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『セノーテ』小田香監督にインタビューしました

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 ハフポストにドキュメンタリー映画『セノーテ』の小田香監督のインタビュー記事を掲載しました。

 神秘の泉を追った「セノーテ」が誘う幻想的な映画体験 | ハフポスト

 この映画は本当にすごかったです。鑑賞中、人間であることを忘れてしまいました。

 メキシコのユカタン半島にある泉=セノーテのドキュメンタリーなんですが、視点が人のものじゃないといか、超然とした視点のカメラで、人間以外のなにかになった気分になってしまうという感じの作品です。

 この予告のファーストカット、薄ぼんやりとして水の中の光を映しているんですけど、前を人が横切っても別に人を追わないんですよね。視界の悪い水の中で人を見かけたらそっちを追いかけてしまいそうなものですが、カメラはじっと光を見つめている。この姿勢にしびれました。

 撮影はiPhoneで行ったそうです。そのせいで軽やかに水の中をたゆたいます。時には、天地がどちらなのかわからない浮遊感のあるショットも出てきて、それがなんとも心地よいです。

 小田監督は、これからもっともっと注目される存在になるはずですので、作品についての他、どんな方なのかの紹介に文字数を割くことにしました。小田監督の映画製作の姿勢は、あらゆる表現行為を行う人にとって大事なことだと思います。

 記事の構成としては、(1)セノーテの神秘性、(2)メキシコの死生観、(3)小田監督についての3点をポイントに置きました。

 作品の主題であるセノーテの魅力を伝えて(1)、それをさらにメキシコ独特の死生観に広げていって、セノーテの神秘性のみならず、「死」という誰にも関係ある広い射程を捉えた作品であると語り(2)、最後にそんな壮大な作品を作る小田監督ってどんな人?(3)、という感じにまとめています。

 小田監督は、これが長編2本目になりますが、1本目の『鉱 ARAGANE』はボスニアの地下炭鉱が主題でした。2本連続で地下に潜っています。なんというか、地上に納まらないスケールの人なんじゃないかと思います。

 本作は、僕にとって今年一番の作品だと思います。このスケール感、並び立つ作品はなかなかないのでは、と思います。ぜひ映画館で体験してください。
 

小田監督がリサーチ段階でル・クレジオの本を読んでいたと聞いたので、サブテキストとしてこの辺りを読みました。