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『ONE PIECE FILM RED』のレビューを書きました

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 リアルサウンド映画部に『ONE PIECE FILM RED』のレビューを書きました。

 『ONE PIECE FILM RED』は“聴く映画” ネット黎明期のように崩壊する幻想|Real Sound|リアルサウンド 映画部

 音楽映画として本作を語る内容になっています。なぜ今、音楽をフィーチャーしたのか、昨今のヒットのトレンドを考え、映画にとっての音とはなにか、そして音と内容の関係性について検討してみました。

 本作の内容の説得力は、映画館と他の視聴環境とでは大きく異るはずで、音楽あるいは音響環境が物語に説得力をもたらしていると思います。それが大ヒットの理由じゃないかなと思うのです。

 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。 
 
 
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参照リンク

『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督が語る「映画館で観るべき理由」 | アニメージュプラス – アニメ・声優・特撮・漫画のニュース発信! (animageplus.jp)
自由度の高さですね。『ONE PIECE』という作品の世界観として、やっておかないといけないルールだけ押さえておけば、わりと自由なんですよ。極端に言ってしまえば、ルフィが主人公じゃなくても成立する話がいっぱいある。逆に考えると、ルフィが主人公をやるべき絶対的な理由が存在するわけです。
個人的に思っているのは、じつはルフィがいなくてもあの世界は回るし、人々もちゃんと動いているところかなと。そういった世界で、ルフィはどこまで自分の信念を貫いて進んでいけるのかが作品の魅力じゃないですかね。今回はそういう作品で面白い仕事をさせてもらって、本当によかったなと思います。
音楽に関してはすべて5.1チャンネル化しているので、これはぜひ映画館の音響設備で聴いていただきたいです。BGMだけではなく、歌もそうです。となると、5.1チャンネルの環境でウタの曲が聴けるのは映画館しかありません。そういう意味では、映画館に行かないと体験できないものが確実にあります。なので、まずは多くの人たちに映画館で観ていただきたいですね。

『ONE PIECE FILM RED』ウタのライブシーン演出秘話 谷口悟朗監督&尾田栄一郎が求めた“カッコよさ”|シネマトゥデイ (cinematoday.jp)

『ようこそ映画音響の世界へ』音響編集者自身が監督した傑作ドキュメンタリー ミッジ・コスティン監督インタビュー【Director’s Interview Vol.85】 :4ページ目|CINEMORE(シネモア)
[サイバー空間における国家中心主義の台頭]
映画音楽の誕生 (server-shared.com)
 
 
音楽映画というものの傾向を掘り下げる
 
映画館で映画を観るということ、、、音と映像の関係性の主従逆転?
 
映画館の音響・・・・サラウンドシステム
サラウンドシステムの哲学、、、ウタで世界が満たされる体感

シネマサウンドの歴史と映画館の音場設計
ファンタジアの特殊なサウンド設計。。fantasound…9チャネルに分離されて録音されたサウンドが4チャネルのマスタートラックに落とし込まれていた。サウンドの分離性ならびに方向感が絶賛された。
1967年、この年に上映された『卒業』がシネマにおける音の考え方を変えた。レコードとして発売されていた音楽を、ミュージカルサウンドトラックの大半に使用し、Mrs. Robinsonのみがこの映画のために作曲された。この方式がシネマサウンドにおいて一般的になり、1973年に製作された『アメリカン・グラフィティ』まで続く。
サラウンドから出てくるサウンドを重要視する作品が増えてきた。サラウンドが出てきた頃は1系統でよかったが、5.1で左右のサウンドが分離し、6.1で後面のサウンドが別々に出せるようになると、サラウンドをフルに使ってシネマの音場作りがなされるようになった。Star Warsのようにサウンドが縦横無尽に飛び交うようになった。サラウンドサウンドの効果を最大限に発揮するためにも残響が少ないこと、室内騒音が少ないことが求められている。
地獄の黙示録。。。最初のドルビーステレオ70mm作品としてサラウンドを導入。

