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スタジオジブリ作品のリバイバル上映について書きました

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 リアルサウンド映画部に、スタジオジブリリバイバル上映について書きました。

 ジブリ名作のリバイバル上映はなぜ成功した? コロナ影響下の映画館で再確認できたコンテンツの魅力|Real Sound|リアルサウンド 映画部

 映画館の再開直後に、映画館の魅力を有限性で考えるというコラムを書きましたが、今回はそれを発展させたというか、実践編といったところです。

 シンプルに言うと、スタジオジブリの作品は多くの人がテレビで見たことがある、それを改めて映画館で見れば、純粋な映画館の持っている魅力が再確認できるのでは、ということです。

 記事では①そもそも息の長いコンテンツを有することはとても貴重なことである、②映画館の有限性でナウシカはどう違って見えるか、という②点について書いています。

 新作を供給できなくても、ジブリのような作品を持っていることで東宝はこういう形で勝負に出られたということです。今だけ受けるような作品ばかりでは駄目なのだということですね。

 以下、本記事を書くにあたって参考にしたものや、構成のメモなどを記します。メモだから、きちんとした文章になっていないことをご承知おきください。記事ができる過程を記録しておくのが目的なので。

ここからメモ

Point3つ
1)ジブリの作品がいまだにこれだけ売れる理由・・・視聴率もいまだにすごい

  • 息の長いコンテンツを持つことの大切さ。消費サイクルの速さばかりに気を取られてはいけないのがコンテンツビジネスなのではないか
  • ジブリのコンテンツの息の長さを育てたのはテレビなのではないか。定期的な放送により定着した人気

2)映画館で馴染みのジブリ作品を見る意義

  • 有限性のない環境、テレビ放送とどう違う?
  • 前回提示した有限性の議論の実践編
  • ナウシカを映画館で見た結果、どう思ったか。具体的なシーン事例

3)リバイバル上映というレパートリーはシネコンに根付くか

  • リバイバルと有限性の魅力をつなげて語れるかもしれない。

Intro
コロナウイルス開けて、映画館が再開されたが、苦戦を強いられている。
配給も新作を出しづらい状況。

東宝がそんな中、ジブリ作品を公開。トップ3を独占。3本とも一億円を突破。座席販売数が50%以下でこの数字はすごい。

この現象から、映画産業の未来についてどんなことが見いだせるだろうか。
 

Body1 ジブリのコンテンツ寿命の長さ
視聴率の話
息の長いコンテンツを持っていると、今回のような未曾有の事態に対して、取れる選択肢が豊富になってくる
テレビ放送の意義でもある。ジブリのコンテンツの息の長さはテレビの貢献度も高い。それは配信にはできないことかもしれない。

ジブリ映画の放送回数は?他の作品と比較できるか。数字のまとめはどこかにあるか。
『千と千尋の神隠し』9回目放送でも17.9% https://www.oricon.co.jp/news/2142421/full/
「風の谷のナウシカ」視聴率10・4% 地上波18回目も衰えぬ人気 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/01/07/kiji/20190105s00041000191000c.html

ジブリ公式から。映画のテレビ放送の位置づけについて重要な指摘

第2が、過去に積み上げてきた実績です。ジブリ作品といってもすべてが興行的に大成功してきたわけではありません。具体的には、先程述べましたように「魔女の宅急便」からです。しかし、この大成功には前作品「となりのトトロ」「火垂るの墓」の2作の存在が非常に大きいのです。この2作品は同時公開されましたが、公開時点ではそう大きな興行成績をあげたわけではありませんでした。しかし、内容的には非常に評価が高く、その後のビデオ販売やテレビ放送で、いわゆるアニメファンの枠を大きく越えた一般的な大きなファン層を開拓したのです。 http://www.ghibli.jp/history/

 
Body2 映画館でジブリを見る意義
有限性のある環境でジブリ作品を見て、改めて感じたこと、発見したこと
広い空の爽快感は、飛翔シーンの快感をさらに高めている。
腐海の森の美術の美しさ、色の再現度。
緻密な世界への没入度がまるで異なる

有限性と映画館の話のおさらい。前回の記事から https://realsound.jp/movie/2020/06/post-567649.html

 
Body3 リバイバル上映という選択肢は根付くか
知っている作品を有限性の環境で体験しなおす有意義さとは。
同じ作品でも異なる体験がある。同じ食材でも違う料理があるように。

今できることをした東宝とジブリ。『熱風』2020年6月号の座談会、P22
宮崎駿「鈴木さん、それ、やったほうがいいよ」
鈴木「何かある光みたいなものが射すとしたら、そういう積み重ねが大事」

メモ終わり

 今回のリバイバル上映がどう成立したのかについて、スタジオジブリが発行している冊子『熱風』で少し触れられています。
東宝の市川南さんから鈴木敏夫さんに連絡して話がまとまったようです。

 鈴木さんはいろんな人にそのことを話したら、反応が少しずつ違っていたと言っているのが興味深いです。若い人は「この時期になぜ?」と言う反応が多かったらしいです。宮崎駿監督は、メモにあるように「やった方がいい」という考えだったよう。それは、貧乏を知っている世代であり、ずっと映画館にお世話になってきたから、少しでも役に立つなら、と鈴木・宮崎世代は考えるけど、若い人はそうじゃないようで世代の違いを感じたということのようです。

 その他、『熱風』で興味深い話で、市川南さんが2009年のメキシコでの豚インフルエンザの流行時のことに触れています。この時、メキシコの映画館は9日間閉館したらしいんですが、客足が完全に戻るまで8週間かかったとのこと。(P24)

 9日だけの閉館でも戻るのに8週間。今回は2ヶ月近く閉館して、まだ感染拡大が収まっていない状況なので、より時間がかかるということでしょうね。

 完成した記事には『熱風』からの引用をしていません。なんか上手くはまんないな、と思ったらしい。ただ、記事を書くにあたり、すごく参考になっていることは確か。
 
 今回の原稿の依頼のオーダーは、「ジブリの映画館上映、いまだ成功する要因は?」みたいなオーダーだったのですが、それをたどっていくと「映画のテレビ放送」の威力について触れるべきだろうと思い、最初のbodyにそれを持ってきています。近年、「映画館か、ネット配信か」という議論は盛んですが、テレビにもいまだ役割はあるということはどこかで書いておきたったのです。

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