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バルス祭りが示すのは「Content is King」ということですよね

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先週の金曜ロードSHOW!での放送なので、ちと乗り遅れ気味かもしれませんが、一応取り上げておこう。

先週金曜日に宮崎駿監督作品「天空の城ラピュタ」が2年ぶりに放送され、バルスがツイート記録を更新しました。再び世界一を奪取だそうです。
天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎

視聴率も2年前よりも上昇。視聴率は裏番組とかいろんなものにも左右されるのでこれを持ってツイッター効果という決めることはできないかもしれませんが、いまだにこれだけ数字が取れるってのがすごい。
天空の城ラピュタ:“バルス祭り”効果? 放送14回目も視聴率18.5%と上昇 – MANTANWEB(まんたんウェブ)

ふむ、2つともすごい数字です。なにを僕らはこんなことに一生懸命になって世界記録を作ってるんでしょうかね。いやなんにせよ、すごい。
こんなことに一生懸命になる僕らもすごいが、ここまですごい波を誘発できる「天空の城ラピュタ」というコンテンツがすごい。

今回はネットのいろんなところで、バルスにちなんだ仕掛けが施されていたし、この記録を作るためにずいぶん仕掛けてくるなあ、ユーザーが自発的にやってここまで来たのだからすごいんだけどなあ、とかいろんな思いが去来しました。まあいいや、それは。こ
今回の記事の本旨は、テレビとネットの融合やテレビ局のネット活用が進む中で、このラピュタの放送だけが突出してこういう成果をあげるのはなぜか、ということ。

こちらのブログではバルス祭りという現象にネットとテレビの関係を変える何かを期待しておられるようです。
バルスはテレビとネットの壁を壊す呪文かもしれない | 境治

「まあ、ラピュタって映画作品だけどな」、と言いたい映画人の僕の気持ちに脇に置いておくとして、今回のバルス祭りで瞬間ツイート数歴代トップをたたき出したのは、テレビ局によるネットの活用が進んだからなのでしょうかね?

そうなのかもしれない。テレビのリアルタイム視聴に新しい楽しみを与えるソーシャル視聴なんて概念が出てきて、僕もその手の記事はたくさん書いてきた。しかし、どれだけ仕掛けても、バルス祭りのような現象は(この規模では)ラピュタ以外では起こりえないと思う。

そもそも放送のタイミングに合わせてバルスを書き込むのはツイッター登場以前からずっと2chなどでも行われてきたことで、ずっとファンが自発的にやっていたことです。
ソーシャルメディアアカウントを持つ人が増えたので、こうした動きが「自発的に」広まったにすぎない。

この祭りの本質は、何度も何度も繰り返し見られているにもかかわらず、常に見る人を楽しませることができるほどに優れたコンテンツがあるということです。この映画の公開1986年。27年前の作品です。いったいいつまで愛され続けるのか、この映画は。27年もの間、ファンに愛され続け、ファンの中から自発的にああいう運動を起こさせるだけのパワーを維持し続けている。本当にすごい。往年のファンが昔を懐かしんで見てるだけじゃなく、新しいファンを獲得しつつ、そのファン層を拡大しつづけているわけですから。

だから、こんな規格外の現象が起こるんです。別にテレビがネットに理解を示したからとかじゃなく、コンテンツそのものの持つパワーがこれを引き起こしている。

今はツイッターやニコ動。サービスやプラットフォームはどんどん変わっていくでしょうが、ラピュタのコンテンツの魅力は不変でしょう。ソーシャルメディアが堕ちても、また新しいプラットフォームの中でラピュタは愛され続けるでしょう。全国にいるファンにラピュタを提供するのに都合のいい入れ物はテレビなので今はテレビで放送されますが、もっといい方法があったら入れ物は変わってラピュタはずっと消費され続けるでしょう。(ツイッターで盛り上がるのもこれが最後な気がする。仕掛けがうざすぎて反発を招くレベルに次はなりそうな気がする)

バルス祭りは、天空の城ラピュタは世代を超えて愛される傑作だから起こりえるのです。その意味でツイート記録はすごいっちゃすごいけど、ラピュタがそこまで愛され続けるコンテンツだってことの方がもっとすごいことです。

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