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映画『 #君の名は。 』製作委員会著作権担当の地道な警告活動は企業姿勢として大事かもしれない

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ブログで取り上げるようなことでもないかと思ったけど、少しだけ。というのも先に書いたEUの新著作権にも少し絡むお話なので。

新海誠監督の「君の名は。」の違法アップロードが出回っているそうで、どうもサンプルDVDからのコピーではないかとのこと。中高生に人気のある作品なので、無邪気に違法サイトで視聴してしまうケースもあるため、公式が「映画『君の名は。』製作委員会著作権担当」というツイッターアカウントを開設して、パトロールを始めた。

「君の名は。」違法動画、拡散しないで 製作委員会が「著作権担当」Twitter開設、個別に警告 – ITmedia ニュース

違法サイトへのリンクをツイートしているユーザーに対して、リプライで違法サイトのリンクを含んだツイートを削除するよう、呼びかけている。

まあ、警告がどれだけ効果があるのかわからない。正直こういうのはイタチごっこでもあるので、努力する姿勢を見せるのは悪いことではないけど、実際の効果はどこまであるかというと謎。ただ素直に削除に応じているユーザーもそれなりにいるようなので、「面倒事は避けたい」という心理が働くだけでもプラスの効果はありそうだ。

で、これがEUと何の関わりがあるかというと、EUの裁判所で違法サイトのリンクを貼るだけでも違法、との判決が最近あったということ。詳しくは一つ前のエントリーを参照してほしい。
EU新著作権法『リンク税』は本当にコンテンツホルダーのためになるのか – Film Goes with Net

違法サイトと知っててリンクを紹介しているか、営利目的であるか、不特定多数に向けられているのかなど、いくつかの条件を勘案して、EU裁判所は違法となりうるケースもあり得ると裁判で示したのだが、その線引きは恣意性の強いものになるだろう。これまでは「リンクは導線であり、コンテンツそのものではない」という明確な基準があったところからEUは踏み込んだわけなので。

さらにはEUは改正著作権で、リンク税なるものを導入しようとしている。こうした違法サイトのリンクを貼れば、何らか権利者から請求が飛んでくる可能性があるわけだ。
いきなり請求書を飛ばされるより、企業側でこうした警告の努力をしてくれるのであれば、納得もいくかもしれない。もしEUのようなリンク税のようなものが、日本に導入されたとしても、ある種の手続きとしてこういう行動は企業とユーザーの関係を考える上で大事なのかもしれない。いきなり「金」ではユーザーの心は離れるかもしれない。だが、きちんと違法視聴を減らすための企業努力をやっている姿勢を示されれば、大半のユーザーは納得するだろうと思う。(まあ、なんで企業側は違法サイトの掃除しなきゃいけないんだって気持ちにもなるけど)

まあ、「君の名は。」は映画館で見たほうがいいですよ。PCやスマホで見るなんてもったいない。
 

でも、こういう違法視聴しましまう人が現れる背景には、きちんと僕を含めた映画関係者やメディア、ライターが映画館で映画を見る素晴らしさを伝えきれていないというのもあるかもしれないな。

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(C)2016「君の名は。」製作委員会

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