[PR]

漫画『ナルト NARUTO』について書きました

[PR]

 リアルサウンドブックに、漫画の『ナルト NARUTO』について書きました。

 “NINJA”の逆輸入? 『NARUTO』が海外で人気を博した理由とは|Real Sound|リアルサウンド ブック

 『ナルト』について書いてほしいと言われ、このタイミングで何を書くべきだろうと悩みました。連載終了して随分立ちますし、作品の構造などについてや、ジャンプ作品の王道論とかについて書いても今さら感があるので、アプローチに工夫が必要だと感じて、いろいろ思案してこの作品の欧米人気の源泉である忍者(NINJA)についてと、『ナルト』の忍者描写のアプローチの類似性、それがなんでも換骨奪胎して取り込む日本カルチャーの特徴を見出せるかなと思い、こういうアプローチになりました。

 忍者という言葉は、NINJAとしてもう別の意味に変質しており、その概念に近いものを『ナルト』に感じる。本家の日本が海外で独自に発達して概念を取り込めてしまうその柔軟さと「何でもあり感」に日本のカルチャーらしさがあるのでは、という考えを書いてみました。

 そういうなんでも取り込むミクスチャーな魅力を持った後継作品として『ヒロアカ』と挙げていますが、これはジャンプ作品にだけ見られるものじゃなく、こうした姿勢は広く日本のポップカルチャー全般にあるものだと思います。今だと『ヒプノシスマイク」なども例に挙げてよかったかもしれないですね。

 これ以外にも検討したアプローチがあって、作者の岸本斉史さんの映画的なセンスについて書こうかとも思いました。カメラアイを意識したコマ作りをする人ですよね。つなぎ方にも映画っぽさがあります。

 漫画における映画の影響については、どこかでちゃんとしたものを書きたいなと思います。『映像研には手を出すな」あたりは、その究極の形のようにも思いますが、元々映画を作りたかった手塚治虫の影響の下にある日本の漫画産業には広く映画との類似性が見られるので、そのことについても書きたいですね。映画と漫画の良さの共通点が広く共有されれば、映画産業が、もっと盛り上がるんじゃないかと思っているのです。映画を1年に1本も見ない人も、何かしら漫画は読むと思うんですよね。

 
 以下、原稿作成時のメモです。

—–
ナルトの海外人気の高さとNINJAという言葉の意味について

第45回 外国人に圧倒的人気の「ninja」について知っていますか? | 通訳翻訳WEB

What does ninja mean? ninja Definition. Meaning of ninja. OnlineSlangDictionary.com

なぜ「忍者」はアメリカ人にここまで愛されるようになったのか? – GIGAZINE

ニンジャが海外で人気の理由: 歴史放談

夢ナビ 大学教授がキミを学問の世界へナビゲート
アジア、欧米ともに圧倒的に人気が高いのは『NARUTO―ナルト―』です。これは忍者もので、しかも金髪碧眼の「ハイパー忍者」であることの要因が大きいと考えられます。忍者や侍という存在は日本文化に対するエキゾチシズム(異国情緒)を刺激するのでしょう。正統派の侍を描く『バガボンド』よりも、欧米文化になじみやすい部分のある『NARUTO』のバランスが欧米人にとっては絶妙であり、心に響くようです。

#10 『僕のヒーローアカデミア』は『NARUTO』の座を奪えるか | クーリエ・ジャポン

「ナルト」が1位、「ワンピース」は11位 北米マンガ市場の2011年上半期 | ニコニコニュース

 
Thesis
ナルトの海外人気の秘密と、そこから日本カルチャーの特質を見つける

point3つ
・NINJAはどういう概念になっている?・・・その歴史
・ナルトとNINJA概念の関係
・日本文化の特徴とは

 

intro
ナルトは海外人気の高い作品として知られている。
それは、なぜで、そこから何が言えるのか。
ナルトと忍者とNINJA、そして世界と日本の漫画を通じた関係が見えてくるか。
 

Body1 西洋社会におけるNINJAの需要の歴史
1981年『燃えよニンジャ』のヒット。。。ショー・コスギ主演
「[The NINJA]」いう本が同時期に登場。ベストセラーとなっている。

ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズあたりから、完全に独自のNINJAカルチャーを形成するようになっていた。

すでにNINJAは一種のスラングとして日常用語と化している。

筆者の体験談
すごい動きをする人は誰でもNINJAと呼んでいるようだった。

 
Body2
そういうNINJAの独自文化があるところに『NARUTO』が受けた背景がある。

日本語の忍者よりも英単語のNINJAに近いイメージの作品

そもそも、NARUTOの世界の忍者は、ストレートに伝統的な忍者ではない。金髪で碧眼の主人公だし、様々な西洋的意匠を施された、一部逆輸入された忍者像を織り込んでいるのではないか。

 

横山さんの論考を紹介

[Make Yourself a Hero――ヒーローの仮面の下で – 新・批評家育成サイト]
その「外付け」作品の中で、やはり『ナルト』の位置は重要です。そこで描かれる「忍び」は日本的なモチーフでありながら、史実の忍者とはむしろ関係がありません。それは単に、忍者は火を吹かないし分身もしない、という意味では無く、『ナルト』における忍者の造形が、「チャクラ」や「フォーマンセル」といった用語、あるいは色も形も様々な髪と瞳(ナルトは金髪碧眼です)や洋服に代表されるとおり、徹底して多(無)国籍的であるということです。つまり同作では、古今東西の要素の「外付け」が「忍び」=日本的なものに回収されるのです。『NARUTO』は過剰な「外付け」自体を「日本」の個性として提示し、結果「クールジャパン」の先駆けとして、世界中で読まれることになりました。

逆輸入して、新しいものが生まれた。文化の相互のゆるいつながりから生まれたヒット作
その緩さに日本文化の魅力がある

Body3 現代日本文化の特徴とは
西洋的NINJAの意匠すらも取り込みつつ、「忍者とは何か」を問いかけ、ジャンプ主人公の系譜にまた新たな一歩を刻んだ作品と言える。

他に現代日本文化のミクスチャー例があればなおよい。。。漫画以外のとことから広く考えるべき

 
—–

 メモ終わり。

 この他、エクリヲVol.7のジャンプ漫画特集を参考に読みました。

 そのほか、国会図書館で忍者がインバウンド観光でアツいというような記事を読んだりしました。海外観光客も日本に忍者、あるいはNINJAを求めているんだというのがよくわかる面白い記事でした。

 原稿を書いていて思い出したのは、『ナルト』の最終話で木の葉隠れの里がやたら近代化していたことです。どうしてあんなに急速に近代化したんでしょうね。これもなんだか、なんでも取り込み発展してきた日本の姿を模しているのかなとか思ったりしました。案外、ナルトがパソコン使いこなしていたりして以外な気もしましたが、本作の姿勢を考えると別に変なことではないですね。