映画レビュー「クソすばらしいこの世界」

hotaka-sugimoto 2013年6月19日

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中盤のドンデン返しヤバい。まさかそっち方向に行くとは思わなかった。

傑作韓国映画「息もできない」のキム・コッピ主演のこの低予算ホラー映画。留学生あるあるネタが満載でニヤニヤしながら見れるんですが、なかなかどうして優秀なＢ級ホラー映画でした。

韓国から真面目に勉強するためにアメリカに留学しているアジュン。なかなか流暢な英語をしゃべる彼女はある日、日本人留学生に誘われキャンプに行く。５人の日本人留学生に囲まれ、英語もほとんどしゃべれない彼らにいらだつアジュンだったが、宿泊先のコテージの近くに住む、殺人マニアの兄弟に狙われるハメに。あとはもうグッチョングッチョン殺りまくりです。

アジュンが一緒にキャンプに行くことになったのは、クソ生意気な日本人留学生５人。留学しているにも関わらず英語は全くしゃべれず、勉強する気ゼロ。それでいていっちょまえに葉っぱの味は覚えているような、そんな典型的なダメな日本人留学生たち。まあ、Ｂ級映画ではこういう手合いは惨殺されてもしょうがない。むしろ、惨殺されたほうがカタルシスがあるというものです。

でも、実際いるんですよ、ああいうの。金はあって遊びにきてるだけの日本人。遊びに来てるんだけど、アメリカ人とつるむ勇気もないので、日本人同士で固まる。

そういう対象をスラッシャー映画の対象に選んだ朝倉監督はエライ。超残酷なホラー作品なのに、けっこうスカッとしましたよ、ええ。

一応この作品は、言葉や人種の違いによる分かりあえなさも描いている作品です。アジュンと日本人留学生はまったく分かり合えないし、惨殺白人兄弟も異様に黄色人種に対して差別意識むき出しです。理由は全く描かれませんが、そうした心にある「どうしようもない壁」はアメリカ時代、よく感じましたね。

最近だと、在特会みたいな人たちにも同じような感覚を覚えることもあるので、人が分かり合えないのは人種間だけではないんだなあ、とか思うのですが。

血まみれのキム・コッピカワイイ。そして北村昭博はどうしてこうもホラーが似合うのだろうなあ。ムカデ人間に続いていい殺されっぷりである。

ああ、どんでん返しについて書けないのがツラい！！

公式サイト
映画「クソすばらしいこの世界」公式サイト　|　6月8日（土）より6/28(金)まで、ポレポレ東中野にて3週間限定レイトショー！