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ミニシアターでスマッシュヒットとなっている映画『茶飲友達』のレビューを書きました

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 シネマズPLUSに、今ミニシアターで静かなヒットとなっている『茶飲友達』について書きました。

 【異例のヒット】高齢者の性を描く『茶飲友達』が今、日本社会と映画産業に必要な理由 | CINEMAS+

 この作品は『カメラを止めるな!』を生んだENBUゼミナールのワークショップ映画です。高齢者の性を描く作品で、実際にあった高齢者の売春サービスを題材にした作品です。

 高齢者の実在の姿をしっかりと描き、ステレオタイプではない描写をしていて非常に優れた作品だと思います。

 また、本作がミニシアター系での久々のヒット担っている点にも注目しました。コロナ禍以降、ミニシアターが非常に苦しい状態に置かれていますし、とりわけ高齢層の客足が戻ってきていない状態ですので、この作品のヒットは明るい材料なのです。

 テーマ的にも、ターゲット層的にも今の日本映画の中で意義深い作品になったと思います。
 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
———————
 
 
Thesis
作品のラビューのみではなく、作品の意義やなぜ話題を集めているかについても分析
 
 

作品のPoint3つ
高齢者の性と孤独を捉えた作品。。。実話をもとにしていること
高齢者の描き方のリアル
   ステレオタイプでも理想化された高齢者でもない、地に足の着いた当たり前に寂しさを抱えて、欲望を持った存在としてのリアル
若者との関わりかた、、売春がセーフティネットになる現実
   はじかれた者たちの繋がりを描いている、独り身の高齢者は疎外されやすい存在
 
なぜ話題に?
ENBUゼミナールの作品、カメラを止めるな!の
4人に1人が高齢者、これは当たり前の人々の物語
いくつになっても温もりは欲しいし、孤独は辛い
 
意義
コロナ以降、シニア層の客足がなかなか戻ってきていなかった。本作はシニア層が多く来場
ミニシアターもなかなかヒット作に恵まれていなかった

この2つを埋める効果

 
 

Intro
ミニシアターで静かな、しかし確実にじわじわ広がるヒットとなっている『茶飲友達』

一館から始まり、全国に拡大している。

作品の概要、実話を元にした高齢者の売春サービスに集う人々を描く。
お年寄りの性的なシーンをてらいなく描いている。奇異な目で描かず、当然の人の営みの1つとしてあることを示している作品。

どうして、これが今話題になっているのか
 

 
Body1作品評
本作は、高齢者の性を描く作品。
性欲が枯れるわけではない、実際には70代でも性欲はある。

しかし、社会はそのことをあまり大きく取り上げないし、良い老人はつつましく、縁側でひなたぼっこしているべきというイメージを持っている。
作中でもそれは語られる

この作品は、高齢者をそういうステレオタイプから抜け出し、地に足のついたリアルな存在として描く。
人間、いくつになっても輝きたい、愛されたい、温もりが欲しい、欲望がある、当たり前の感情を持った人間。

外山監督は、これまでも高齢者を描いてきた人。

本作は実際にあった事件に着想を得ている。基本的にはフィクションだが

社会にはじかれた若者と孤独な高齢者という社会から疎外されがちな人々のつながりを描いている。
 
 

Body2なぜ話題に?
社会の4人に一人が高齢者の時代、そういう人たちは自分たちの物語がないと感じているかもしれない

タブーとして高齢者の性に切り込むというスタンスではなく、自然に抱えているテーマとして描くことが大事。これは身近な問題、という形で描いている。

どちらかというと人間の崇高な部分ばかりをシニアに担わせる映画が多かった。等身大のシニアを描いていないのでは? という自分自身の反省も含めて、もっと身近なテーマを描こうとタブーに踏み込んだ結果が、このヒットにつながったのかなと思っています」(外山文治監督へのインタビュー/以下同) 高齢者売春クラブを描いた問題作『茶飲友達』に観客殺到! カメ止めブームの“シニア版”が、たった1館から全国拡大公開へ | fumufumu news -フムフムニュース-


また、この売春のグループが社会のセーフティネットになっている側面があることも描いている。若い人もまた、支援がなくて苦しい実情が描かれる。

 
 

Body3 意義
コロナ禍以降、シニア層が映画館に戻り切っていない

コロナ禍がシネコン、ミニシアター問わずに残したものは、シニア層の観客が劇場に戻ってこなくなったことです。その影響を受け、東京で最も古い歴史をもつ岩波ホールが昨年7月に閉館しました。映画連盟が発表した2022年の興行収入は前年比131.6%まで取り戻し、史上最高の興行収入を得た2019年の89%まで取り戻しました。それはアニメ作品のいままでにない大ヒットが支えた数字で、ミニシアターにはその余波の影響はありません。https://www.hokkaido-np.co.jp/article/802578

4人に1人が高齢者の時代、自分たちが見たいと思える作品が少なかったのかもしれない。アニメやハリウッドのアメコミ原作作品が多い中で。

もう1つはミニシアター系にもヒット作がなかなか出てこない状況だった。

この作品はその2つを埋める可能性がある

また、高齢者だって人生をチャレンジしたいと思っている人はいる。

世の中に出ていきたい人は若者だけじゃないんだ。高齢者だって人生を畳むだけじゃない。未来を見つめてチャレンジしているんだ、っていうことにも気づかされました」高齢者売春クラブを描いた問題作『茶飲友達』に観客殺到! カメ止めブームの“シニア版”が、たった1館から全国拡大公開へ | fumufumu news -フムフムニュース-

若い人もお客さんとして来ている。意外と言うとあれですが、幅広い客層がきているので。
誰にとっても高齢期は訪れる。多くの人にとって切実な物語だと思う。

 
 
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 メモ終わり。

 日本社会の今でありながら、なかなか言及されない事象に光を当てた優れた眼差しがあると同時に、センセーショナルに扱うのではなく、当然の人間の営みとして性を捉える姿勢がいいです。素晴らしい作品なので、みなさん是非みてください。

 
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