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通学路で人生を学ぶ。

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岡田育さんのcakesの人気エッセイ「ハジの多い人生」の中で、欲望という名の満員電車というコラムがあるのですが、これがめっぽう面白いのです。曰く「人生に必要な知恵はすべて満員電車が教えてくれた」。
6歳から満員電車にのって毎日小学校へ通っていた著者が、その学校への道のりで人生とは、社会とはなんなのかを学んだ、という内容ですが(痴漢とか大人の余裕のなさとか、そういう世の中の暗い部分と処世術と学んだそうで)、学びの機会ってのはなにも教室の中だけでにあるものではないんですね。岡田育さんはこのエッセイで、むしろ学校よりも満員電車という特異な通学路で大きな学びを得てしまった体験を綴っています。学び舎に向かう通学路にも学ぶ機会というのはゴロゴロ落ちているのですね。
ハジの多い人生

日本の満員電車と比較して論じるのは無理があるかもしれませんが、ドキュメンタリー映画「世界の果ての通学路」もまた通学路で人生の大切なものを学ぶ様を描いた作品と言えると思います。艱難辛苦といって差し支えないであろう、困難な道を何時間もかけて学校に通う4組の子どもたちを追った作品です。

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ケニアの兄妹は、象に気をつけながらサバンナを渡り、モロッコの少女たちは片道22kmの山脈道を足を痛めながら通い、アルゼンチンの山奥の牧場で暮らす兄妹は馬に乗って荒野をかけ、インドの車椅子の少年は、2人の弟にオンボロの車椅子を押してもらい学校に向かいます。
一般的な日本の小学生も、通学途中には車に気をつけなさいとは注意されるでしょうが、象に気をつけなさいと言われることはないでしょう。日本人としてそんな通学路が存在することに新鮮な驚きを禁じ得ません。荒野を馬で駆けるアルゼンチンの少年も、まるで西部劇の登場人物のよう。
ここに描かれる子どもたちが、これほど大変な思いをしてまで学校に通うのは、学校で多くのことを学びたいからです。しかし、通学それ自体からも多くのことを学んでいると思います。少なくとも困難を乗り切るタフさと強さを相当身に付けているでしょう。

そして、そんな少年たちの姿をスクリーンから見つめる我々も多くのことを学べる、そんな映画ですこれは。

学ぶ機会とは実は非常に貴重なものだということが身にしみて伝わる作品です。お見逃しなきよう。

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