シネマサウンドの歴史 1910年 (mnsv.co.jp)
蒸気船ウィリーが、ディズニーの最初のサウンド付映画で、音楽、効果音、台詞のサウンドトラックが完全に同期がとられ 、sound-on-filmとして光学的に録音された。ミッキーマウスが主役で、アニメーションがメトロノームの 刻音に合わせて描かれた.
ディズニーのFantasiaがニューヨークのブロードウェイ劇場において上映された。スクリーン後部に 3 台のスピーカシステムを配置し、壁面に 65 個の小型スピーカシステムが取り付けられていた。このフ ィルムはFantasoundと呼ばれ、9 チャンネルに分離されて録音されたサウンドを 4 チャンネルのマスタ ートラックに落とし込まれていた。サウンドの分離性ならびに方向感が絶賛された。
1952年 ニューヨークにあるブロードウェイ劇場でThis is Cineramaが封 切られ、122 週間(2 年以上)興業が続けられた。シネラマ方式には、同 期が取られた 3 台の映写機が使われ 7 トラックの磁気方式サウンド トラックが使われた。機器のコストが高いこと、技術的に複雑である ことが災いして 1956 年に製作されたWonders Of The World、 962 年に製作された 1 How the West Was Wonの 3 本の製作で終わってし まった。しかしサラウンドを含むマルチトラック・シネマサウンドの 幕が切って落とされた
サラウンドスピーカシステムの他に超低音を再生するた めのサブウーファースピーカシステムがセンタースピ ーカシステムの脇に設置された。時代が経つにつれて、サ ラウンドサウンドの重要性が増大し、全てが 1 系等の信号で再 生されていたもの(4.1 サラウンド)が、LR に分離され(5.1 サラウンド)、LR と後方(6.1 サラウンド)、そし て後方のサラウンドサウンドもステレオで再生されるようになり(7.1 サラウンド) 、2006 年現在 9.1 サ ラウンドも登場した

サラウンド寺子屋塾 5.1 Surround Terakoya Lab: 駆け足で見るサラウンドの歴史
映画館とホームシアターの違いは“観る場所”だけじゃない!音の響きについて | オーディオランド (audio-land.com)
ようこそ映画音響の世界へ

進化する映画館の音響システム|日本音響エンジニアリング (noe.co.jp)
近年、ODS(Other Digital Stuff)、ライブビューイングと呼ばれる映画作品以外のコンテンツ(歌舞伎、オペラ、コンサートなど)を映画館で体感できる機会が増加傾向にあります。今回のような3D音響システムの普及によって、映画館は映画作品を観る空間という枠からもっと広い範囲での多目的空間として変わっていくのではないかと期待しています。課題は多々あるものの、今後もより良い3D音環境作りに向けて私たちも積極的に取り組んで行きたいと考えています。

音楽映画の現在・・・・なぜヒットする

「ONE PIECE FILM RED」“歌姫”ウタの誕生秘話から、“今が一番熱い”原作の今後までをジャンプ編集部原作メディア担当編集者・高野健が語る – コミックナタリー 特集・インタビュー

ようこそ映画音響の世界へ
ウォルター・マーチ(音響デザイナー、地獄の黙示録)「音が与える印象は映像よりずっと強い。だが気づいていない人が多い」
デビッド・リンチ「ときに映像以上に音が重要な時もある」
ウォルター・マーチ(音響デザイナー、地獄の黙示録)「オーソン・ウェルズは音の奥行きを上手く使った」 宇宙戦争のラジオドラマで、そのテクニックを映画に応用した。空間的な音響がディープフォーカスを引き立てた。
30年代から60年代、音の主役が音楽になる。
ゴッドファーザーはモノラルサウンドだった。
ステレオは音楽業界では50年代からステレオに。ビートルズの登場
スター誕生1976年にステレオサウンドを導入。バーブラ・ストライサンドが言った。「音に包まれると、映画を観ている人も会場にいるような気持ちになる」
モノラルにはないリアリティがステレオにはある。
マルチトラックの時代へ。かつては1トラック
70年後半に進化が。
ベン・バート(ETの音響デザイナー)「言葉とは音の表情」
スターウォーズが音の世界を変えた。新しい時代を開いた。
デビッド・リンチ「音が観客を映画の世界に引きずり込む」
地獄の黙示録。。。さらに挑戦的な音、コッポラが撮影中に冨田勲の音楽を聞いた。4トラックの組曲「惑星」。スピーカーを部屋の四隅に置き、部屋の中央に座って音に囲まれる。コッポラはそれを映画にも求めた。ウォルターはモノラルの経験しかなく5.1chサラウンドは初めてだった。
ランディ・トム(フォレスト・ガンプの音響デザイナー)。地獄の黙示録のミキシングを見ていた。地獄の黙示録は、音響デザインが脚本にも書き込まれていた
ゲイリー・ライドストローム(トイ・ストーリーの音響デザイナー)。デジタルの時代到来。CGアニメーションを高みに押し上げてくれた存在、ジュラシック・パークで恐竜の声を作った。
トップガンのジェット機の音、本物の音が意外と退屈だった。そこで動物の声を混ぜた。
パンニング。カメラのパンに合わせて音も移動させる。

 
Point
音楽映画と劇場音響。。。映画に重要なのは音か映像か
サラウンド音響の歴史と意義・・・サラウンドシステムは映画に何をもたらしたのか
アニメ―ション映画と音。。。蒸気船ウィリーは音に合わせて動く、ファンタジアの革命的音響のトライ、メリダと恐ろしの森は初のドルビーアトモス
   筆者の個人的体験・・・ゼログラビティはなぜ宇宙にいるような感覚になれるか。。。完璧なサラウンド音響なくしてその感覚は味わえない。
今回の映画で音が重要な理由・・・ウタウタの実の能力を考える。。。。歌の世界に引きずる困れる体感が必要。。。
映画館で今映画を観るという体験。。。音偏重で変わる映画館体験

