[PR]

TBS HACK DAYのアイデアソンの審査員をやって、コンテンツと技術の関係を改めて考える

[PR]

テレビ局が初めて主催するハッカソンイベント「TBS HACK DAY」の予選となるアイデアソンの審査員をやらせていただきました。
TBS HACK DAY

テーマは「未来のテレビの楽しみ方を追求するアプリケーションやWebサービス」。若い人にテレビを楽しんでもらうには従来通の一方通行なコンテンツの提供だけでなく、様々な角度から、テレビコンテンツに付加価値を与えていくことが必要。そのアイデアを若い開発者から広く募ってみようということで企画されたこのイベント。多くのエンジニアやプランナーが参加しました。

本戦のハッカソンが来週に控えているため、具体的なアイデアの中身はここでは書けませんが、いずれもユニークなアプローチのアイデアで非常に刺激的なイベントでした。

リアルタイム視聴を促進させるもの、テレビのある空間そのものを演出してしまおうというものや、ノイジー情報と見なされがちなCMを面白くするアイデアなどバラエティに富んだアイデアがたくさん出てきました。みなさん頭柔らかいですね。

予選はアイデアの出し合いの勝負となりましたが、本戦に残った方々は来週のハッカソンで実際にサービスを作ることになります。予選でプレゼンしてくれたアイデアがどこまで具体化されるのか楽しみです。

技術の発展はコンテンツの発展に不可欠

審査やりながら改めて考えていましたが、コンテンツのありようは技術的制約にかなりの部分委ねられているということです。
映像という表現手段は特にその傾向が強いと言えます。映像と音を同期させる技術がない時代には映画はサイレント映画しかありませんでした。これがトーキーと呼ばれる音と映像をシンクロさせる技術が登場して台詞入りの映画が作れるようになりました。そして音つきならではのジャンル、ミュージカルなども映画で制作されるようになりました。
「雨に唄えば」はハリウッドがサイレントからトーキーの時代に移行する時代の物語ですが、サイレント映画として企画していたアクションロマンスものをトーキーのミュージカルとして作り直す製作者たちの姿を描いています。

テレビもかつては録画するVTR機能がなかった時代は全て生放送でした。撮影して編集した作品を放送することができなかったのですね。昔は生放送しかなかったのですが、VTR技術の発達のおかげで多用なタイプの番組が制作できるようになりました。昔はドラマすら生放送でしたから。

現代においてはウェブの良さをどう生かすかはテレビにとって積年の課題となっています。でもなかなか決定的なアイデアがでてこない。テレビ業界はウェブの自由な発想ができにくい部分があるし、ウェブ側の人間はテレビの活かし方を突き詰めて考えたことのある人は少ないです。TBSデジタルビジネス推進部担当部長の谷英之氏も「テレビ向けのエンジニア」を育てなければいけないと仰っています。テレビの良さを引き出すことができる人材の発掘という意味も今回のハッカソンにはあるようです。

既存の番組にアドオン的に魅力を付加するだけでなく、技術の力で新しいタイプの番組を生み出すくらいの気概でやっていくと良いと思いますね、こういうのは。実際そうなり得る、と思わせるアイデアもありました。
来週本戦の結果が楽しみです。

Yコンビネーター
Yコンビネーター

posted with amazlet at 14.03.01
日経BP社 (2013-09-03)
売り上げランキング: 4,100
[PR]