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【クラウドファンド史上初】Kickstarterで資金調達した作品がオスカーを受賞。

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昨日のオスカー生中継は仕事で見れなかったですが、今年は混戦模様で本命不在の分、かえって賞の発表は盛り上がったかもしれないですね。

ベン・アフレックのアルゴが作品賞でしたが、彼の今後を期待する意味も込めての作品賞だったのかな。イーストウッド以来、俳優監督の大物になれるといいんですが。

さて、長編の作品賞ほどの注目度ではありませんが、オスカーの短編部門で1つ歴史的な快挙がありました。

短編ドキュメンタリー賞を受賞したInocenteという作品は、アメリカのクラウドファンド最大手のKickstarterで資金調達をした作品で、クラウドファンド出身の作品として初めてのアカデミー賞受賞作品となりました。

via Kickstarter

こちらがKickstarterのプロジェクトページ。294人が出資して約52000ドル集めています。
Inocente: Homeless. Creative. Unstoppable by Inocente Filmmaking Team — Kickstarter

カリフォルニアのサンディエゴに住む、ホームレスの不法移民の15歳の少女が、アーティストになる夢に向かう姿を捉えたドキュメンタリー作品とのこと。タイトルはこの女の子の名前のようですね。
父親はアルコール中毒で家庭内暴力などのために強制送還され、母親は人生に耐えかねて一度はこの女の子とともに橋から飛び降り自殺を図ったこともある、そして現在では一人サンディエゴのホームレスのシェルターで暮らしているそうです。
参照'Inocente' makes history as first Kickstarter-funded film to win Oscar | The Verge

作品は、彼女が自身の作品制作と発表のチャンスを得て、一人で生きていくことを決意するあたりまでを描いているようです。
センチメンタルでもセンセーショナルに描くのでもなく、一人のティーンの女の子の現実をありのままに見せていくという作品とのこと。

監督はショーン&アンドレア・ファインの夫婦。War/Danceというドキュメンタリー作品で2008年にもアカデミードキュメンタリー部門にノミネートしています。

Kickstarterによる出資を募ったのは、ポストプロダクションや、映画祭へ出品などする際のスクリーニング用のフォーマット作りなど、最後の仕上げの部分での資金を必要としたからということみたいですね。

特典はTシャツやDVDのプレゼントなど、オーソドックスなものが多いですね。高い出資額だと監督の過去のDVD作品もついてくるみたい。

Kickstarterでは映画のプロジェクトのサクセスの額が$100Mを超えたそうです。そのうちの40%ほどがドキュメンタリーの企画のようです。ドキュメンタリー映画でお金になる作品というのはほとんどなく、今までも助成金や寄付などで制作された作品も多かったのですが、クラウドファンドもお金は稼げなくとも製作の意義のある作品の受け皿になれるといいなと思います。

今回のInocenteのオスカー受賞は、1つ映画とクラウドファンドの1つの成果として価値ある結果になるでしょう。

日本では「 ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」というドキュメンタリー作品が、890人もの出資者から1400万円を集めて、日本のクラウドファンド史上最高額を更新しました。

日本のインデペンデント映画界でもクラウドファンドによる成功例が少しずつ出てきましたね。東京国際映画祭 日本映画ある視点部門を受賞した「タリウム少女の毒殺日記」も配給資金をクラウドファンドで集め、公開にこぎつけることができましたし。

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