音楽ストリーミングサービスのSpotifyが音楽以外のコンテンツに進出する可能性が出てきたようです。
Business Insiderの記事ですが、スウェーデン発の定額制音楽ストリーミングサービスを展開するSpotifyが、オリジナルの映像コンテンツ制作の道を模索し、NetflixやHBOらと競合に名乗りを上げる可能性があるとのことです。
Spotify Plans To Take On Netflix And HBO With Streaming Video Service – Business Insider
via TechnoBuffalo
Spotifyは音楽のストリーミングサービスとともに映像のオンデマンドサービス展開を検討中で、実現すればNetflixのような定額制のサブスクリプションタイプのオンデマンド事業者と競合関係になることになります。
Spotifyは現在映像コンテンツ制作に向けてパートナーを探している段階で、そのコンテンツはSpotifyユーザーに向けた独占的なコンテンツとなる模様。
Spotifyが映像サービス展開、それもオリジナルコンテンツの制作に興味を示している背景としては、現在音楽聴き放題系の競合が台頭し始めていること、そしてNetflixのオリジナルコンテンツであるケビン・スペイシー主演、デビッド・フィンチャー監督の「House of Cards」の成功が挙げられそうです。
前者については、Spotifyが特権的なサービスではなくなってきているということであり、楽曲を提供するレーベルとしては、様々なサービスで幅広く展開したいと考えます。反対にSpotify側はコンテンツを独占的に供給することで、競合に対して優位性を示したいと考えます。各プラットフォームでコンテンツの奪い合いになれば、コンテンツの価値が上がりますので、当然レーベルに対して支払う額の高騰が予想されます。需要と供給のバランスで言えば当是そうなりますね。
しかし、サブスクリプションの価格をつり上げてユーザーの理解を得るのは難しい。そもそもレーベル頼みのビジネス展開に限界があるのではないか。
そこでオリジナルコンテンツの制作という考えが浮上するのはごく自然な流れですね。
折しもNetflixがオリジナル作品の「House of Cards」を成功させています。このシリーズの成功によってどれくらい加入者が増加したのかNetflix側は明らかにしていませんが(次の決算発表の歳にある程度わかるでしょう。会員数の増加は毎回発表していますので)、会員の10人に1人は見たというほどに人気の高い作品になり、内容も高く評価されています。
そもそも、リッチなオリジナルコンテンツを作って、有料会員を増やしていくというビジネススタイルは、HBOなどのケーブルTVチャンネルがやっていたのと、あまり違いはありませんね。やはり最後に行き着くところはコンテンツ作りなんですね。
しかし、Spotifyであれば、映像の前に音楽のオリジナル作品を作らないのかな、と思いますが、逆にそれやるとレーベルと話がこじれたりするんでしょうかね。自分たちでミュージシャンを発掘し、育てている音楽レーベルからすると、Spotifyに同じことやられると困るから、関係性を悪化させたくないので、映像の方が手を出しやすいということなのかな?
ちなみに、Spotifyの映像コンテンツに関する噂は、これまでも出ていました。北欧でアメリカのテレビのストリーミングをやるという話もありましたし、スウェーデンではNetflixとSpotifyは提携してSpotifyユーザーに向けて一定期間無料でサービスを提供したりしています。
すぐ一足飛びにオリジナル映像を作るかどうかはまだ確定的ではないですが、事業拡大として映像に注目しているのは間違いなさそうです。
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