エイブラムスがリブートした新スター・トレックはとにかく怒濤のテンポで物語が進む。詰め込みすぎず、スタトレシリーズを全く知らない人にも存分に楽しめるように作っている。それでいて、往年のファンにも楽しめる作りになっているのはさすが。

スター・トレック イントゥ・ダークネス (角川文庫)

前作のリブート1作目は、カークがエンタープライズの艦長となる過程を描いた作品だったが、今回の続編の骨子はそのカークが艦長としてクルーとの確執を経て真の艦長へと成長していく物語となっています。

冒頭、宇宙の未開の文明探索の任でカークがいきなり現地人に追われているところをから始まり、巨大マグマの冷却にこつ然といどむスポックがカッコ良く、規約違反を犯してスポックを助けるカーク。しかし、その報告をごまかすカークと正直に報告してしまう、スポックが対立し、二人は任を解かれてしまう。一方ロンドンでは、ハリソンと名乗る男が、保管庫にテロを仕掛け、サンフランシスコの本部では艦長、副艦長クラス勢揃いの緊急会議が開催される。ハリソンはそこを奇襲、そこで恩人パイクを殺されたカークは、復讐を近い、エンタープライズ号の艦長に返り咲き、ハリソン探索に打って出る。

復讐に心を燃やすカークはクルーとの対立を深める。エンタープライズの機関主任のスコッティと言い争いになり彼を解任したり立案した案をことごとくスポックに否定されたりと前途多難な船旅。
しかし、危機の際に発揮するカークの勘と勇気がクルーを救いもする。対照的に常に論理的思考をするバルカン人、スポックが好対照と成す。感情を殺して理論だけで動くようなスポックにも変化が現れる。カークを死の淵に追いやったハリソンに対し、肉弾戦を挑み、感情を全面に出して闘う。スペクタクルなアクションが満載の作品だが、ドラマパートも忘れていない。袂をわかったスコッティも大活躍。
本来はドラマこそスター・トレックですからね。

そして注目の悪役、ベネディクト・カンバーバッチ演じるジョン・ハリソンネタバレは避けるけど、彼は実はスタトレファンなら知らない者はいない人気キャラであります。冷凍保存というキーワードだけでもわかってしまう人もいるだろう。しかし、本家のスター・トレックとは微妙に設定が異なっていますね。彼が見つかったいきさつとかは全然違う。

しかし、この映画もパシフィック・リム同様、核エンジンが重要な働きをしている。スター・トレックの時代は今から300年後とかで、宇宙人と共存してるし、ワープとかできたりして、テクノロジーもものすごい発達しているにもかかわらず、未だに重要な動力源だけは、現代と同じ核、というのはどうなんでしょうね。なんでエネルギーに関してはイノベーションが起きていないんだ。
娯楽作品としては文句なしに面白いんだけど、その核の扱いについてはやっぱり不自然でしょ、そもそもウランの埋蔵量300年後も足りるのか、とか。

やはりファイナル・フロンティア探索の壮大な物語なので、もっと夢見たいのですよ。300年後も核か、と思うとちょっと夢が半減するので、次回作ではすごいエネルギーが出てくるといいな。

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