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香港デモについてのドキュメンタリー映画『香港画』堀井威久麿監督にインタビューしてきました

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 ハフポストに、12月25日から公開されたドキュメンタリー映画『香港画』の堀井威久麿監督にインタビューしてきました。

 催涙スプレーを浴びながら撮影…日本人が見つめた香港デモ。28分の映画が語りかける「私たちが学ぶこと」 | ハフポスト

 28分の短編ドキュメンタリーですが、大変に多面的な側面を見せてくれる作品です。香港デモに関わる人々を色々な視点と距離感で見つめており、デモの複雑な様相を的確に映し出しています。

 なかなか新作映画の紹介記事を書いても読まれにくくなっているんですが(コロナの影響でしょう)、これだけは取り上げたいなと思って、頑張って通しました。

 催涙ガスや放水車の水を思いっきり浴びならがら撮影された映像も貴重ですが、個人的に最も貴重だなと思ったのは、2019年7月まで警官として働いていた方の証言を得ていることです。かつての香港警察は市民に愛されていたのが、デモへの発砲によって関係が全く変わってしまった。政府は政治問題をなぜ現場の警官に押し付けるようなマネをするのかと語る彼女の証言は大変な貴重なものだったと思います。

 堀井監督の話でも、現場で最前線でデモの鎮圧にあたる警官は若い人が多くて、デモの人々と世代的には近いのだという話が出ました。本当はそんなに思想や考え方も遠くないはずなんですよね。警官の中には、友人を失ったり、家族の仲が悪くなったりしている人もいるとの話でした。

(C) Ikuma Horii

 ネットの地図アプリに、親中派と民主派の店が色分けされている話も考えさせられます。バーチャルに分断されている香港社会の実情を端的に示しているように思えます。この分断状況では、たとえデモが成功していたとしても、香港社会には埋められない溝ができていたのだろうと思えます。

 しかし、そうは言ってもデモに参加する若者たちにより良い選択肢があったかと言うと、なかったのだろう、そういうことが本作からはヒシヒシと伝わってくるのです。勇武派と言われる過激な行動を辞さないグループの中学生が「他の方法があったらその方が良いに決まってる。でもこうでもしないと香港政府はこっちを見ない」的なことを言っているシーンがあります。

 この映画が投げかけるのは、選択肢を持てることの大切さです。香港の若者たちには、自由を守るための選択肢が他になかったのです。そして、そのような状況に追い込まれているのは香港だけではなく、記事中にも紹介しましたが、「昨日のウイグル、今日の香港、明日の沖縄・北海道」の言葉どおりで、どんどん中国の覇権拡大によって周辺から自由が奪われていくということなんです。

 2020年はコロナで中国どころではなかったのかもしれませんが、日本の中国に対する反応は本当に限定的でした。日本人は真剣に今後のアジア情勢に向き合わないといけないと思います。

 
 以下メモです。
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Point。記事の中心はこの4点
・催涙ガスをくらいながら撮影
・警官の側の視点があること
・バーチャルに分断された香港社会
・日本人はどう受け止め、何ができるか。

 
Body1催涙ガスをくらいながら撮影
なぜそこまでして撮影をしたか。。。時代が変わる節目のように見えたと。

放水車や催涙ガスはどれくらい苦しいのか。
放水車の水にも科学物質が入っている。くらうと行動不能になってしまうほど苦しい。

 
Body2警官の側の視点があること
現場の警官に政治問題の解決を押し付けた政府の責任は。

現場の警官は若い人が多い。。。つまりデモ隊と同じくらいの世代の人もいる。

香港警察というのは、アジアの警察の中でも最も市民に慕われていると言われていた。

Body3バーチャルに分断された香港社会
昔ながらの屋台を破壊するデモ隊・・・・あれはなぜ?

民主派と親中派の店をネットの地図上で色分けしている。
デモ隊は民主派の店だけでお金を使うことを企図している。

その地図の情報の信憑性はどうなのか。
参考:香港社会、進む分断 「青色と黄色」に色分け 親中派の店舗標的に – 産経ニュース

 
Body4日本人はどう受け止め、何ができるか。

堀井:今、この映画を公開する意味は、やはり香港で警察の暴力が加速していく瞬間だったり、言論統制されていく瞬間を肌感覚で感じていましたかあ、2019年と2020年に香港に起こったことは、香港だけの事態にとどまらず、アジアの様々なところで中国が覇権を拡大していく中で起こるだろうと、私は想像しました。そういう意味で、見ていただく価値はあるんじゃないかと思います。

堀井:とにかく町中で日本語をよく見るんです。当然ながら、コンビニには日本語の本も普通に売ってますし、食材なんかも日本から輸入してきたものがたくさんありますし、あと落書きですね、勇武はという人たちが残した落書きには日本に対する切実な思いを感じます。

堀井:香港の方々が言うのは、昨日のウイグル、今日の香港、明日の沖縄・北海道って言うんですね。スローガンとまではいかないですけど、そういう言い方があって、落書きなどもありました。

 
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 メモ終わり。

 本作、本当に観ていただきたいと思います。国安法が施行されて香港内ではもはや抗議ができない状況になっています。今中国政府に訴えかけられるのは国際世論だけであり、その点では日本にも大きな役割があると思います。

 この映画に描かれていることは確かに日本にとって他人事ではありません。向き合う必要の現実を写し撮った見事な作品です。
 

 
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