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Twitterが支配するソーシャルTV市場にフェイスブックの動画広告は食い込めるでしょうか

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フェイスブックが動画広告を販売するという記事が出ていますね。

フェイスブック、今週中に動画広告を販売へ=関係筋 – WSJ.com

米交流サイト(SNS)大手フェイスブックが今週中に動画広告の販売を開始する。事情に詳しい関係者が明らかにした。

 この広告は利用者のニュースフィードに自動的に流れる。広告主が今年、米国のテレビ広告に投じるとみられる664億ドルの一部をフェイスブックが獲得するのに役立つかもしれない。

フェイスブックの公式の発表はこちら。まだ「テスト」とのことで試験的な運用のようです。動画もあります。
Testing a New Way for Marketers to Tell Stories in News Feed | Facebookビジネス

まず1発目の動画広告は Summit Entertainmentの新作映画「Divergent」とのことで、まずは米国市場で最長15秒の動画広告がユーザーのニュースフィードに流すことを計画しているそうです。15秒、というとInstagramの動画の録画時間の長さをと一緒ですね。
少し前にはInstagramも広告表示を開始しています。Instagramと言えば写真ですが、動画の広告もあるみたいですね。
Instagram、米国で広告表示開始へ – ITmedia ニュース

米Facebook傘下のInstagramは10月3日(現地時間)、向こう2カ月中に米国ユーザーのフィード上に広告を表示すると発表した。

 フォローしていないブランドの写真や動画の広告が表示されるようになる。

この動画広告に関しては、フェイスブックは以前から導入の噂があったものの、開始がずいぶんと遅れていたようですね。10代を中心にフェイスブック離れの話も出てきているなか、これ以上フィード上に広告を増やすのはいかがなものかと慎重になっていたようです。
それがここにきて、動画広告をスタートさせた背景には、ライバルであるTwitterのテレビとの協業があるのでは、という観測が出ています。
Facebook Video Ads Could Bite Into Twitter's Social TV Dominance | Adweek

In other words, Twitter’s Promoted Trend—which costs around $200,000 per day—has company in terms of buzz-minded social ads products. Television brands have been active Promoted Trend buyers to spark timely conversation. So it’s reasonable to believe that broadcast and cable marketers will regularly tap Facebook’s auto-play ad to push TV shows. Imagine how many times a plot-driven 15-second spot for The Walking Dead or Mad Men would be shared, liked and commented on leading up to their respective premieres?

TwitterのPromoted Trendは、テレビを視聴しながらの会話(ここではツイートという意味ですかね)を増加させるためによくテレビに利用されており、同様にFB上に人気ドラマの短い動画広告が大きくシェアされ、いいねされ、テレビ視聴を促す効果があるのでは、ということですね。上述のAdweekの記事ではそのほか数人のアナリストがFBの動画広告とテレビは相性がいいだろうという分析を披露しています。
引用した部分ではウォーキングデッドやマッドメンのような人気ドラマのスポットCMを放送前に流せばかなり効果的では、とのこと。放送時間に合わせてこの広告を利用できればそういう使い方が可能ですね。それができるとは発表されてはいませんが。

TwitterはIPOとほぼ同時期にテレビ番組の指標をニールセンと共同で開始しましたし、わざわざIPOに合わせて発表してきているので、テレビ関連事業はTwitterの今後のビジネスの基幹となるのかもしれません。

そしてテレビと連動した動画広告の開発も発表しています。テレビでCMを見たユーザーに対して、ハイライト動画や短いCMをプッシュできる機能です。
Twitter、広告主にテレビ広告ターゲティング技術を提供 – CNET Japan

あとツイート内に「See It」ボタンを配置して、押すとテレビが見られるサービスなんてのも発表されてますね。これは便だなーと思うんで、日本でも導入してほしい。
Twitter、テレビ番組直結ボタン「See It」を発表 Comcastとの提携で – ITmedia ニュース

Twitter社の最近の動きはテレビの市場を奪うというよりは、共同で新たな付加価値を、という方向性でですが、フェイスブックはその辺どうなりますでしょうかね。分析系のサービスではTwitterに対抗してツールの提供も開始しています。
Facebook、“ながら投稿”分析ツールをテレビ局に提供 Twitterに対抗 – ITmedia エンタープライズ

しかしながら、テレビを見ながら利用されるソーシャルメディアサービスは日本でも米国でもTwitterが圧倒的に多いんですね。アメリカではソーシャルメディアで交わされるテレビ関連の言及の95%がTwitterでのものだそうで。
Twitter & TV | Twitter for Business

95% of the public social conversation around TV happens on Twitter.

分析ツールもシェアが低ければおまり有効なデータを提供できないでしょうし、FBとしてもこのシェアは奪っていきたいと思ってるでしょうね。それでテレビ局から動画広告収入取っていけるなら、マネタイズの手段としては悪くないでしょう。

しかしこの動画広告、オート再生式なんですね。プッシュ効果倍増かもしれないですけど。ウザさも倍増ですな。(サウンドはクリックしない限りオフらしいですが)
なのでまだテスト段階なのに、早々と動画広告をブロックする方法なども紹介されるという様式美的な展開がここでも見られるわけですね。個人のブログじゃなくてTimeに書かれるというね。
How to Block Facebook’s Annoying New Autoplay Video Ads | TIME.com

実際問題、けっこう鬱陶しいと思いますね。モバイル画面ではとくにただでさえフィード上に流れてくる広告の画面占有率でかすぎですし。それが今度は勝手に動いてるわけですから。面白ければいいですけど、つまんないCM流れてきたらつらいな。テレビCMが度々嫌われる理由は強制的にプッシュされるからだと思いますが、やっぱりネットも同じことをするしかないのかな。

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