2020年には北米市場を抜き去り、世界最大の映画市場になると見込まれる中国。その中国内の最大手の配給会社「チャイナ・フィルム」が上海株式市場で上場を果たすことになったそうだ。
中国国営の映画企業「中国電影集団公司」の配給部門「チャイナ・フィルム」は7月28日に株式上場を行なうと発表。目標資金調達額は6億1,000万ドル(約655億円)で、これは中国のエンターテイメント企業としては史上最大のIPOとなる。
via 中国チャイナ・フィルム上場へ ハリウッド並みの市場価値に | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
チャイナ・フィルムは中国映画市場の58%のシェアを誇る。今後のさらなる成長のための資金調達で、91の映画館の建設に53本の新作映画の制作に充てるつもりだとか。さらに大型買収で成長を遂げるワンダグループとのグローバル市場での競争力を高める狙いもあると上記の記事では分析している。
ワンダ・グループとは、ダークナイト三部作やアメリカ版ゴジラを制作したレジェンダリーフィルムを買収した会社。2012年には米映画館チェーンのAMCグループも買収している。スペインのサッカーチーム、アトレチコ・マドリードにも出資している。
チャイナ・フィルムは国内市場は上にも書いた通り、大きなシェアを持っているが(まあ国営企業だから)、海外展開ではワンダに遅れをとっていると考えていいだろう。ワイルド・スピード SKI MISSIONに出資もしているが、今後はそういう動きも加速するかもしれない。制作の強化も考えているようだし、ワンダのように製作会社を丸ごと買収することもあり得るかもしれない。
しかし、一気に91もの映画館の建設をすすめるとはスケールが大きい。日本の映画産業とは動いている額のケタが全然違うなあ。
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