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ビースティ・ボーイズがおもちゃベンチャーの制作した大人気動画を著作権侵害で提訴。フェアユースとして認められるか注目

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ハフィントンポストで紹介されていましたが、アメリカのGoldieBloxというおもちゃの会社が作った動画がYouTubeで700万回以上再生され、話題になっていました。

おもちゃメーカーが作ったミュージックビデオが、YouTubeで再生回数が700万回以上!

その動画はこちら。上述の記事が出た時点では700万回だった再生数も800万回を超えています。

この動画は「女の子の持っている驚くべき発明の力を紹介するため」に作成したとのことで、同社のおもちゃを使って、驚きような遊びをしている女の子三人を描いたものですが、この動画の中で女の子たちが歌っているのはビースティ・ボーイズの「Girls」という曲をアレンジしたものです。
動画の主張は、女の子だからと言って、ピンクの服やお姫様にあこがれるばかりじゃない、科学やエンジニアの世界に女の子が夢を持ってもいいじゃないか、というもの。

Girlsの歌詞を動画の内容に合わせて改変をしているのですが、例えば、オリジナルでは以下のようになっている箇所を、

“Girls — to do the dishes/ Girls — to clean up my room/ Girls — to do the laundry/ Girls — and in the bathroom/ Girls, that’s all I really want is girls.”

GoldieBloxの動画では、
 

“Girls — to build the spaceship/ Girls — to code the new app/ Girls — to grow up knowing/ That they can engineer that/ Girls. That’s all we really need is girls.”via Hollywood Reporter

としています。この非常によくできた動画、ネットで大変話題になりましたが、ビースティ・ボーイズがこれを著作権の侵害として訴える構えを見せています。
訴状はこちら

訴状によると、この動画は女の子たちの幅広い可能性を伝え、ステレオタイプなジェンダー像を壊し、若い女の子たちに科学や数学、テクノロジー、エンジニアリングの分野への興味を促進させるメッセージを発しており、それはビースティボーイズのオリジナル曲のメッセージとは真逆のもので、オリジナル曲をへの批判と捉えられる、というのが原告側の主張のよう。
そして、これは明確な著作権の侵害であり、フェアユースには当たらないとの主張。

GoldieBloxは素直に現代の女の子への応援ソングとして改変をしたのかもしれませんが、ビースティ・ボーイズ側はこれを原曲への皮肉や当てこすりと捉えたようです。Girlsは1987年に発表された曲で、当時の男性目線のステレオタイプなジェンダー論に基づく歌詞と言えなくもないので(歌詞はここで読めます)

個人的にはGoldieBloxの制作した動画は大変良くできた二次創作で、現代的なアレンジで面白いと思いますが、これが素晴らしい創作として認められるか、それとも単なる当てこすりとされるのか、注目しています。著作権のハンドリングは、豊かな文化創造に欠かせないものですが、アメリカにおいて権利者と新しい創作の担保のバランスを取るフェアユースに基づいて、このケースがどう判断されるでしょうか。

LAタイムスは、ネットではビースティ・ボーイズへの批判が高まっていると報じています。まあ、相手の動画が女の子を描いたものですから、イメージは当然悪くなってしまいますね。
Beastie Boys hit with backlash as legal fight looms over ‘Girls’ video – latimes.com

もし勝訴しても多少のイメージダウンは避けられないかもしれません。個人的には穏便に済ませるのが一番よさそうな気もしますが。。
GoldieBloxの作成した動画の発するメッセージも、今のジェンダー感覚で言うと、ポジティブな印象ですしね。

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