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『ガンバの冒険』の悪役ノロイについて書きました

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 アニメ!アニメ!の敵キャラ列伝の連載3本目で『ガンバの冒険』のノロイを取り上げました。

 ノロイはなぜ“日本アニメ史上に残る悪役”と言われるのか? 美しいものこそ本当に気をつけなければならない | アニメ!アニメ!

 ノロイ、怖いですよね。ノロイは「絶対悪」である論点で書いています。『ダークナイト』のジョーカーを絶対悪、『ジョーカー』のジョーカーを相対悪の参照例として挙げてみました。あらゆる事情を超えた「絶対的な」悪が世の中にはあるかもしれない、そういう説得力がノロイにはありました。

 そして、なんと言っても美しいのですよね。その美しさこそ僕たちは恐れなくてはいかんのではないか、みたいなことを書いています。

 以下、本記事を書くにあたって参考にしたものや、構成のメモなどを記します。メモだから、きちんとした文章になっていないことをご承知おきください。記事ができる過程を記録しておくのが目的なので。

ここからメモ

ノロイの特徴
心の弱みに漬け込んで懐柔したり奸計を巡らす知能を持っている。
綺麗、見惚れる美しさを持ってしまっている・・・原作時点で女性のイメージを含んでいるらしい。しなやかな肢体の美しさがノロイにはある
異様な美意識
組織の内部崩壊を誘発させるなど、心理戦に長けている
 
 

『ガンバの冒険』BDボックスのインタビューから。
大塚周夫さん
絵が激しい、それに負けない発声法、喋り方、個性を工夫した。
飼っていた猫にいたずらしていろいろ学んでノロイに取り入れた。
ノロイは特別だったんです。相当真剣にやってたってこと。
初登場シーンはディレクターに怖すぎると言われた。
外国映画でね、すごいワルを演る。ニタッと笑って「殺せ」と言ったあとにね、ポケットに入っていたリスにチュっとやったりする。凶悪なヤツの反対側にある柔らかさみたいなものをいつも計算してるんです。そうすることで、凶悪なだけではない、どこか柔らかい人間の臭いみたいなものを出す。それをもたさないと、本当に嫌悪されちゃうんです。

野沢さん
(ノロイについて)とにかく怖くて憎たらしい、でもきれいなんです。
水城さん(ボーボ役)「ノロイ大好き。きれいで美しいわ」
衝撃のシーンはノロイの初登場シーン       

※以上のインタビューは氷川竜介さん
 

原作者のノロイのイメージ
またノロイのイメージは、60年安保闘争の際に対峙したものも投影していますが、やはり思春期から青春期にかけての、魅力的な年上の女性のイメージが多分にあります。(ノロイのモチーフとなった)八丈島で出会った、木漏れ日を浴びて白く輝いたイタチは本当にきれいでした。 https://books.j-cast.com/book038/2015/10/22004008.html

茂木:僕はノロイですね。もし小学校で感想文書くとしたら、僕はノロイについて書きます。あの数々の罠とか、美しいもので魅了して引っかけるというのは最高ですよね。 斎藤:それは男の子ならばみんな知っていることだと思います。自分よりも年上の女性の美しさみたいなものですよね。 茂木:ノロイは綺麗なお姉さんの象徴なんですね。
白いイタチのノロイ。『冒険者たち』を読んだことがある人ならおそらく感じ取ったことがあるであろう、あの恐怖と美しさと、そして「どうしようもない」という感覚。その根源が「綺麗なお姉さん」に対する男の子の感情にあったことに客席から驚きの声が上がった。 http://www.sinkan.jp/news/6194?page=1

60年安保闘争に敗北し、最早出口なしと鬱々としていた精神が、八丈島で見た、ネズミ駆除のために送られたイタチに触発され、出口を模索しながら書いたのがこの物語でした。 http://kangekiyoho.blog.jp/archives/51868718.html

