リアルサウンド映画部に、スポーツとアニメについてのコラムを書きました。
“運動”自体がキャラクターの感情表現に? 『ハイキュー!!』『ユーリ!!! on ICE』などスポーツアニメの魅力|Real Sound|リアルサウンド 映画部
同サイトに『鬼滅の刃 無限列車編』について書いた時、列車と映画の相性の良さとして「モーション(運動)でエモーション(感情)」を描くのが映画だ、みたいなことを書いたのですが、それと同じ理屈をここでも持ち出しています。
要するに、スポーツも人間の運動であるので、モーション(運動)を用いてエモーション(感情)を描く映画とは相性が良い、アニメも当然相性がいいのだ、というようなことです。
そこからさらに、実写の劇映画では役者の肉体がどこまで真のスポーツに迫れるかという点で難しい面があるが、アニメならその限界を超えられるので、スポーツを描くうえでアニメは実写に対しても優位なのでは、ということを書いています。
近年の日本アニメには、スポーツの描写をリアルに、真に迫ったものとして描く作品が増えていますね。記事の中では『ユーリ!!! on ICE』、『ハイキュー!!』、『弱虫ペダル』あたりを取り上げています。
そもそも、人がどうしてスポーツに感動するのかという、そもそも論から始めてみました。考えてみれば不思議なことですよね。スポーツの感動要素を考えることは、映画という運動を描くメディアについて深く考えることにつながると思っています。モーションは人を感動させるのです。
以下、メモです。
—–
モーションでエモーションを描く。。スポーツこそモーションでエモーションを観客に与える最良の題材と言える。
例:
ハイキューの1話、偶然烏野の小さな巨人の動きに見惚れる主人公。。。。まさにモーションに感動しているシーン
ボールルーム・・・「戦国さんが僕に何か言ったような。」 モーションだけで何かが伝わることがあるという例
Thesis
スポーツこそ、モーションでエモーションを描くものだ
実写に対するアニメの優位性は?・・・・役者の限界を超えられること
↓
これを具体的な作品で比較するか
弱虫ペダル、ピンポンなどが具体例となるか
Point3つ
・モーションとエモーションの塊であるスポーツ・・・・そもそもスポーツの感動とは
・映像とスポーツの相性と歴史、そしてアニメとスポーツの相性
・実写に対するアニメの優位性を記述
Intro
なぜスポーツに感動するのだろうか。
運動に人の心を動かす何かがある
そして、それはアニメの原初的な喜びでもある。
Body1 そもそもスポーツの感動とは
人が走っている姿を見て感動する。。。例えば100メートル走とか。
虫明亜呂無の文章から引用する「スポーツを超える美学を」
イマジネーションの凝縮、人生の再構成
東京オリンピックを撮った市川崑監督はなんと言っているか
アベベがもはや芸術
人間の肉体の美しさ、その肉体を通して精神的な美しさを見事に証明している
ハイキューの冒頭、ヒナタは小さな巨人の動きに心奪われる。
何も前後関係は知らずに偶然みかけたその動きが彼の一生を決めた
ボールルームへようこそ
先生のダンスに見とれた。社交ダンスの知識も人のバックグラウンドも知らない、それでも人生を変えるほどの衝撃がその動きにはあったということ
Body2映像とスポーツの相性
初期から映画はスポーツを撮っていたか、わからないが、撮ってたと思う
オリンピックの記録映画は1912年から
[オリンピック記録映画特集――より速く、より高く、より強く | 国立映画アーカイブ]
[1. スポーツとは何か – スポーツの歴史を知る スポーツとは – スポーツ 歴史の検証 – 特集 – 笹川スポーツ財団]
映画は、モーションでエモーションを描くもの、それはスポーツの持つ魅力とそのままイコールである。映画とスポーツの相性が良いのは自明である。
映像中継のスポーツ番組を見たことのない人はほとんどいないだろう。
そして、動きの精構成たるアニメもまた、多くのスポーツを題材にしてきた。当然、動きで感動させるアニメとスポーツの相性はよい。
わかりやすく体現している作品がユーリon Iceだ。フィギュアシーンが最もエモーショナルで雄弁にキャラクターの感情を表現している。文字通りにモーションがエモーションを描いている。
Body3 実写とアニメを比較する
ドキュメンタリーと劇映画で異なる。
この分野は劇映画に不利な条件がそろっている。
アニメはその不利な条件を覆すことが可能だ。
それを2作品を比べて比較検討する
弱虫ペダルのアニメと実写・・・アプローチ、技法、撮り方の違いと共通点
役者にCG・吹替なしでやらせたこと・・・役者の肉体の限界に挑む感動、同時に役者の肉体の限界がある。プロのアスリートではないということの限界
アニメは、CGと手描きを組み合わせてその限界を突破しようと試みた・・・オトナアニメ
ピンポン。。。CGで肉体の限界を超えようと試みた、、アニメは?
最初にフルCGで挑戦したシーンが、言い方は悪いんですけどだませている。オープニングからもうつかまれてしまうというか」
ピンポン インタビュー: 曽利文彦監督 インタビュー – 映画.com
ユーリ on iceとアイ、トーニャ。。。実写とアニメのフィギュアスケートを比較する
アイ、トーニャはプロのスケーターのボディダブルを使用して顔を変えることで役者の肉体の限界を乗り越えた 映画『アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル』振付師が明かす、フィギュアスケート撮影秘話。 | Vogue Japan
スケートのシーンはこうやって作られた。映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のVFXブレイクダウン映像 | 3dtotal 日本語オフィシャルサイト
ユーリはスケーターの動画を参照して描かれている。ロトスコープではない。プロに踊ってもらった。後の話数では、実写映像から3DCGを作り、それを参考に手描きで作成。。。しかし、構図はコンテに合わせて描いた。アニメスタイルより
「弱虫ペダル」の場合、身体はCG、顔は作画のハイブリッドで真に迫った描写を実現した
それに対して、実写版「弱虫ペダル」は役者本人に走らせた。
Body4近年のアニメのスポーツ描写のリアル志向
キャプテン翼のような作品がむしろ例外的になってきた
かなり真に迫ったリアルなスポーツシーンが描かれるようになってきていると同時にその題材となっているスポーツそのものの魅力を掘り下げようとする作品が多い。
ハイキュー、ボールルームへようこそ、風が強く吹いている、今年の体操ザムライ、free!
参考リンク
「史上最高のスポーツ映画100」発表 米スポーツ情報サイト選出 : 映画ニュース – 映画.com
オリンピックの公式記録映画一覧 – Wikipedia
—-
メモ終わり。
基本的な流れは、
①そもそもスポーツって何で感動的なんだろう
↓
②映像とスポーツって相性はどうなんだろう
↓
③スポーツを描くために、アニメの優位点はあるのか
という流れになっています。調べていくなかで面白いなと思ったのは、アニメの『弱虫ペダル』とハリウッドの実写映画『アイ、トーニャ』が似たような手法で競技シーンを描いている点です。
この2作品は、CGを使ってボディと顔を合成しているんですね。真に迫った競技シーンを作るためにアニメと実写が同じ発想に行き着いているという。
やはり、アニメと実写映画の境界はなくなってきているんだなあと改めて思ったのでした。