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『ヒロアカ』スピンオフ漫画『ヴィジランテ』について書きました

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 リアルサウンドブックに、『僕のヒーローアカデミア』のスピンオフ漫画『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-(ヴィジランテ)』のレビューを書きました。

 『ヒロアカ』スピンオフ漫画『ヴィジランテ』が問いかける、“本当のヒーロー”とは?|Real Sound|リアルサウンド ブック

 本作は、ジャンププラスで連載中の作品です。大変素晴らしいスピンオフ作品だと思います。原作のテーマを別方向から照射していて、「ヒーローとは何か」という本編の問いを的確に掘り下げています。

 ゼロ話が無料で公開されているので、ちょっと読んでみてください。作品のエッセンスを見事に短いページ数で説明しています。
[0話]ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS- – 古橋秀之/別天荒人/堀越耕平 | 少年ジャンプ+

 僕がこの作品に惹かれたのは、「自警団」がヒーローの原点でありながら、今は犯罪者に分類されてしまうということ。良いことしても、プロのヒーロー免許ないと、たとえ良い子としても犯罪なんですね。

 主人公が、本当の凡人であることも良いですね。プロのヒーローにはなれない、でも高い志はある、この社会はそういう存在を許容できるのか。すごく気になりますね。

 要するに、この作品の主人公は「グレーゾーン」な存在なんですよね。白黒はっきり分けたがる世の中ですが、やっぱりこういうグレーゾーンな存在って大切だと思うんです。この漫画はグレーゾーンの大切さについての作品だと思っています。相澤などのプロヒーローも口では「あれは犯罪」と言いますけど、取り締まらないんですよね。そのグレーゾーン感がすごく心地よい作品なんです。

以下、メモです。

Thesis:ヒーローとヴィラン、誰が恣意的に決めるのか。本当のヒーローとは何なのかという本編の問いをさらに深めるスピンオフの理想的な形

 
Point3つ
・自警主義。。。ヒーローのルーツでありながら、今は犯罪者であるという逆説
・誰かにとってのヒーローになること・・・制度じゃない、ヒーローにとって一番大切なこととは
・揺るがぬ善性を持つものこそ真の英雄
 
 
プロヒーロー制度の疑問点
だが、ここでこの制度についての疑問が生じる。公認されたヒーローが私利私欲に走ったらだれがそれを止めるのかということだ。56話にはNo.1ヒーロー、オールマイトに関するこんなセリフが出てくる。

「彼が私欲に走る人物でないのは、全人類にとって幸運だな。逆にあれだけの力を私情のままに振るわれたら、その時は世界の破滅だ」

 
Intro
ヴィジランテは理想的なスピンオフ。本編が描き切れないヒーローについての問題点を取り上げ深く掘り下げている

0話の逆説・・・ヴィジランテはヒーローの原点、だけど今は犯罪者

 
Body1 自警主義について
12話から引用する

「まず自警主義っていうのは、学問的に言えば社会の混乱期などに市井で自然発生する治安システムなのね。その多くは過渡的な存在であり、社会の安定と共に公的なシステムに吸収され、あるいは排除される」

ヒーローの定義はイコールヴィランの定義で、権力者が力を管理・抑制するための方便だった?

「当時、いわゆる”ロードアイランド新州法”の適用対象となったヴィジランテは189名。その中で正式なヒーローとして認められた人はどれくらいいたと思う? 答えはわずか7名。ほとんどのヴィジランテは敵性犯罪者としてヴィランに分類されたの」

これは、スーパーヒーローの本場、アメリカの建国に理念にも関わること
合衆国憲法修正第2条で武装の権利をどうして認めているのか。これは言い換えれば、自衛の権利である。

 
では、その恣意的な線引きはどのよう価値観で行われるのだろうか。真は、それを「社会的支持、簡単に言えば人気ね」と主張する。

『ヒロアカ』本編にもヒーローランキングがある。過去1年間の事件解決数、社会貢献度、国民の支持率をヒーロー公安委員会が独自に数値化したものだが、これによって

 
Body2 人助けしていたせいでヒーローになれなかった主人公
8話から引用

しかし、彼はそのたった一人にとってはまぎれもなくヒーローだった。

 
Body3 肩書などなくても、揺るがぬ善性こそ本当のヒーローの証。社会システムに認められることではないのだ。
75話から引用するか


メモ、終わり。

 
 当初の予定の構成から、Body1とBody2の順番を入れ替えています。主人公のコーイチはどういう位置づけのキャラクターなのか、最初に説明した方が理解しやすいだろうと判断しました。

 この記事で、僕が一番書きたかったのは、スーパーヒーローの本家アメリカの「自警主義」的な社会のあり方についてです。実は、この漫画を読むとアメリカという国についての理解が進むと思っています。

 それは、記事中に引用した12話の真さんの台詞に集約されます。自警主義は社会形成の過渡期に生まれるものですが、アメリカにおいて、それは建国の理念にかなり深く食い込んでいるのです。だから、アメリカは銃を手放せないんですよね。

 日本が銃社会にならずに済んでいるのは、そういう自警主義的な考えが薄く、公的制度に守ってもらうという考えがなんだかんだと強いということですね。BLM運動で警官が黒人を射殺したことが大きく非難されていますが、それへの対抗手段として、暴動的なものを容認する言説が一部から出ることにも関係しているでしょう。

 本作は、平凡な個性しか持たず、本編のデクのようにオールマイトから特別な力を授かるわけでもない主人公が、自分の暮らす街を守る話です。等身大でできることをやろうという姿勢が共感が持てます。

 ヒロインのポップ☆ステップも町内でローカルアイドル的な活動をしているのですが、主人公がプロヒーローになれなかったヒーロであるなら、彼女はプロアイドルになれなかったアイドルですね。そんな風に、小さな街で目の届く人たちの幸せのためにやれることをやる人は尊敬に値しますよね。