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映画レビュー「スーサイド・ショップ」

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フランスの巨匠、パトリス・ルコント監督の新作は監督も初挑戦のアニメーション作品。ルコント監督は器用なタイプの監督ですから、アニメをやらせても大変上手いですね。

縄、薬など自殺用品を扱う超ネガティブ一家。人の不幸が喜びとでもいうような一家に新しい男の子が生まれる、しかしその男の子はなぜか超ポジティブな良い子。一家にしてみれば、家族のポリシーに反するような男の子だが、そのポジティブさで一家を前向きに変えていきます。
パトリス・ルコント監督作品『スーサイド・ショップ』
via 映画『スーサイド・ショップ』公式サイト

町全体が、絶望的な空気に包まれていて、自殺者があとを立たない架空の町が舞台。人様に迷惑をかけないようにと公共の場での自殺は禁じられている。そんな町の一角に自殺専門店を構える一家はこの世相をたいそう喜んでいる。ネガティブ思考の彼らには人の不幸こそが喜び。一家の大黒柱、店主の名前はミシマ。三島由紀夫から取ったのかどうか知らないが、日本刀を売りつけようとするシーンもある。妻のルクレスと二人で店を切り盛りしていて、二人の子供、ヴィンセントとマリリンがいるが彼ら2人はぴくりとも笑わない。
ある日、一家に新しい命が授けられる。三男のアランは一家のポリシーに反していつも笑顔でポジティブ。しかしアランの影響でお店の雰囲気が明るくなってしまっては店の売り上げにも関わる。ミシマはアランをなんとかネガティブに育てようとする。しかし、アランは徹底的にポジティブで、逆に家族を徐々にポジティブなマインドにしていく。
そして、最後にアランが仕掛ける壮大ないたずらによって、家族は大きな変化を遂げていく。

雰囲気はティム・バートンのアニメーションのようなブラック・コメディに近いですかね。暗い雰囲気もありますが、ミュージカル調に仕立てていて見ていて楽しく、絶望的な気分になることはありません。
こうしたストーリーを実写でやると、大変暗い作品になりがちですが、アニメの可愛いキャラ造形(?)のおかげもあり、無理なく見れるのがいいですね。ストーリーもテンポよく進むので飽きることなく見れます。このへんはさすがパトリス・ルコントといったところでしょうか。

予告編はこちら。

公式サイトはこちら。
映画『スーサイド・ショップ』公式サイト

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