中国ワンダ、映画制作費の40%を助成する破格の制度を発表

hotaka-sugimoto 2016年10月15日

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中国のコングロマリット企業、ワンダグループが映画制作費の40%を助成する制度を来週に発表する予定だとヴァラエティが報じている。

Wanda to Win Hollywood Shoots With 40% Rebate Scheme | Variety

発表は、来週月曜にLos Angelesで行われるというが、対象となるのはワンダが設立した中国のスタジオで製作される作品で、より多くの作品の制作を中国へ誘致をしていくのが狙いと見られている。中国国内向けの作品もグローバル市場向けの作品も同様に対象とするとのことで、ハリウッド映画も当然この助成を受けることが可能になる。

現在、世界中で大作映画の制作誘致をしようと、各国様々なインセンティブを用意しているが、制作費の40%の助成というのは破格だ。優遇税制措置やロケーションインセンティブなど様々なメリットを求めて、ハリウッド映画が米国外で制作されるケースが多くなっているが（イギリスでも25%）、これが一気に中国になだれ込むという事態も考えられる。特別に中国を舞台にした作品でなくとも、たとえばゼロ・グラビティはイギリスで制作されていたように、ワンダのスタジオを利用して撮影をするのであれば、どんな企画でも助成を受けられることになる。CGで背景を合成するのはハリウッド映画では日常茶飯事であるし、SFやファンタジー作品なら、スタジオがどこの国にあるかはあまり関係ない。すでにパシフィック・リムの続編は、ワンダのスタジオにセットを作り始めているとも言われている。

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ワンダグループの野望はどこまで広がるのかわからない。映画館チェーンAMC、レジェンダリー・ピクチャーズを買収し、ゴールデングローブ賞やアメリカン・ミュージックアワードなどの放送を手がける制作会社ディック・クラークの買収も目指しているとも報じられている。ハリウッド6大スタジオの一角を収めることが目標ではと噂されているが、もしかしたら、ワンダの野望はそれだけでは収まらず、映画産業の中心地を中国にしてしまうことなのかもしれない。
　
10月18日追記：実際に予測されたとおり、40%の助成金が発表された。ワンダのスタジオの公式オープンは2018年の予定。（Wanda Unveils Plans for $8 Billion ‘Movie Metropolis,’ Reveals Details About Film Incentives | Hollywood Reporter０