大分の映画館「T・ジョイ パークプレイス大分」のツイッターが炎上したとかで一部話題になっています。Jキャストさんが取り上げたのでヤフトピにまで入ったようで。
特典目当てで映画見ないで帰る客は「不快」 「正論」はいて映画館ツイッターが謝罪、停止 (1/2) : J-CASTニュース
特典目当てで映画見ないで帰る客は「不快」 「正論」はいて映画館ツイッターが謝罪、停止 (J-CASTニュース) – Yahoo!ニュース
現在公開中の映画「魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」で、フィルムなどの入場者特典だけをもらって映画を見ないで帰ってしまうお客さんに対して、映画館の公式アカウントが、
「『まどか☆マギカ』をご覧になるお客様、劇場を利用して頂き、有難うございます。1つだけ言わせてください。特典が欲しいのは分かります。が、チケットを購入して入プレ貰ってそのまま出口から出て次の回を待つのは映画的に本末転倒ですし、一個人のファンとして不快です。映画を楽しんでください!」
とツイートし炎上したというもの。
よく見る光景のように、金はらってるのに問題ないとか、客を小馬鹿にしてるなどの文句を言われ、アカウント停止に追い込まれました。
映画館はというのは映画を見る場所ですから、映画を見ないで帰ってしまうのは本末転倒で、劇場運営側としては単なる特典引換所のような扱いはさみしいだろうとは思うので、気持ちは非常によくわかります。しかし、窃盗を働いたわけでもなく、ずるして特典をせしめたわけでもありませんので、非難すべきかどうか微妙なラインです。
問題点についてはこちらのブログがキレイに整理されています。
T・ジョイパークプレイス大分公式twitterによる劇場版まどマギ特典発言について個人的所感|アニメ大好き♡ 遊佐さん☆ブログ
今回の問題については、大きく分けて論点が3つあるかなと思っています。
①:特典だけ貰って映画を見ない人間の賛否
②:人を①のような行動に駆り立てるキャンペーンを行う制作側の問題
③:公式アカウントで私的な意見を発言することに対する賛否
概ね同意なのですが、劇場に来場して特典をもらうほとんどの人は純粋なファンで、こうした行動を取るのは一部の人間で在ろうという点です。ほとんどの観客は特典と一緒に映画の感動も持ち帰っています。僕は叛逆の物語をすでに5回見ていますが、それは特典が欲しいのもありますが、映画もきちんと毎回見ています。で、毎回鳥肌もんで感動してます。ほむほむVSマミさんの銃撃バトルは映画の中でガンアクションはたくさん見てきましたけど、そんな中でも特に記憶に残る1つにこの作品はなりました。
②の制作側の問題ですが、上述の遊佐さんのブログでは、コンプガチャを引き合いにこの手法に問題があると指摘していますが、コンプガチャは運営側で確率操作ができることに問題があったので同一の問題と言いづらい点があるように思います。
コンプガチャは操作された確率の中で、射幸心をあおって課金上限もない状態だったので問題となったのですが、映画館の料金は1800円が上限で、特典と映画鑑賞の権利はきちんと消費者に与えられています。ただその権利を行使しない人がいるというだけで。フィルムのいいシーンが当たる確率もあれでは操作のしようもないかと。ただ渡してるだけですし。
そうでもしないとお客さんを大量に動員できないのかどうかはわかりませんが、これで興業収入が増えれば(とはいえ大量に特典用意するのはかなりのコストかかりますので、実際にはアニメ映画の収支どうなっているんでしょうね)、次の作品制作に繋がるので、一人でも多く興行収入増に貢献してくれた方が全体としてはやはりハッピーでしょうし。
③については企業アカウントの運用についてはさんざん言われてることですし、今さら新しい議論をする必要はないでしょう。
個人的にはこういう特典は好きです。映画という無形の作品の世界の一部を所有したい欲望は、ファンならあって当然だと思ってますし。実際フィルムや特製イラストもらってけっこう嬉しいです。(もちろん一番嬉しいのは映画が見れること)
人の時間の使い方に誰もケチをつける権利はないので、特典だけもらって帰っても誰にも咎める権利はぶっちゃけないです。この世界には映画鑑賞より特典の方が価値があるという人がいるのだ、という話です。価値観も人それぞれなのでしょうがない。
ただ、僕はせっかく1800円払うなら、特典もらってさらに映画も見た方が断然得だと思います。一度見た人ならもう一回見てもう一回感動しちゃえばいいと思うんですけどね。
僕が映画館の公式アカウントならこんな風につぶやきます。
ちなみに僕は特典も欲しいからまどマギすでに5回見に行ってるけど、毎回最初から最後まで見て、毎回鳥肌立ってますよ。あんなすごい映画何回見たって面白いよ。せっかく金払ってるのにその感動体験捨てるなんてもったいない!
— 杉本穂高@映画.comシネマ営業中 (@Hotakasugi) November 18, 2013
まあ、今映画館をめぐっての一番大きな問題は、年に1度も映画館に来ない人が大勢いるということなんですけどね。特典もらって帰るどころか、そもそも映画館に来てくれてないので。。。
この問題点から行くと、大分の映画館のツイッターアカウントは観客増にも満足度を高めるのにも貢献しないツイートをしたってことになるんだよなあ。。すごく気持ちはわかるのですけれど。
※もう一個補足で、逆のパターンを考えると映画だけが目当てで特典いらないって人は捨てちゃうんですよね。映画館のごみ箱に特典捨てられてるの、見たことある。。。特典だけもらう人は少なくともその特典は大事にするか、転売して転売された先でその特典は大事にされるんだろうな。。。
芳文社 (2013-11-12)