リアルサウンド映画部に『若おかみは小学生!』について書きました。
少女の通過儀礼から無我の境地までも描く 『若おかみは小学生!』がもたらす極上の映画体験|Real Sound|リアルサウンド 映画部
本作、語るべき点はとても多いのですが、今回は作品全体に通底する精神性みたいなとこに絞って書いています。神道的な死生観に仏教的な無我、あるいは無私の境地みたいなことですね。特に前者については、それ自体がとてもアニメーションが語るのを得意としているものでもあると思うし、高坂監督の師事してきた宮崎駿氏の思想にも通じる部分があるので、まずは重要な点として押さえておこうと思いました。
後半は少女の通過儀礼の物語であることについて書いていますが、それだけにとどまらずもっと広く奥深いとこに着地しているのが、本作の凄さだと思います。「自己意識」というものは、ある種の精神の牢獄だと思うのです。そこからもおっこちゃんは自由になっているような、そんな気がします。高坂監督がこの映画は、「『自分探し』という、自我が肥大化した挙句の迷妄期の話では無」いと公式サイトにも書かれていますが、新しい自分を発見するとか、成長しているだけじゃないんですよね、きっと。
こう書くと難しいもののように感じるかもしれませんが、本作はそういうものを軽やかに描いているんですよね。まだ観ていない方もたくさんいらっしゃると思いますが、ぜひご覧ください。
本作については、高坂監督にインタビューしていますので、そちらも合わせてお読みいただけると嬉しいです。
「若おかみは小学生!」旅館“春の屋”のモデルは宮崎駿監督の紹介? 高坂希太郎監督が明かす制作秘話 | アニメ!アニメ!
技術的な素晴らしさについては、きっとそのうち「アニメスタイル」とかでガッツリ特集してくれると信じています。てかやってください。
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(C)令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会