リアルサウンド映画部に、細田守監督作品『時をかける少女』4DX版の体験レビューを書きました。
『時をかける少女』4DX版はドラマへの没入感を高める タイムリープの浮遊空間を体験!|Real Sound|リアルサウンド 映画部
公開15周年、スタジオ地図設立10周年を記念したプロジェクトです。今、ハリウッド映画がないので、旧作で4DXの番組を埋めたい映画館のニーズとも合致しているなと思います。
本作が4DXになってそんなに変わるかなあ、と体験する前は思っていましたが、なかなか上手く活用していました。詳しくは記事を読んでいただきたいですが、動かすところと動かさないところの使い分けが上手いです。動きという演出を獲得したからこそ、動かさないことも演出になるんだというのがよくわかりました。
本作を観るのも久しぶりでしたが、やはり素晴らしい作品ですね。作画の密度も高いし、芝居もいいです。モブキャラもみんな人格を持って芝居しているのがいいですね。
以下、原稿作成時のメモと構成です。
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Point3つ
異空間突入シーンなど激しく動かして臨場感を増強
静かなシーンでは、静かに見せる工夫。。。時の静止したシーンなど
動かせるからこそ、動かさないことも演出になる
激しく動くシーンは、
異空間突入
自転車
真琴の活発は動きに合わせて座先の動きをつけている。彼女の躍動感ある、言い換えると落ち着きのない性格も強化されている
Intro
時かけ4DXの上映情報
作品の基本情報と長く人気のある作品であること。細田守監督の大きなステップアップになった作品
作品15周年、スタジオ地図設立10周年記念、
4DXでどう生まれ変わったか見てみよう
Body1全体の相性
アクション巨編というわけではなく、感動青春ドラマに4DXは必要かと考える人もいるだろう
が、4DXはきちんとドラマを強化するうえでも用いることができると本作は証明している。
座席を最も激しく動かしているのは、タイムトラベルの時に突入する異空間のシーンだ。現実から乖離した世界であることを示すために、4DXを巧みに使って、不安定な世界であることを描いている。
そして、本作の重要な要素である自転車のシーンではも疾走感とスリルを座席の傾きで表現
真琴の細かい動きにも小さく動きを乗せている。ジャンプしたり、足踏みしたり、寝坊して飛び起きたりなど、活発に良く動く真琴。彼女の躍動感ある性格、言い換えると落ち着きのない性格ともいえるを、座席の動きで観客に伝えるような工夫がなされている。
Body2 動きをつけないこともまた演出になる
4DXの動きによってドラマに集中できないのではないかと思う人はいるかもしれないが、その心配はいらない。
今回の演出は、ドラマをきちんと重視したうえで演出が練られている。
終盤の重要なシーン、時の静止した世界を2人で歩いて真相を語るシーンでは、気づきにくい程度の座席の動きを入れている。現実ではない、異空間的なシーンであると示すため、安定よりも少しの不安定さを導入して、ドラマを盛り上げている。
また告白のシーンでは動きを止めることも忘れていない。動かないシーンは、ここはじっくりと映像にむきあってほしいということ。動かせるからこそ、動かさない選択もまた演出にできる。
音の演出と同じことだ。音をたくさん入れられるからこそ、あえて音を消す無音状態が際立つ。動くシーンがあるからこそ、動かないシーンも際立ち、観客により深い感動を与えることになる。
Concl
15年たっても色褪せない本作の魅力を、4DXはしっかりと大切にして、より深く引き出している。もう何度も見ている人にも新たな発見があるだろうし、まだ観ていない人はこの名作をぜひ体感しに行ってもらいたい。
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メモ、終わり。
やはりタイムリープする時に突入する異空間みたいなとこに入った時の、不安定な感じがよかったですね。真琴もふわふわと浮いているんですけど、その富裕感覚を座席の揺れで上手く作っていました。4DXは異質な空間に入った時の感触を増幅させることができるんだなと思いました。
4DXにはまだまだいろんな活用法、演出方があるなと思いました。アクション大作が4DXに相性いいと思われがちですが、いろんなジャンルの作品に挑戦していくとまた新しい発見がある気がしますね。