FILMAGAでの連載企画『鏡の中のダイバーシティ』の2回目は、「ズートピア」と「SING シング」を取り上げています。
ほ乳類だけの街『ズートピア』のさらにその先の理想が『SING/シング』にある | FILMAGA(フィルマガ)
「ズートピア」の街は哺乳類しか住んでいないんですが、それはあの作品世界が哺乳類だけが住む大陸と設定されてるからだそうです。爬虫類や両生類は他の大陸に分かれて住んでるらしい。
それはなぜなんだろうと思ったんですよね。一緒に住めない理由があるのか、と。「ズートピア」が現代社会の何かを反映しているとして、そんな風に住むところを限定しているのは、なんだか怖い話だなと思ったのがきっかけでこんな文章を書きました。
対照的に「SING シング」の舞台になっている街は、当たり前のように哺乳類も爬虫類も両生類も魚も共存しています。動物を擬人化した両作品の街を現代社会にた例えてみて、もし「ズートピア」が描く寛容性が、他の種を排除しないと成立しないのだとしたら、差別撤廃のための差別のようなものが存在するのかもしれません。
わかりやすくテーマを描くためにそういう設定にした、という「ズートピア」制作陣の言い分もとてもよくわかりますが、こういう視点で見比べるのも面白いんじゃないかと思います。本当に多様性のある街はどっちでしょうか。