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もっと日本のTVがもっと楽しくなるためには

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11/1(金)に開催されたソーシャルTVカンファレンスが無事終了して、レポートも書き終わったので感想を書いてみます。
ソーシャルTVカンファレンスは、境治さんの主催するソーシャルテレビ推進会議(僕も参加しています)が主催したトークセミナー。海外からのゲスト、Anthony Roseさんもお呼びして、まる半日の濃いイベントとなりました。
各セッションのレポートは以下のリンクからお読みください。

さて、日本のテレビ局のネット・ソーシャルメディア活用も随分と進んできたな、と思う一方、Anthony Rose氏の話を聞いているとまだまだ課題が多いのだなと感じます。現状の日本のソーシャルTVの総括として非常に良かったんではないかと思います。

Zeeboxを日本で提供するには

今回のカンファレンスの目玉は海外からのゲストのAnthony Rose氏のセッションでしたが、彼の作ったZeeboxはソーシャルTVの理想型のひとつであるでしょう。洗練されたUIに番組の発見から、繋がり、参加、直接購買に繋げるまでを1つのアプリでやってのけてしまっています。テレビ広告の価値の見直しが叫ばれるなか、テレビに新しいビジネスモデルを生み出しうるものです。
ユーザー参加機能を利用して、番組製作側もいろんなことにチャレンジしています。Zeeboxというプラットフォームがあるからこそ、テレビ局も新しいことに挑戦できているという意味で、テレビを変えていく技術革新とはこういうものか、と感嘆させられます。
さて、zeeboxのようなサービスを日本でも提供することはできないのでしょうか。Rose氏は、いつかは日本でもサービス提供したいと仰っています。

Zeeboxには、テレビ番組の進行に合わせて自動的にアプリ内の表示情報を変えていく機能を持っています。こうしたテレビ番組と同期して適切な情報をユーザーに提供するのがZeeboxの強みのひとつですが、これを実現するにはテレビ番組のCMの入るタイミングなどをアプリ側で事前にタイムコードなどのデータとして取得できているからできることです。
おそらく日本で同じデータを取得しようと思っても難しいでしょう。Zeeboxを日本で展開するにはまず日本のテレビ局側の情報公開の姿勢をもっとオープンにしていく必要があるでしょうね。

Zeeboxと同じようなサービスを提供したいと思っている開発者は日本にもいるだろうと思いますが、いかんせん素材となるデータが取得できなければ実現できません。ここに日本のテレビが解決しないといけない課題があるように思います。

実際、テレビ周辺のアプリやウェブサービスを開発している人たちの話を聞けば、番組の一枚のサムネイル写真の取得すらいろんな気苦労を重ねているようです。Zeeboxをはじめ、アメリカのソーシャルTV関連のアプリはみんな番組の綺麗なサムネイルを使っていますしね。

角川アスキー総研の遠藤氏は、ネットのパラダイムが全てを覆い尽くす時代が来ると語っていました。サムネイル一枚使うのにも不自由な状態というのはネットのパラダイムに乗れていると言える状況かどうか。

NHK以外もAPI公開しましょうよ

Anthony Rose氏も講演中に仰っていましたが、ユーザーは地上波かケーブルTVか、インターネットかなどのコンテンツの出所など気にしなくなっています。面白いコンテンツとそのコンテンツを面白がれる仕組みを追求していくべきでしょう。
そしてその面白がれる仕組み作りに大事なのはテレビ局側のオープンな姿勢と情報公開。
NHKがAPI公開をしましたけど、番組データベースが一局しかないのでは、開発側としては使いにくいでしょうし、ここをなんとか突破するためになんとかいろいろ働きかけてかないといけないかもしれませんね。

テレビは生き残れるのか (ディスカヴァー携書)
境 治
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