 
 
構成8月15日
Point
サラウンドと劇場体験とは
   ウタウタの実の能力とリンクする体験だということ
   冒頭からすでにその世界に引き込まれている
仮想世界で生きることの是非を問う内容
   辛い現実・くすんだ色彩/楽しい仮想の世界・鮮やかな色彩・・シャンクス登場で同ポジで切り替わるシーンは顕著にわかる
常に自由を問うのがこの作品。この作品では現実逃避の自由の是非、
   ウタの新時代は虚構の仮想世界に逃げること、そこは本当にユートピアでないことを2022年の観客はすでに知っている。でも辛い現実を知っている人であればあるほど、その自由を行使したくなる、その感情はわかるだろう。
   それに対して最初に疑義を唱えたのは真面目に働く少年だったという事実は希望か、いなか。
 
 
 Intro
映画館の音響はサラウンドシステム

音に包まれる体験の特別さが今、映画館では最も大切になっていると言っても過言ではない。
ワンピースの最新作は、その音に包まれるということを物語のレイヤーと劇場体験をリンクさせることで、抜群の劇場体験を創出している
 
 

Body1 映画館の音響の発展
ファンタジアの壮大な実験、スター・ウォーズや地獄の黙示録でいかに監督は音にこだわり、作品に音が貢献したか

バーブラ・ストライサンド。音楽映画「スター誕生」でステレオサウンドにこだわった。
「音に包まれると、映画を観ている人も会場にいるような気持ちになる」

このパワー

映画の世界に引きずり込む力は音にある。

近年、音響設備の特殊化に力を入れる劇場が増えているのは、映画館が映像を見せる場というより、音で人を囲い込み異空間につれていく機能が重視されるから。

ゼロ・グラビティの宇宙空間への没入体験はドルビー・アトモスにおいては圧倒的だった

この世界に引きずり込む力を必要とする物語だった
ウタウタの実の能力は、ウタ(歌)の世界に聴衆を引きずり込む力
物語の冒頭からすでに登場人物は取り込まれている、冒頭から歌の連続なのはそのため。

この歌にサラウンドで囲まれる=世界に引きずり込まれる体験をさせることで物語の没入感が変わる。

その意味で劇場で鑑賞してこそ、その力を最大限に発揮できる作品であることは間違いない

新時代。。。新時代の幕開けを華やかに伝える

私は最強・・・自己肯定感

逆光。。。一体感(世界に引きずり込まれた後に)攻撃性が出てくる
曲全体の前奏や独立したものになっても構わないので、クラップパートがほしいとお願いしました。客席がライブハウスとして一体化したところで、攻撃的な『逆光』が流れるという構成でお願いしています」

ウタカラララバイ。。。誘惑の歌、人々をつなぎとめるための甘い誘惑の内容、同時に自分に言い聞かせているような悲痛な叫びが混じりだす

Tot Musica・・・破滅の歌

世界のつづき・・・破滅の後に続く歌、最後の2曲はレクイエムのような。

風のゆくえ・・・ルフィたちの船出を後押しするような歌
 
 

Body2
その引きずり込まれた先の話をする必要がある。

大海賊時代は辛い時代であることを冒頭から強調してくる。

辛い現実から自由になれる場所として、ウタの世界を対置するのが今回の作品

くすんだ色彩の現実世界、ウタワールドは色鮮やかな世界として描写されている。

好きなものだけがある仮想の世界は、本当に素晴らしいところか。インターネットのユートピア幻想が崩れた2022年に生きるわたしたちはどう思うか。

真面目そうな少年が一番先に帰らないとと声を上げるという展開をどう考えるか。しかし、彼のような真面目な人が報われる世界は現実にあるのかと問わねばならない

そこに新時代の本当の意味がある
 
 

Body3 結論
ウタの払った代償は大きい。しかし、つらい現実を生きる人々のための新時代は来るのか。2人の男が見据える先
 
 
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 メモ終わり。

 ウタの能力は音楽でウタウタの世界に引きずり込むこと。これは映画館のサラウンドの音響に取り囲まれている方が、その作品世界の空間により強い説得力を与えたと思います。まさに映画館で観てもらう、体感してもらうことを目的にした内容になっていて、内容と構成と視聴環境が全てリンクする作品になっていました。

 谷口監督のインタビューを読むと、まさに劇場にお客さんを連れて来るにはどうすべきかを考え抜いているのがわかります。今は、高品質の映像自体は配信でも楽しめます。それでもお金を払って映画館に来るには、プラスアルファが必要で、そこを徹底している作品なのがいいですね。

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