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武田綾乃さんの『飛び立つ君の背を見上げる』の書評を書きました

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リアルサウンドブックに、『響け!ユーフォニアム』シリーズの最新作『飛び立つ君の背を見上げる』の書評を書きました。

 『響け!ユーフォニアム』中川夏紀はなぜ部活を辞めなかったのか? “凡人”の深い悩み|Real Sound|リアルサウンド ブック

 本書は、ユーフォシリーズの中川夏紀が主人公の作品です。彼女が部活を引退してから卒業までの間のエピソードを回想などを交えて描いています。なんと部長の優子とツインギターコンビを結成してパーティで演奏するんです。京アニの映像で見たいです。

 本書は、『リズと青い鳥』の夏紀と優子版のような作品だと言えるかもしれません。

 キーワードは「凡人」です。夏紀は決して何かに秀でているわけではない存在です。ユーフォもすごく好きというわけではない。凡人ゆえに悩みを見事に描いた素晴らしい作品です。ユーフォシリーズでも屈指の一冊だと思います。

 「良い人」という評価のキツさは、このシリーズを追いかけている人にはよくわかると思いますが、夏紀もまた良い人を評されちゃうんですよね。そこ呪縛を優子が解くんです。

 
以下、原稿作成時のメモです。
 

————–
 
 

必要な情報
ユーフォシリーズの最新作・・・シリーズの概要
今回の作品の中心人物。。。状況の整理。。。第2楽章の後の物語

引退後の物語。
あらすじ、見どころのエピソードはしっかり紹介する
 

キーワード
代替品
燃え尽き症候群
いい人だと言われること。。。。取り立てて他に褒めるとこがない時に言われること
 
 

Intro
高校や中学の部活動を引退した後の、あの何とも言えない不思議な期間を体験したことがあるだろうか。

武田綾乃の長編小説『響け!ユーフォニアム(ユーフォ)』シリーズの最新作、『飛び立つ君の背を見上げる』は、あの妙な解放感と喪失感がないまぜになったあの期間を描いた作品だ。

『ユーフォ』シリーズは、京都の共学高校の吹奏楽部の人間模様を描いた青春群像劇だ。主人公の黄前久美子が入学時から、3年時まで長期間をシリーズで描いており、やる気のなかった吹奏楽部が目覚ましい成長を遂げていく姿をさわやかに、かつ泥臭い人間ドラマを交えて活写している。京都アニメーションによってアニメ化されており、大きな注目を浴びたシリーズだ。

ちなみに、本シリーズはこれまで全て文庫サイズで刊行されていたが、今回は初めてA6の一般文芸書サイズでの刊行となっている。

本作は、久美子の一学年先輩で同じユーフォニアムを担当する中川夏紀を主人公にしたスピンオフ的な位置づけのエピソードだ。夏紀たちが夏の大会後、部活引退後のエピソードを綴っている。シリーズの中では、『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』と『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章』の間に挟まるエピソードと言える。また、『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話』に収録された、夏紀たちの学年の卒業式を描いた短い一篇「飛び立つ君の背を見上げる」の前日譚とも言える内容になっている。

夏紀たちの、吹奏楽部における物語は『波乱の第二楽章』で幕を閉じた。しかし、人生はその後も続いていく。これは一つの大きな物語を終え、燃え尽きた人がその後をどう生きていくのかを見事に描いた作品だ。
 
 

Body1流されて、流されて、変わり続けた夏紀というキャラクター
まず、これまでの夏紀を整理する
やる気のない部員だった彼女が、変わっていく過程、副部長として部を支える存在になったこと。久美子やみどりなど、低音パートの後輩との関係と危機意識。

 
Body2凡人、代替品であること
でも、誰かの1人にとってはかけがえのない存在であること

なんと優子とツインギターのコンビを組む。

希美、みぞれと自分を比べる夏紀。自分は何もない人間だと知っている。

 

部活引退後の、あの何とも言えない奇妙な空白期間は自分を見つめなおすのにちょうどいい期間なのかもしれない。夏紀は自分を確かに見つけたのだ。
 

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 メモ終わり。

 本当にこのシリーズは素晴らしいので、是非読んでください。武田綾乃さんの本は良い、とても良い。吉川英治文学新人賞おめでとうございます。