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カートゥーン・サルーン新作『ウルフウォーカー』のレビューを書きました

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 映画.comにカートゥーン・サルーンの最新作『ウルフウォーカー』のレビューを書きました。

 豊穣なアニメーションで人と自然の共生の理想を謳い上げる『ウルフウォーカー』 : 映画評論・批評 – 映画.com

 大変素晴らしい作品です。アニメーションの質がむちゃくちゃ高い。

 クラシカルなスタイルのアニメーションでもあるんですが、新鮮さもあり。平面的な構図だけど深い奥行きを感じさせるし、とにかくすごいアニメーションです。カートゥーン・サルーン作品のこれまでの作品の中でも最高の作品じゃないでしょうか。世界トップクラスのスタジオであることを改めて証明したと思います。

 内容的には、欧州の歴史の中でキリスト教的な価値観の外を示したという点に大きな価値があると思います。キリスト教が大変を占めて、キリスト教がヨーロッパ大陸を「征服」した歴史があるわけですけど、もしかしたらあり得たかも知れない多彩な思想、現実に失われた思想を描き、キリスト教以外の価値観に目を向けさせる作品です。

 手放しで自然を賛美しすぎているきらいはありますが、ヒューマニズムが大半を占めている欧州においてはちょうどいいのかもしれません。日本では、自然は人を大量に殺す恐ろしさを描かないと嘘になってしまいますけど。

 以下、メモです。

—-
原稿のテーマについて:
何について書くか。
・アニメーションの良さ
・物語の良さ
・日本の神話とケルトの神話の親和性

驚くほどに解放的な作品であって、抑圧からの解放、少女の友情、自然賛美、

Thesisをどうするか
・アニメーションの技法か
・少女たちの戦いと解放にするか
・技法とテーマの絡み合いか

 
演出について:
圧政の街はくすんだ色、狼たちの森は豊かな色彩
線も色もはみ出す、自由でダイナミックなアニメーション

主人公:
ハンターになりたい女の子(それは男の職業)、母を探す狼の少女

短い原稿なので、
まず、感嘆をしっかり伝える。自由を感じさせる感嘆を。
本作がいかに開放的な作品であるかを伝えることが重要

少女の解放とキリスト教的人間中心主義からの解放の2つ

物語の構造
自然と人間の対立構図
自然賛美
なりたい自分になれるかどうか

 
Intro
なんという自由な映像か。人物からはみ出すほどに自由な輪郭線に、詩情豊かな色彩。ダイナミックな構図とカメラワークによる縦横無尽のアクション。アニメーション映像の快楽がものすごい密度で詰め込まれている。

概要:作品の概要とカートゥーンサルーン。
かんたんにあらすじ
スタジオの実績

Body1 キリスト教以外の欧州文明がありえた可能性とその豊かさ
圧政の街と豊かな森の色彩による対比に自然賛美的な価値観を見る
抑圧から解放のために戦う二人の少女の勇気の物語
狩人に憧れる主人公の少女は二重に抑圧された存在だ。狩人は男がなるもの、そして大人にだけ許された仕事で子どもは町の外壁から出ることを禁じられている。
自然と人間の戦いの歴史の中で引き裂かれ、忘れ去られた物語をファンタジックに復権させた
欧州文明はキリスト教的価値観でくくられがちだが、本当は様々な思想が存在していた。本作には、キリスト教以前の一つの思想体系の価値を再復権しようという試みが見られる。クリスチャン的人間中心主義ではない、欧州文明の本来の多彩さを観客は目にすることになる。

Body2 アニメーションの自由度と革新性
アニメーション映像の魅力(構図の話をしてもわかりくいかもしれない)
クラシカルな手描きアニメの魅力。3Dカメラのダイナミズムが融合。桃源郷の陶酔感とジェットコースターを合わせた快感がある。
これまでの同スタジオの作品と比べてもアクション要素が強くなっている。
対比的な色彩について

 
参考:
[「ウルフウォーカー」公開記念オンライントーク – YouTube]()
輪郭線がはみ出すほどの躍動感、縦横無尽のアニメーション
森は水彩画スタイル
1650年が舞台

 

 
 メモ、終わり。

 短い原稿は長い原稿より難しいです。言いたいことを圧縮して、短いセンテンスで複数のことを言えないといけないけど、それは本当に文章力が要求されます。まだまだ短い原稿の鍛錬が必要だなと思います。

 それはそうと、本当に抜群に良い傑作なので、ぜひ見てください。

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