韓国の釜山国際映画祭が行政からの圧力を受けている問題。どうも長引きそうな様子だ。
Korean film industry votes 'no' to lifting Busan boycott | News | Screen
2014年に起きたセウォル号沈没事故についてのドキュメンタリー『ダイビング・ベル』の上映中止要請を釜山市が行ったことが発端で、映画祭の運営の改革要求に発展し、行政介入は表現の自由を規制するものではないかと議論になっている釜山映画祭問題。世界中の映画人が映画祭運営の独立性を求める声明を発表している。
韓国映画業界もこの問題を重視しており、汎映画人非常対策委員会は、「釜山国際映画祭の独立性の保障そして表現の自由を保障する基盤が設けられないと、今年の釜山国際映画祭に映画人たちが参加することはないだろう」と語っている。
そしてこのボイコットを継続するか中止するかを、ここ数日で映画産業の9つの団体で採決をが取られた。
結果は4:4:1で、ボイコット中止に賛成と反対が同数となったようで、つまりはこの議論は継続され、結論は持ち越しになったということだ。
汎映画人非常対策委員会は、各団体の採決に先立ち映画祭の実行グループのメンバーと会談を持ったようで、独立を保障するための改善策はある程度示されたようだ。同委員会は会談の後、支持者に対して「victory for film makers.」のテキストメッセージを送ったとヴァラエティは報じている。
しかし、釜山市のソ・ビョンス市長からの謝罪がいまだないのが、韓国映画業界人にとって問題で、公的な謝罪がない限り独立性の保障を信じられないというのが業界人の心境のようだ。
釜山国際映画祭は、今やアジアで最も影響力のある映画祭でアジア映画の発展を支える重要な旗振り役と言える。このままの状態で行くと今年の映画祭は、大幅な縮小を迫られ、業界のサポートもない状況になってしまうが、なんとか独立性の担保の道筋を見つけてもらいたい。
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