吉本興行のアジア市場への進出動きが活発になってきています。
香港Salon Films、中国TVネットワーク、CITVCとFOX international、吉本興行の4社がアジア新しいプラットフォーム、Asia’s first cutを立ち上げることが香港フィルムマートで発表されました。
FilmMart 2012: Powerful Asian Alliance to Fund ‘Micro Movies’ (Exclusive)
概要は、Micro Moviesと呼ばれる低予算のテレビ向け映画(予算は概ね8千万円)を10本作って、CITVCとFOXの配給ネットワークで配信していくというもの。
CITVC(the China International Television Corporation )は、9つの国と地域、33の省で33チャンネルを展開しており、FOX internationalは太平洋側のアジアと中東に37チャンネルを展開、5億5千万人の加入者(ソースのニュースサイトにそう書いてあるが、そんなにいるの?多すぎじゃね?)を抱える巨大TVネットワークです。
ソース(http://bquot.com/bb1)
Salon Filmsという会社は、映像向けの技術開発の会社で、デジタルフィルムの設備を中国で初めて開発した会社とのこと。
吉本興行は、言うまでもなく日本最大のタレント事務所の吉本興行です。近年は映画の製作にも積極的に乗り出してます。沖縄国際映画祭にもかなり食い込んでおりまして(というか吉本映画のお披露目会場みたいになってる)、映画事業は本気でやろうとしてるんですね。
あと、芸人監督で年間100本の映画を撮る計画をしてますね。お笑い芸人と映画監督の両立をさせるつもりなんでしょうか。そこまで吉本の芸人映画って成功してるのか。。。
http://www.yoshimoto.co.jp/yd100/
基本的には中国での新しい映像作家の人材発掘を主目的としているようですが、吉本も自分のとこの芸人さんに何本か撮らせたりする可能性もあるんですかね。あるいはマネージメント事業を中国へ拡大するための足がかりでしょうか。
さらにこんなニュースも。
アジアビジネスの開拓を進めてきた吉本興業が、今年5月からさらに大きな一歩を踏み出すことになる。3月25日に吉本興業は、台湾の有力放送局東風電視台とジョイントベンチャーの契約を結び、アジアから北米、ヨーロッパをカバーする衛星放送事業に進出すると発表した。
東風電視台は、現在、衛星チャンネル東風衛視を運営している。吉本興業は新たにこの放送事業の共同運営のパートナーとなる。プログラム編成やコンテンツ提供などで協力を行う。また、放送局名も吉本東風衛視に変更し、5月1日に新たなスタートを切る。
コンテンツ提供で協力とのことですが、どんなコンテンツを提供するんでしょう。お笑いというジャンルはなかなか他の言語圏に輸出するのが難しいジャンルです。K-POPや韓流ドラマがこれだけたくさん入ってきてもK-笑いはなかなか入ってこないわけで。ハリウッド映画は世界中でじゃんじゃん上映されてますけど、アメリカのバラエティ番組まで世界中で放送されてるわけではないですし。
とすると、台湾の衛星チャンネルでも映画をやるんでしょうか。
吉本興行は、かつての映画スタジオみたいに映画を製作し、かつ人材も育成するような会社を目指しているんですかね。そもそも戦前は映画館経営もやっていた会社ですし。
アジアに向けたビジネス展開を見ていると、抱えている芸人さんに片手間に映画を作らせる、という感じではもうないですね。
芸人さんに映画の才能が無いという意味では全くないんですが、できれば芸人さん以外の国内の有望な若手監督に映画撮らせるチャンスも与えてあげてほしいなあ、と思います。