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アメリカの新たな違法ダウンロード監視システム

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アメリカでTorrentなどを利用して行われる著作権侵害に対して、シックス・ストライクと呼ばれる新たな「警告」システムが導入される見通しです。

Major ISPs agree to “six strikes” copyright enforcement plan

これは、映画や音楽団体、企業などがネット上で行われる著作権侵害を逐一監視し、IPアドレスから対象者を割り出し、違法行為をしているユーザーに対して、ISPが警告のメールを出す、というもの。
すでに全米映画協会(MPAA)や全米レコード協会(RIAA)と大手メジャーISPと協定が交わされており、今年の7月の導入をメドに協議を進めている段階とのこと。
こちらのP2Pとその辺のお話さんのエントリーでは、スリー・ストライクと紹介されていますが、どうもシックスとなるようです。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1875.html

そして、このシステムを実行、運営のためにCenter for Copyright Information(CCI)という団体が組織されました。この組織の目標は、以下のようなもの。CNETの記事を一部翻訳します。
New copyright center ready to fire on pirates (exclusive)
「CCIの責務は、著作権とそれに違反することに対する影響について、広く一般に「教育」をすることです。
中略
映画スタジオと音楽レーベルの反海賊版のエキスパートたちはこの段階的レスポンスのプログラムは、映画と音楽を守るための必要不可欠なものだと言いいます。
中略
この段階的レスポンスは、ISPが違法な曲や映画をダウンロードしていると申し立てられた顧客に(段階的に)警告文を送るというもので、非正規のルートでコンテンツをダウンロードすることは違法であることを教育することを目的としています。そしてISPは、数度に渡って違法行為を行うユーザーに対して序所にその警告によるプレッシャーを強めていきます」

 

要するに映画会社や音楽レーベルがIPアドレスをウォッチして、違法ダウンロードをしているユーザーに対し、ISPが警告を送る、警告後も繰り返すユーザーには「段階的」に強くなる警告を発し続けるというシステムですね。最大6回まで警告を送ることを想定しているので、シックスストライクと呼ばれます。
フランスではこれがスリー・ストライクでしかも法律によって制定されています。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1877.html

アメリカの場合は著作権団体とISPによる協定で法律ではありません。
6回警告されたユーザーを利用停止しなければならない、という法的な規定もありません。

CCIの主要メンバーはやはり、映画スタジオや音楽レーベルに近しい人材なのですが、そういう人達ばかりではないんですね。テック系の人材も「アドバイザリー」として集められていて、Gigi Sohnさんなどという結構急進的に著作権団体を批判している人も名を連ねているんですね。(あくまでアドバイザリーってところがアレですが)
Twitterのアカウントのアイコンなんかはいまだに「Stop SOPA」ですよ(笑)気合い入ってますね。

 

彼女は、この登用に対して、今でもこの著作権アラートシステムが有効かどうか懐疑的だが、このCCIの仕事に従事することでインターネットユーザーの権利を代弁し、透明性の確保ができれば、と語っておられます。

あと、 Center for Democracy and Technologyという団体のファウンダーであるJerry Bermanさんもアドバイザリーとして加わるようです。この団体はインターネットをオープンに保つことを目標に掲げる団体です。

しかしながら、警告を送るか否かの決定権を握るのは、コンテンツ産業界とISPの人間からなるエグゼブティブボードのメンバーで、アドバイザリーの方々の影響力はどれほどなのか、不透明ではありますが、彼らがそうしたポジションにいるだけでも少なからず不当な決定は減るのでは、とも期待できます。完全にただバランス取ってますよ、というポーズによる人選であるなら、当人たちも受けないでしょうし、ある程度意見を通せる確約があるんじゃないでしょうかね。

Ars Technicaも書いていますが、メンバーである彼らには辞めるという抗議行動も取れるわけです。その行動によってまたネットの世論を換気するきっかけを作れますからね。アメリカのネット世論はちゃんとこういうのに反応・行動しますから。SOPAの抵抗運動が良い例ですね。
そんなポジション受けても「取り込まれた!』とか言われるのんでしょうけど、この新しいシステムでインターネットの自由が不当に奪われないようにあえて敢えて買って出てくれたんでしょうね。

このシステムは明確にネットの監視なわけですが、その目的は処罰ではないというところが評価の難しいところです。フランスの場合は明確に法文化されてしまっていますが、アメリカの場合は、規制したい著作権団体と過度な規制でユーザーを減らしたくないISPとの相乗りなので、お互いの利権がバッティングしています。なので、監視は監視なのですが、ムチャクチャヒドい不当な訴訟が起こされまくるというようなことにはならないのかなあ、と現時点では個人的に思っています。
しかし、エグゼブティブボードのメンバーを見ると合計6名で、3名が映画・放送関係者か音楽業界関係者ですね。ISP側も3名。一応数の上ではバランスが取れていると見えます。
http://www.copyrightinformation.org/about

 

問題は、このCCIという団体がどこまで映画スタジオや権利者団体に対して独立性があるのか、ということです。監視の結果、違法ダウンロードをしたユーザーのリストはどんどん溜まっていきますから、そのリストの「扱われ方」には注意しないといけないでしょう。

CCIのオフィシャルサイトはこちら。
http://www.copyrightinformation.org/

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