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「響け!ユーフォニアム2」第一話からいきなり藤田春香氏が演出を担当

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「響け!ユーフォニアム2」の放送が始まった。やはり面白い。部内の人間関係のドラマの濃密さ、作画の美しさは1期から変わらず。主役の久美子も相変わらず口が軽い。
初回は1時間スペシャルだった。1期と同じく1話は山田尚子が演出を担当するかと思いきや、(おそらく)前半が石原立也氏、後半は1期の8話「おまつりトライアングル」が評判になった藤田春香氏が担当だったが、重要な第1話の演出を任せるとは、京都アニメーションとしても相当に期待しているのだろう。2期では彼女の演出担当話数がかなり増えてくるのかもしれない。

前半は、カメラブレなど、石原-山田ラインではおなじみの演出をふんだんに使っていたが、シリアスが増す後半30分ではむしろ固定カメラが増えていた。
前半は1期の最後の雰囲気を継承しながら、後半で2期の話の中心になるのであろう、2年生のエピソードが重苦しい雰囲気でスタートする。キービジュアルにも2年生が4人入っているが、笑顔の1年生4人組とは対照的な表情なので、この子らがギスギスしたドラマを作っていくのかなと思っていたのだが、やはりそうなのだな。明日香先輩のエピソードがシリーズの後半であろうか。藤田さんが1期で担当した「おまつりトライアングル」もかなり煮詰まったドラマを見せた話だったが、そうした人に寄り添うエピソードに彼女を起用するのかな。あるいは、久美子と麗奈の百合っぽい話は彼女担当だろうか。たんにお祭りつながりでの起用かもしれないが。

この作品はいろいろ秀でた点の多い作品だが、脚本的には面倒くさい人間関係を面倒臭がらずにきっちりと描いているというところだろうか。実写の映画でも最近はあっさり風味の物語が多いのだが、こういう大所帯の人間ドラマを濃密に描く作品は少ない。集団の面倒臭さは本気で情熱を持っている人たちが集まったときにこそ立ち上ってくる。情熱を持った集団にも個々人で温度差がある。この作品は、その温度差をきちんと大事に描いている。京アニの代表作「けいおん!」はそういう面倒臭さを周到に排除した作品だったが、まるで異なるアプローチをしているのはやはり興味深い。
現在、映画館で上映中の「聲の形」もかなり入り組んだ人間ドラマを作っているが、演出の方向性も同じ路線だ。シリーズ演出で山田尚子氏が参加しているので当然そうなるが、高レベルな作画だけに頼らず、なにげない止め絵から想像できる感情の深さのようなもので見せていくというか。そういう余白の使い方も、テレビアニメ作品としては非常に贅沢な作品だ。

これから毎週この高レベルな作品が見られるのは本当に嬉しい。

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