6月6日にも強行に採決される見通しである、違法ダウンロード刑事罰化。
この期におよんでは今から何を言っても覆らないのかもわかりませんが、それでも何か云わないことには何も変わることがないことだけはわかっているので、当ブログでも今議員さんに伝えたいことを書いておきます。
まだわかんらんよ、という観測もありますし。
2012年6月1日の衆議院文部科学委員会で自民党系議員欠席のまま内閣提出の著作権法改正案の趣旨説明。今日は趣旨説明のみでダウンロード犯罪化を含む自公修正案の提出はなし。次回文部科学委員会(6月6日?)で内閣案の採決となるのではないかと思うが、先行きは不透明。
— 兎園 (@fr_toen) June 1, 2012
議員さんにはこういうことも考えて慎重な態度で採択に臨んでいただきたいと思います。
『違法ダウンロード刑事罰化』について、議員向けの反対声明を発表しました。
MIAUさんも声明を出していますが、この声明に沿って云うなら、僕の目には今回の法改正は単に一般市民の生活の安心を脅かす効果しかない、と思います。
・摘発されるのは理解していない子どもたちです
2010年の著作権法改正で、違法にアップロードされた音楽・映像ファイルのダウンロードが違法とされました。権利者側が違法ダウンロードの主体と見なしているのは主に中高生ですが、その約半数が未だ、ダウンロードが違法になったことを知りません[*1]。このような状態で罰則をつければ、多くの「違法になったとは知らなかった」子どもたちが摘発の対象となります。子どもたちに教育を受けるチャンスを与える間もなく刑事罰化へと進むのは、あまりにも拙速であると考えます。
・違法・合法の区別をつけることができませんインターネット上にある音楽・映像ファイルは、外見からは適法・違法の判別ができません。業界団体が合法ファイルダウンロードサイトを区別するために設定した「Lマーク」の周知も十分ではありません。また国外の事業者が運営するダウンロードサイトでは、合法であってもLマークを付ける責務はなく、Lマークによる区別が機能しません。
上の2つにもあるように、ダウンロード行為が違法であることを知らない人たくさんおり、なにが合法で何が違法かの峻別も難しいということであれば、知らない内に違法行為を働いてしまう可能性があり、ある日突然誰もが犯罪者になってしまう可能性を増やしてしまいます。
MIAUの反対声明にもある通り、仮に大人達はそれでよくても、子供に関しては云えばこれで「犯罪者」になる危険はかなり高くなるでしょう。
子供にネットのリテラシー教育をするのは、まったくかまわないですが、子供の犯罪率を高める政策に何の意味があるんでしょうか。子供とその家族を無駄に危険にさらすだけでないでしょうか。
オチオチ、リビングにPCをおいておけません。
ていうかリモートで操作されるマルウェアに感染して勝手に何かダウンロードとかさせられた場合どうなるんでしょうか。
サイバーセキュリティまで広げて考えると、自分が気をつけているだけで十分かどうかも怪しい。
音楽産業保護(にすらなりませんけど、この法改正)と、有権者の暮らしの安心と本当に大事なのはどちらでしょう。
違法ダウンロード刑事罰化推進の議員さん方には、改めて何が一番大切なのかを考えていただきたいと思います。