この記事は、Paid Content.Orgの「@ pcE11: Lessons Learned From Netflix And Others On New Digital Video World」の翻訳です。
テクノロジーの分野に起こった混乱はまもなくTVと映画の世界にもやって来る。Paid Content Entertainment 2011会期中に参加しているパネリスト達はそう懸念している。製作コストは急落しているものの、コンテンツの需要は決してあがっていない。さらには新規参入者も虎視眈々とシェア拡大を狙っている。
しかし、このデジタル革命には落とし穴がある、とGRP PartnersのMark Susterは云う。「早すぎるというのは、間違いであるということでもある」
デジタルビデオのテクノロジーはまだゴールデンタイムの放送に充分なクオリティを確保できているとは限らず、それを放送してしまえば、それは社のブランドイメージを損なうことになるし、不満を抱えた顧客を他に取られてしまうかもしれない。
Netflixはその典型的な例だ。パネリスト達(Suster、InitiativeのJason Deal、Clearstone Venture PartnersのWilliam Quigley、Snag Filmのフィルムメイカー、Jamie PatricofとRick Allen)は一様にNetflixがこの数ヶ月で彼らの築いた信用 ―顧客からの信用と娯楽産業から得た信用― が失われてしまったことを嘆いた。
William Quigleyは、現在ではコンテンツのクオリティを保つためのコストは、そのニーズの減少のせいで再び割高になりつつある、と語る。ストリーミングサービスがDVDと同じクオリティに達していないにも関わらず、NetflixはDVDレンタルサービスを切り離そうとしたが、その決断が早すぎで、顧客をどれほど落胆させたか気づいていない。
Jamie Patricofは、そもそも自分のような(インデペンデントの)映画作家がNetflixから上げることのできる収益は微々たるものだ、と述べている。