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『パトレイバー2』の敵役、柘植行人(つげゆきひと)について書きました

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 アニメ!アニメ!の敵役連載で『パトレイバー2』の柘植行人(つげゆきひと)を取り上げました。

 「パトレイバー2」柘植行人(つげゆきひと)は令和の日本人に何を告げるのか?【4DX上映記念】 | アニメ!アニメ!

 なかなか難しい題材でしたが、挑みがいのある題材ででした。柘植が戦っているのは、主人公たちというより、戦後日本と日本の繁栄を享受する日本人全体という感じで、主人公と相対する者というより、社会に挑む思想犯です。

 それゆえに日本社会の分析が欠かせません。それも2021年に再公開されるというなら、公開当時の日本だけじゃなく、今の日本社会も検討した上で、改めて柘植は何をやったのかを考えるほうがいいだろうと思いました。

「正義の戦争よりも、不正義の平和」という戦後日本の繁栄に柘植は挑み、それを止める後藤隊長は不正義の平和の方が良いんだ、と言うわけですが、それ自体はその通りなのですが、それは結局問題の先送りだったのではないかと、今の日本を見て感じる部分もあるんですね。

 そろそろ幻想の平和も耐久年数が無くなってきてるじゃないか、そんなテイストで書いてみました。

 
 以下、メモです。

 
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悪役パトレイバー2

柘植行人(つげゆきひと)

社会不安を炙り出す悪役
戦争に気づかせる悪役

戦争という状況を生むこと。思想的な犯行

それでなにを気づかせると。

欺瞞の平和、正義の戦争・・・その対立軸は今も有効か

大量のハト。平和の象徴
幻の街。

自決しない理由・・・・「もう少し、見ていたかったのかもしれんな この街の、未来を」・・・それは何なのか。
 

押井守の作品は現状の社会問題を突きつけ、日本人の平和への無自覚さを考えるキッカケをくれるものが非常に多いが、これもまさに凝縮したような作品。自衛官としてPKOに派遣された際に、発砲許可を得られないままゲリラからの攻撃を受けた柘植行人が、東京で仮想の戦争を仕掛けることで有事を演出、欺瞞に満ちた平和に洗脳される日本で思想的クーデターを起こすという話だ。 これを観てまず気づくのは、平和だと思っている現在の日本は物理的な戦争が起きていないだけで、国内には世界大戦突入前夜と同じ空気がずっと蔓延しているということだ。 https://wired.jp/2020/05/03/wired-depot-13/

あれは湾岸戦争のときにやむにやまれず作ったテーゼなんだよ。湾岸戦争をモニターで眺めて日本人は愉悦に浸ってる。 (中略) だからブラウン管のこちら側に戦争がにじみ出してきたらどうなるかって、無理やりにでも東京を戦場にしたかった。架空でもウソでもなんでもいいから。 https://shimirubon.jp/columns/1683219

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Point
このキャラクターは思想犯だ。どんな思想か
日本の平和幻想を打ち壊すという思想。。。目を覚まさせるという目的

PKOで世界の現実を知った男。。。。日本の外には理不尽な戦争という現実があるということを知った。
目の前の危機に対処できない、偽りの施策ではないか。
それをモニター越しの虚構でしか体験しない日本人に、架空の戦争状態を仕掛けて平和の夢幻から覚まさせることを企画した。

 

後藤の台詞
「そんなきな臭い平和でも、それを守るのが俺たちの仕事さ。不正義の平和だろうと、正義の戦争より余程ましだ」。

この作品は、戦後日本の平和とは何かを再考させる作品。それを担うのが悪役としての柘植だ。

柘植はどんな男か。。。それほど多くの描写はないのだが。。
南雲さんが惚れる程度には何か魅力があるのだろう。

幻の平和に対して、幻の戦争で対抗しようとした男。

偽りの平和の耐久年数はあとどれくらいだろうか。。。。もう壊れている可能性はないか。
偽りの平和から目を覚まさなくてよかったのだろうか、そんなことを今思わせる作品ではないか。

不正義の平和だろうと、正義の戦争より余程ましだ

これは問題の先送りではなかったか。柘植の見たかった未来とはどんなものだったのだろうか。

 
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 メモ終わり。

 この連載の中で今まで一番硬派な感じの内容になりました。

 柘植と南雲さんのエピソードを入れるか、入れないか迷いました。しかし、恋愛相手としてのキャラクターを描写する連載ではないので、除外して後藤隊長との考え方の違いなど、そっちを優先しています。

 幻想の平和はあと何年持つのか、ということを考えてしまいます。すぐ近くの香港があんなことになってるわけですし。世界の現実から逃れて日本だけ幻想の平和を享受できる時間は、もう残り少ない気がしています。