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Twitter TV指標の見方はこんな感じ

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先日、テレビの視聴率調査でお馴染みのビデオリサーチ社が、Twitterをテレビの評価指標とする「Twitter TV指標」を2014年6月から提供開始すると発表しました。

ビデオリサーチ 「Twitter TV指標」提供に関し、Twitter社との協業に合意 |プレスリリース 2013年 | ビデオリサーチ

昨年の10月にTwitter社と共同で新たな番組指標の開発に取り組むことは発表済みでしたが、今回具体的な開始時期の明示と、なにをどんな風にデータとして提供するかが発表されました。
新たに提供される指標は、プレスリリースによると以下の4つ。

「Twitter TV指標」は、『ツイートの投稿数』『ツイートしたユーザー数』『インプレッション数』『インプレッションユーザー数』などにより構成されます。その中で、「インプレッション」はTwitter社との協業により、当社が国内で初めて提供するものとなります。

この4つは先行して今年の10月からアメリカのニールセンとTwitterが提供開始した「Nielsen Twitter TV Ratings」と同じものです。アメリカでもこの4つの数値を並べて公開しています。
以下のサイトでアメリカのテレビ番組のデイリーとウィークリーのTwitter TV視聴が閲覧できます。
Nielsen Twitter TV Ratings

nielsentwittertvratings

英語の4つの数値はそれぞれこの日本語に対応します。
ツイートの投稿数。。。Tweets
ツイートしたユーザー数。。。Unique Authors
インプレッション数。。。Impressions
インプレッションユーザー数。。。Unique Audience

これ見ると今後ビデオリサーチさんのTwitter指標でどんなことがわかるのかイメージつきやすいと思います。
一応ランキング形式で発表されておりますが、この順位は一番左の「インプレッションユーザー数/Unique Audience」の順番ですね。
4つの数値のうち、これを一番重要視しているということでしょうか。

ツイートの数は2位のWWEが一番多いのですが、インプレッションのオーディエンスでは負けてます。おそらくこの場合、熱心なユーザーがいっぱいツイートしてるんですが、その多くはプロレスクラスタ内のTLに表示されて、1位のThe Voiceほどには広がってないということなんでしょうね。単純なインプレッションでもThe Voiceより上ですが、同じクラスタのユーザーに何度も表示されたと考えられます。
でも1位のThe Voiceと2位のWWEの「ツイートしたユーザー数/Unique Authors」はそんなに大きく違っていないにも関わらず、ツイート数は結構差が開いてますので、WWEの視聴者の方がよりエキサイトしていっぱいツイートしたのかもしれないですね。

ウィークリーのランクを見てみると、もっと露骨にツイート数とインプレッションユーザー数の開きがありますね。1位のThe Sound of Music Live!のツイート数は2位のThe Voiceの半分以下ですが、インプレッションユーザーの数では上回ってます。だれかフォロワーの多いインフルエンサーが多くツイートしてたのかな。
nielsentwittertvratings2

E!Onlineによると、やはり多くの有名人がこの番組を見ながらツイートしてたようです。
Sound of Music Live!: Cameron Diaz, Rob Lowe, Miranda Lambert & Anna Kendrick Live Tweet the Show | E! Online

これはアナ・ケンドリックの番組放送中のツイート。

これはロブ・ロウのツイート。

これはキャメロン・ディアス。

3位のグラミー賞ノミネーションのライブ放送も、ツイート数、ツイートしたユーザー数はともにそんなに多くないですが、インプレッションが高いということは、有名人がツイートしてるんですね、きっと。
反対に2位のThe Voiceは、一般の人がワイワイ盛り上がってツイートしてるんでしょうね。

ちなみにこの日(12/9)の従来の視聴率だと1位はやはりThe Voice。しかし2位はTwitter TV指標だと3位のThe Sing-offですね。
Monday Final TV Ratings: ‘The Voice’ & ‘Sleepy Hollow’ Adjusted Up; ‘The Great Christmas Light Fight’ Adjusted Down

WWEはケーブルネットワークのUSAネットワークでの放送なので別枠。ケーブルチャンネルの視聴率ランクを見てみると、WWEの視聴率はTwitterのランクでは5位のLove & Hip Hopより下なんですね。Twitterでは4位のBonnie & Clydeも視聴率では割と下の方に。
Monday Cable Ratings: ‘Monday Night Football’ Wins Night, ‘Love & Hip Hop’, ‘WWE Raw’, ‘Major Crimes’ & More – Ratings | TVbytheNumbers

Bonnie & Clydeも見た人はそんなに多くないけど、熱心にツイートされたことでしょうかね。これは名作「俺たちに明日はない」のテレビ版ですが、なるほどコアなファンがたくさんいるかもしれないタイトルですね。

とまあ、ちょっと見ただけでも従来の視聴率とは違う発見ができますね。

昨日、あやブロナイトでTwitter Japanの牧野さんのお話を聞く機会がありましたが、ツイート数の多い番組は「じっくり」見られているなんて見解をお話されていました。
また日本では番組放送中のツイートはアニメ番組に多い傾向がありますが、インプレッション数ではどうかというと、そんなに多くないのでは?と仰っていました。ここで取り上げた例でいうと、WWEみたいな感じ?たしかにコアなファンに根強く支持されてはいるものの、国民的人気の番組ではないのかもしれないので視聴率では後塵を拝しても、熱狂的なファンがついているというのは、視聴率には表れない1つの価値ですね。

当初ビデオリサーチとTwitterは、ハッシュタグを中心にこの指標を算出しようと試みていたようですが、結果的にはやはりハッシュタグをつけずにツイートしているものも多くあるだろうということで、キーワードを含む関連ツイートを算出というようにしてきました。キーワードの選び方によっても、かなり結果が変わってくるので、各番組にどんなキーワードを設定しているのかも気になるところ。

例えば、篠崎愛さんが出演している番組があったとすると、その番組の関連のキーワードに「ぷるんぷるん」などの単語が設定されているのか、とか大変気になります。でもぷるんぷるんなんてテレビ見てなくてもつぶやいてる人は24時間いると思うので、設定されるべきキーワードなのか、判断が難しいところですよね。
そういうキーワードを各番組に考える作業というのもなかなか大変そうですね。いい大人がそういうキーワードをどうすべきか真剣に考えてる姿を想像するとけっこう笑えるんですが、今まで視聴率では見落とされていた番組の価値を発見できるように、ビデオリサーチさんとTwitter社には頑張っていただきたいです。

あと、今回のビデオリサーチの発表でもう一つ重要だったのが指標の提供だけでなく、ツイートの内容の解析にも取り組むと発表があったこと。こっちはまだ具体的な話はまだ決まってないっぽいんですが、こちらの動きもなんかわかったら別の機会に書きたいと思います。

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