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実話にもとづく映画、というフレーズについて考える記事を書きました

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 シネマズPLUSに、よくある「実話にもとづく」というフレーズについて検証する記事を書きました。

<疑問>「実話の映画」は、どの程度実話なのか|“Based on” VS “Inspired by” | cinemas PLUS

実話ネタの映画が公開されると、たいていどこまで事実なのかという議論が出て、その筋の専門家から脚色部分を色々言われることがあります。実際、どこが事実でどこがそうでないのかは大切なポイントですが、映画は映画で前向きに楽しんだり、学びにするためにも、事前にどの程度事実なのかを知るすべはないのかなと思い、書きました。

アメリカの作品では、記事にある通り、主に4タイプの記述があります。
based on a true story
inspired by a true story
based on true events
inspired by true events

です。これらは、その作品がどの程度事実に沿っているのかによって使い分けられています。厳密にどれくらい事実を含んでいるのかは、製作者の裁量次第で、明確に区分けできるものではないんですが、ある程度の事実の分量の把握には役立つと思います。

翻って日本ですが、そういう定型の言い方はないみたいです。何人かの映画宣伝の仕事をしている人に聞いてみましたが、その都度宣伝担当さんたちが考えているようです。

物語が事実であるかどうかは、やはり宣伝ポイントとして大きな訴求力があるようで、アメリカではほとんど創作だったとしても、なるべく事実っぽく見せたいので、いろんな言い方が開発されたようですね。事実の映画化は難しい問題です。ある程度脚色されており、本当のことが知りたい人は、自分で調べるという姿勢が大切です。映画は、そのことを知るきっかけぐらいに捉えておいた方がいいと思います。
 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
————————
 
 
英語圏の映画では、実話に基づくことを示す言葉のパターンがある。
それぞれ、どの程度事実に即しているのか、どう使い分けているのか。
What is the difference between based on a true story and inspired by – YouTube
 
 
 

問題意識
実話ものが公開、、、事実を違うとツッコミが入り、なんとなく残念が気分になる。。。

これを何とかしたい、もったいない
 
 

Point2つ
どれくらい事実なのか、事前わかる方法はないか。
 アメリカ映画の表記の違い
 日本の場合は?
実話ものとの距離感
 劇映画は、嘘か本当かの二者択一ではない、その間のグラデーションを攻めるものという意識。それでなんとなくの事実度合いを知った上で見るのが良い
 そうすれば専門家の指摘も学びに変えられる

Intro
実話をもとにした映画は毎年たくさん作られる

しかし、どの程度実話なのかを把握してはいない人が多いのでは。

その筋の専門家が嘘だと指摘して、がっかりしたという経験を持つ人もいるのでは。

どの程度、映画が実話なのか事前にある程度把握できないのでしょうか。

Body1アメリカ映画の実話もの
4つの表記
それぞれを説明

なんとなく、事実の度合いがわかる。
Inspired by true eventsならほとんどフィクションと考えて良いのでは。

based on とinspired byの違いについては、以下の記事などを参考に。
Is Your Script "Based On" or "Inspired By" a True Story? What's the Difference? – ScreenCraft

あと、映画の事実度を%で調べてるこのサイトもある。(どうやって調べてるか不明なので参考程度に)
Based on a *True* True Story? — Information is Beautiful

Body2 日本の場合は?
決まった定型の表現はないらしい。
その都度なんとなく、宣伝・配給が文言を使い分けている。

日本の宣伝・配給の方たちの意見
Aさん
表記の仕方に明確な決まりがあるわけではなく、各々の配給・宣伝会社が、事実にどれくらい即しているかだったり、作品の特色によって決めている気がする。(たとえば、恋愛もの・ヒューマンドラマは「実話」、歴史もの・社会派映画は「事実」「実際の事件」といった言葉を使うことが多い)
でも、同じ作品の中でも宣伝のタイミングによってばらばらの表現が使われていたりと、やはりその違いはアメリカほど明確なものではない。

Bさん
日本語の表記に何かルールがあるということは聞いたことがない
弊社の場合は、劇映画で「実話に基づく」と大きく表記したことはなく、事実とされいるものにどれくらい忠実かの度合いや描き方によって、解説の中で「歴史の真実を描き出そうと試みた」とか「実際の未解決事件の真相に挑む」とかにしている。

Cさん
本があればその権利の関係だったり、どの程度事実に則しているのかとか、映画監督の主張具合だったりとか「観客に誤解を生ませない」「でも一番響く言い方」をそれぞれの作品即した言葉の使い方を使っているのでは。

Dさん
日本における表記についての文言の決まりはなく、単に漠然と、宣伝担当によるその時々の、ある種「気分」で今まで表現されてきた気がする。
歴史的な題材であれば、「史実に基づき〜」。〜には忠実に、とか翻案とか、脚色とか、ベースにとか。ドラマなどで有れば「実話に基づき〜」、以下同様。

Body3きちんとした距離感を持つと実話ものは楽しめる
嘘か本当か、0か100ではない、劇映画もノンフィクションも、あるいはドキュメンタリーでさえも、その間のグラデーションに位置するもの。
適切な距離感をもっていれば、専門家の指摘でがっかりすることなく、むしろ学びに変えられる。

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メモ終わり。

日本ではアメリカほど明確な言い方の区分はないみたいです。とはいえ、アメリカも制作や宣伝側のなんとなくの裁量でどの文言でいこうか決めているような状態なので、あまり変わりないかもしれませんね。

とりあえず、besed onと inspired byならbased onの方が事実に即している。storyとeventsならstory全体的な流れが事実により近い、とおぼえておくといいと思います。最近も「inspired by true events」と書かれた映画を見る機会がありましたが、字幕では「事実に基づく」と訳されていました。でも、全体の話は多分フィクションなんだろうな、と思って観ていました。

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