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2020年の映画興行を振り返る記事を書きました

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 シネマズPLUSに2020年の映画興行を振り返る記事を書きました。

 2020年 映画産業分析:コロナに耐えた東宝&配信を巡る「2つ」の現象 | cinemas PLUS

 新型コロナウイルスの世界的流行で異常な年になった2020年ですが、その影響の中どういう傾向が見られたのかを分析してみました。

 トピックとしては、『鬼滅の刃』の大ヒット、配信シフトをどう捉えるか、東宝の粘り強さ、2021年の展望、といったところです。

 特に配信については、ただちに劇場の敵と見なすわけではない見解を出しました。理由は『鬼滅』の記録的ヒットの下支えとなったのも配信だったからです。劇場にとって良くないのは、配信そのものより、プラットフォームによる囲い込みなのではないか、という見解です。

 以下、記事作成時のメモです。

 
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 過去興行収入上位作品 一般社団法人日本映画製作者連盟
2020年の世界映画興収71%減も、日本は「鬼滅の刃」のおかげで上位10市場で減少率最低―中国メディア|レコードチャイナ

 

配信シフトをめぐる2つの動き・・・ハリウッドメジャーの囲い込みと鬼滅の刃のメガヒットが配信が用意したものであること

配信シフトについて。。。今2つのことが進行している。映画館から配信へのシフトと「各配信サイトに分断されていく」状況。この極端な島宇宙化の方がやばいのではないか。

 
 
トピック
1)鬼滅の刃のヒット
2)配信シフトをどう考えるか・・・ハリウッドメジャーの動きと鬼滅の刃のヒットをこの点考えてみたいです。鬼滅の刃は深夜放送だったので見ていた人は少なかったので、配信が生んだメガヒットだったという側面もあるので。あと、ハリウッド映画の抜けた穴はコロナが明けても元に戻りきらないのではないかという議論もしたい。
3)全体では前年比54%だけど、東宝配給に限っていうと前年比93%で、ますます東宝の一人勝ち状態が鮮明になったこと。
4)今年の展望とカギを握る作品(コナン、エヴァ、シン・ウルトラマンあたり?)

 

Thesis
映連発表から2020年の映画産業の振り返りと2021年の展望を語る

 
Pointを整理
映連の発表の数字を一つずつみていく http://www.eiren.org/toukei/index.html
前年比
アニメ作品の比重・・・とにかく鬼滅の刃のヒットは救世主だった。一作で全体の20%近く稼ぎ出した
スクリーン数の増加。。。スクリーン数にコロナの影響が見え始めるのは数年後と思われる。
世界レベルで見ると、良い方だった。鬼滅がなければ世界平均とほぼ同レベルに落ちていたと思われる 2020年の世界映画興収71%減も、日本は「鬼滅の刃」のおかげで上位10市場で減少率最低―中国メディア|レコードチャイナ

東宝の一人勝ち状態がますます鮮明に
東宝だけは前年比93%
コロナ禍でも積極的に作品を配給した東宝。。。ハリウッドメジャーと違って自社でたくさんの映画館を抱えていることも大きいのではないか

配信シフトをどう考えるか
ハリウッドメジャーの動き・・・配信シフトと同時にコンテンツの極端な囲い込みによる島宇宙化が進行している
鬼滅の刃の奇跡の興行を生んだ配信シフト

この2つの両極端な現象をどう捉えるか
配信シフトだけなら、映画館にとって必ずしもマイナスではない
だが、島宇宙化によるコンテンツの囲い込みはあまりいい効果をもたらさないのではないか。

2021年の展望
早速上映延期作品が出ているのは痛手。コロナの感染がズルズルと続くようなら、昨年以上の打撃になる可能性もある
鬼滅の刃の奇跡はそうそう続いては起きない。。。ハリウッドメジャーのアナを埋める鍵を握るのはコナン、エヴァ、シン・ウルトラマンあたり?

