Venture Beatに以下の記事が出ていたので、タイトルに惹かれて読んでみた。
Content may be king, but in the online kingdom convenience is queen | VentureBeat | Media | by Tom Cheredar
コンテンツは王様だけど、オンラインの世界では利便性は女王様だよね、というタイトル。記事の内容は、ゲーム・オブ・スローンズをオーストラリアから見たくて、あらゆるオンデマンドサービスを検索したけど、提供されていないので、海賊版をダウンロードした。テレビのコンテンツは素晴らしい質のものがあるのに、利用するにあたっての利便性が低いために、海賊版に手を染めざるを得ないという人がたくさんいるはずだ。コンテンツの需要は多くあるが、消費するのに不便な状態がコンテンツ業界を苦しめているのでは、と大体そんな内容。
一理あるなあと思う。コンテンツは王様だ。けど利便性の地位は近年向上している。この2つはセットで考えないといけないかもしれない。
電子書籍に慣れてきたので、最近は紙の書籍の購入に一瞬躊躇する。コミックスやライトノベルなどでも少し遅れて電子化されるものに関しては、電子化を待つこともしばしば。待たずに速攻買って読みたい本ももちろんあるけれど。とある魔術の禁書目録とか。
しかし、一方電子化されていないから敬遠しているタイトルもあったりするような気もする。そういえば魔法科高校の劣等生をまだ読んでいない。コンテンツが王様というほどに価値を持ってるなら、読みたい本はとっとと買えばいいのに、なぜか後回しになってしまっている。おそらく便利に購入できてしまう電子書籍になっているタイトルを先に読み始めてしまってるんだなあ。そういえば東京レイヴンズをKindleで買い始めてしまった。
どうも僕はコンテンツの価値だけを図って購入を決めているわけではやはりないようで、利便性は相当数勘案しながら購買を決めている。利便性が最重要ではないがたしかに女王様くらいの価値を認めているかもしれない。
映像の場合、利便性の観点から考えるとオンデマンドサービスというものがある。いつでも自分の好きな時に作品を鑑賞できるこのサービスは利便性を追求した形態だ。しかし、日本でオンデマンドで見ることのできる映像コンテンツはまだそれほど多くない。もしかしたら、多くのユーザーをそのせいで失っているかもしれない。
オンデマンドサービスを提供するだけじゃなくて、それを使いやすい形で提供しないと利便性が高いとは最近では言えない。志村一隆さんがU-NEXTとレグザから利用として、それを最悪のユーザーインターフェイスと称して、挫折しかけていたが何としてもブレイキング・バッドが見たいから頑張った話を書かれている。コンテンツの魅力で利便性の損ないを乗り越えた例だが、まあ普通は途中で止めるよね。
最悪のインターフェースも乗り越えるコンテンツの力 米人気テレビドラマ、「ブレイキング・バッド」を例として:JBpress(日本ビジネスプレス)
ただ、こんなに障壁があったら普通の人は途中で止めるのは間違いない。反面、見たいコンテンツがあれば、どんな障壁も乗り越えることも確かである。
この辺の価値観は人によっても違うだろう。女王様たる利便性の方をより重要視している人も最近ではいそうな気がする。イギリスでは現君主はエリザベス女王2世ですしなあ。現実でも女王の方が偉い国もある。手軽に取得できなきゃ、利用しないと決めている人もいるかもしれない。面白いネタは世の中にあふれているので、取得しやすいものだけでもそれなりに満足できる時代にもなってきているとも思うし。
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