 
絶対悪:absolute evil
ジャンポール・サルトルは、「1947年における作 家の状況」の中で、第二次大戦が我々に示 したものは、ヨーロッパがそれまで知らなかった〈絶対悪〉の存在であったという。ここで言う絶対悪とは、原爆や 強制絶滅収容所に代表されるものである。また、サルトルはジュネに仮託してして次のようにもいう:「悪とは、組織的に具体を抽象に置き換え ることだ」(『聖ジュネ』)。
絶対悪とは、カントによるもので、より具体的には明確な意図をもって他人を危害や損害を加えるような行為がもつ意味のことだ。https://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/absolute_evil.html

 
『世界の宗教がわかる本 成り立ち、儀式からタブーまで』から:
「絶対」というのは、人間には理解できないけれども宇宙全体の存立の根幹になっている概念、そして「相対」とは、人間に理解はできるけれども、それは有限性の範囲でしか通用しないもの、と考えます。
 すると「絶対善」というのは、宇宙を宇宙として成り立たせているもの、「絶対悪」は、宇宙を宇宙として成り立たせないもの、と言い換えることができます。
 
 
Intro
アニメ史上最も怖い悪役と言われるノロイ
あの強烈なデザイン、白く美しい体毛、容赦ない残虐さ、大塚周夫氏の恐ろしい熱演、様々な要素が合わさった「絶対悪」と言っていい強烈なキャラクターだ。

わかり合えない悪がこの世界にはある。ノロイにはそれがある。

Body1 絶対悪としてのノロイ
およそ情けがない悪役。実力の違い
知能で相手を追い詰める
八丈島にねずみ駆除として放たれたイタチがモデル。。。絶対悪のたとえ(原爆?)…根本的にイタチはネズミを殺す目的の動物であるということ、どうあっても相容れず、その社会を破壊するもの 話す余地はないのだ。

Body2 美しい花には棘がある。。。ノロイはどうして美しいのか。
美しさがその対極の恐ろしさを引き立てる? 恐ろしくて関わりたくはないが、美しくて魅力的でもある。視聴者的にはそこに目が離せない理由がある
美学がある。白い花を怪我した部下を殺す
初登場シーン、光をバックに神々しく登場して催眠術のようなものを使う
年上のお姉さんの要素がある

Body3 殺しを楽しむ性格
殺しが楽しい・・・絶対に相容れない価値観との対峙
自然の脅威とはそういうものかもしれない。
楽しむには知性が必要

 
悪の体現としてノロイは完璧すぎる。理不尽な暴力という絶対悪がこの世界にはあるのだということを強く印象付ける。最後までぶれない強靭な悪の集大成のような存在だ。だから目が離せない。
人間がアリやゴキブリに情けをかけないように、イタチはネズミに情けをかけない。まさにネズミにとっての絶対悪だ。
しかも、ノロイは一度たりとも弱みも弱気も見せなかった。最後まである意味、立派に死んでいった。

メモ終わり

完成原稿を比べると、「殺しを楽しむ性格」の要素を削ってますね。安保闘争の話なんかも盛り込まなかったらしい。絶対悪でサルトルを引用しなかったのは、アニメ媒体であることを考慮して、馴染みのない例かもしれないと考えたのではないかと思われる。

「殺しを楽しむ」はあんまり上手くまとめられないなというのと、要素が多すぎても原稿が長くなりすぎるので削ってます。これはなんでこんなことを考えたかと言うと、生物は生きるために他の種の生命を奪う必要があって、生存本能としてどんな生物も殺しを行うけど、それを楽しめるというのは生存本能だけでは説明できないなあと思ったから。「楽しむ」というのは、「生き延びる」よりも豊かな生活を手に入れてこそできるステージであって、もしかして知能も必要なのでは、殺しを楽しむというのはある程度高い知性を獲得しないとそうはならないんじゃないか、みたいなこを考えたのですが、根拠が弱いなと。

 
参考になるものがあるかと思い『ガンバの冒険』45周年展にも行ってきました。7月13日まで、池袋のマルイで開催しています。入場無料なので気軽に入れますよ。グッズもたくさん売っています。

 『ガンバの冒険』45周年展は写真撮影もOKでした。

原画もたくさん。

ノロイは他のイタチよりも顔が細長く鋭いんですね。

大塚周夫さんと野沢雅子さんのインタビューもありました。BDボックスに収録されていたものです。

大橋学さんのノロイ!

 
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