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『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のレビューを書きました

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 映画.comに『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のレビューを書きました。

 この極上の無音は映画館でこそ味わうべき

 コロナ禍でハリウッドメジャーがなかなか公開されない中、ようやく上映されるメジャー作品だったので、この映画を映画館で観た方が良い理由にフォーカスしました。それが、この作品の最大の特徴を説明することにもつながるだろうと思ったのと、やっぱり映画館に行ってほしいので。

 音を立てたらいけないという特異な状況を生かしたホラー映画ですが、この「無音」の良さを味わえるのも映画館の醍醐味です。映画館は遮音性能が高い場所ですから、何も聞こえない状況を経験するにはもってこいの場所です。大音量の音を作るのは案外できますけど、余計な音をシャットダウンするのは緻密に設計しないとできないことなので、隠れた映画館の良さですよね。

 物語も面白かったですね。前作の良さはきちんと生かしつつ、余計なバージョンアップはしていないというか、あのエイリアンの生態とか謎とかは説明されないので。この手の映画の続編って、妙に真相を語りだしてしまうことが多いですけど、何もわからなからこそ怖いというのもありますよね。

 
 以下、原稿作成時のメモと構成です。

 
 
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Thesis 理想的な続編、映像と音の巧みなコラボ健在

 

Point4つ
・監督の映画的センス。。信号、フレーム内フレーム、フレーミングと音の操作
  信号から入るセンス
  緊張案あるフレーミング、見得る範囲の区切り方が上手い。ドアの隙間などのフレーム内フレームの使い方も上手い
・主要キャストも監督も続投、前作の直後からつながる物語。。。一か所での戦いから外の冒険へ
  線路が象徴する冒険感
  父の勇気を継承する娘の物語で、喪失した家族のために人生を失った男の復活劇でもある。
・真相や正体に迫らない
  全くわからない方が理不尽で恐ろしい。スケールアップもしすぎていない
・無音というサウンドデザイン
  最大の効果を発揮するのは無音状態を作れる映画館だ。
  映画館は大音量と大画面だけが特徴ではない。究極の無音を作れる空間であることを思い出させてくれる。
  この映画は引き算。。。フレームを区切るのも引き算的な演出

 
 

Intro
映画は音と映像で構成される。サイレント映画のような原初の映画体験を味わえる秀作だった前作。

続編は理想的な形で示された。スケールアップしすぎず、前作の魅力を引き継ぎ、よくある真相にせまることはせず、音に反応する「何か」の正体も襲ってくる理由も説明はされない。理解できないもの、コミュニケーション不可能なものこそ、本当に怖いものだ。ジョーズのように理由なく襲ってくる相手ことシンの恐怖だということがよくわかっている。

 
 
Body1
台詞をしゃべれないミニマリズムが魅力の作品なので、前作よりも台詞は増えているがその点を外していないのが良い。

一か所での戦いだった前作から代わり、生き残った一家が生き残りをかけて旅にでる。冒険を象徴する線路。
 
 

Body2
信号機の意味、緊張感あるフレーミングと音のメリハリ、音響による主観と客観の描き分けも巧みだ。
赤が今回も特徴的。
フレーム内フレーム。隙間から見える、窓の向こうの何か、何かがひっかかって途中までしかあかないドア、視界を見事に区切るテクニックが上手い

無音を上手く作り、娘の主観に音で観客を誘う。

この無音を活かせるのが映画館の強み。遮音性もまた映画館の魅力だ。
 
 

Body3
娘が父の勇気を継承する物語でもある。
失うものもあれば、残されたものを守るために戦う家族の物語でもある。感動要素も外していない。理想的な続編だ。

 
 
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 メモ終わり。

 ファーストカットが信号なのがいいですよね。音じゃなくて視覚で知らせる信号から入るのが、この映画らしくて良いです。

 ジョン・クラシンスキー監督はなかなか良いセンスをしていると思います。俳優業がメインの人だと思いますが、これからも監督を続けてほしいですね。

 
 
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