[PR]

「終末のイゼッタ」がめっぽう面白い。飛行と破壊のカタルシスが詰まった快作

[PR]

10月から放送開始した「終末のイゼッタ」が面白い。ここまで面白いとは放送開始前には全く予想していなかった。

第2次大戦のヨーロッパ戦線をベースにしたリアル戦記+魔女ファンタジーという全く世界観の違う2つを合致させた発想がよかった。絵面として大変面白いし、兵器関係の描写もリアリティがあるので、魔女の異質性が際立つ。なんといっても、魔女の乗り物がホウキではなく、対戦車ライフルなのがユニークだ。ライフルに乗った魔女が戦闘機と戦うビジュアルが、飛行シーンの作画の素晴らしさも相まってものすごい格好いい。

10月15日放送の3話はリアル戦争+飛行ファンタジーの魅力がふんだんに凝縮されたエピソードだった。前半Aパートは血なまぐさい塹壕戦。冒頭の緊張する新兵が上を見上げると鳥が一話優雅に飛んでいるシーンが印象的だ。地面に塹壕を掘り、こそこそ隠れる人間と空を自由に舞う鳥の対比。同じ空間に存在するのに、全く違う世界を生きているようなこの対比が、今回のエピソードのAパートとBパートの違いにそのまま繋がる。テレンス・マリックのシン・レッド・ラインを彷彿とさせるよな描写だ。
Aパートではゲルマニアの物量に対してなすすべなくエイルシュタットの血みどろの塹壕戦を描くが、Bパートになるとランスに跨ったイゼッタが戦闘機を撃墜しまくる。撃墜後にドジって木にぶつかるあたりの天然さも地上の兵士たちの緊張度合いと対照的で、まるで違う世界を生きているようだ。しかし、やっていることは戦争なのである。
そして、ライフルに乗り換え、たくさんに剣を従えて戦車中隊を駆逐しまくるシーンは圧倒的な破壊のカタルシスだった。

物語の展開も目が離せない。専制国家の侵略から小国を守ることがストーリーの本筋となるだろうが、欧州の魔女は往々にして良い扱われ方をしない。タイトルに『終末』とついているぐらいなので、悲劇が待っていそうな予感もするが、ここまではハードな戦場と美しい飛行シーンが交錯する見事な展開だ。いまのところ今季一番のアニメだ。
 
10月22日には横須賀HUMAXシネマで1〜3話をスクリーンで上映するイベントも開催される。本作の戦闘シーンは大画面で見たらきっと映えるだろう。
「終末のイゼッタ」イベント上映決定!

終末のイゼッタ Vol.1 [Blu-ray]
松竹 (2016-12-21)
売り上げランキング: 178
[PR]