 
 

構成
Intro
映連から発表があった。

2020年はご存知の通り、大変厳しい年になった。

 

Body1映連の発表の数字を一つずつみていく
前年比、
アニメ作品の比重・・・とにかく鬼滅の刃のヒットは救世主だった。一作で全体の20%近く稼ぎ出した
スクリーン数の増加。。。スクリーン数にコロナの影響が見え始めるのは数年後と思われる。

 

Body2東宝の一人勝ち状態がますます鮮明に
東宝だけは前年比93%

コロナ禍でも積極的に作品を配給した東宝。。。ハリウッドメジャーと違って自社でたくさんの映画館を抱えていることも大きいのではないか

 

Body3配信シフトをどう考えるか
ハリウッドメジャーの動き・・・配信シフトと同時にコンテンツの極端な囲い込みによる島宇宙化が進行している
鬼滅の刃の奇跡の興行を生んだ配信シフト
鬼滅映画を見た人:33%
そのうち、アニメを見た人が29%・・・33:29=100:x・・・87.9%がアニメ視聴済みだった。
映画だけを見た人が1%、漫画と映画を見た人が3%

映画公開中も配信されているので、話題の作品に後からバンバン追いつける

この2つの両極端な現象をどう捉えるか
配信シフトだけなら、映画館にとって必ずしもマイナスではない
だが、島宇宙化によるコンテンツの囲い込みはあまりいい効果をもたらさないのではないか。

 

2021年の展望
早速上映延期作品が出ているのは痛手。コロナの感染がズルズルと続くようなら、昨年以上の打撃になる可能性もある
鬼滅の刃の奇跡はそうそう続いては起きない。。。ハリウッドメジャーのアナを埋める鍵を握るのはコナン、エヴァ、シン・ウルトラマンあたり?
来年以降もハリウッド映画は元に戻らない可能性を考えておくべき。多様な国の多様な作品を扱いその穴を埋める方法を模索するしかない。
ろしゃおへいせんきのヒット、パラサイトの大ヒットはそういう意味で好材料。今年のナタ転生は少なからず、ろしゃおへいせんきのヒットが影響しているものと思われる。

 
参照リンク
「鬼滅フォーマット」は、新時代の勝算テンプレート?映画館と動画配信の意外な共存共栄関係|Jason Wong @映画ランドCEO|note
映画『鬼滅の刃』規格外ヒットの背景 生み出された「プライスレス」な価値とは(梅津文) – 個人 – Yahoo!ニュース
映画産業は大きなターニングポイントを迎えた〜「劇場+配信」型へ / テレビとネットの横断業界誌 Media Border

 
 
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 メモ終わり。

 全体としては大変厳しい数字となり、2021年も厳しい状況が続くと思われます。とにかくハリウッド映画の穴を埋めないといけません。これまでと同じではいけない時代になったというのは間違いないでしょう。

 コロナが終わってもハリウッド映画は以前と同じ水準に戻らないことも考えておくべきでしょう。そうすると、国内映画以外に別の興行の柱が必要。ここが一番むずかしい点です。

 しかし、ハリウッド映画だけが面白いわけではないですから、世界中に面白い作品はあります。それを発掘していけば、今より映画市場は多彩なものになるかもしれません。それはそれで面白い時代だと思います。

 配信シフトについては、やはり『鬼滅』のヒットは配信抜きに語れないという点を見落としてはいけないと思います。

 ハリウッド各社が行っているのは、配信シフトと同時に囲い込みです。この囲い込みが良くないと個人的には思っています。反トラスト法が適用されるべきだと個人的には思っていますが、おそらく臨み薄でしょう。ハリウッドの囲い込み戦略は世界中にとって迷惑な話だと思います。

 配信プラットフォームの争いは最終的には寡占化を加速させることになるでしょう。ディズニー、Netflix、その他連合の3つの勢力ぐらいになってしまうのでは、とアメリカでは言われたりもしているようですが、アメリカ映画産業の多様性をそれで確保できるのか、疑問です。インディーズとかどうやって生き残れるのか。

 
 とりあえず、一日でも早くコロナが収まってほしいですね。

 
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