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猪ノ谷言葉の『ランウェイで笑って』のレビューを書きました

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 リアルサウンドブックに、連載終了した『ランウェイで笑って』のレビューを書きました。

 『ランウェイで笑って』は読者に新しいビジョンを提示した 最後まで貫徹された“ぶれない価値観”|Real Sound|リアルサウンド ブック

 マガジン連載の中で一番好きな作品でした。終わってしまったのが残念ですが、完成度の高い作品でここで終わるのがいいんだろうと思います。

 近年の漫画作品の中でも突出して好きな作品となりました。現代的な価値観を持った新しい作家の誕生です。

 記事にも書きましたが、ファッションやデザインというのは新しいビジョンを提示して世の中の価値観を変えていくことができるもの。この作品は、間違いなく読者の価値観を変える力を持っていて、テーマの本質を物語全体で体現していました。

『ランウェイで笑って』というタイトルがいいですよね。さわやかなんだけど、すごくラディカルなことを言っているのです。モデルはランウェイの上では笑ってはいけないので。

 
 以下、原稿作成時のメモです。以前も一度レビューを書いた作品なので、多少のかぶりはあります。
 
 
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前回の記事の要素
身の丈
ジェンダーフリー
才能
仕事をするということ
 
 
Intro
ランウェイで笑っての完結。
見事な作品だった。ずば抜けた新鮮な感性と現代的な価値観

少年漫画の枠組みでジェンダーに対する価値観を変えている。優しくて革命的な作品だった。

概要

 
 
Body1不遜なタイトル
モデルはランウェイで笑ってはいけない。
業界の常識や、禁忌を破っているのだ。

常識を覆す、常識とは既存の価値観のことだ。

身長が低いとファッションモデルにはなれないという常識を破ろうとするヒロイン。
それが可能にするのは、デザインの力だと気が付く主人公

モードの話
作中で言及されるココ・シャネルの逸話。

男性に見られるための服でなく、女性のための服を作り、それを当たり前にしたのがシャネルのデザインだった。

オールジェンダーという現代のトレンド。性の垣根を超えようとするのは、一般社会の課題でもあり、服という一番外側の外見はそれに多いにかかわるもの。

作者はジェンダーフリーを意識した描写が多い。
フェミニンは印象の主人公、
柳田一の初登場シーンでは女性もののドレスを着ていた。コレクションに出す服の試着だが、ビジュアルでジェンダーフリーを演出して印象づけている。

その他、デザインの力によって、国籍や人種など様々な垣根を超えることができるのだと描くことが多い
 
 

Body2 作者はどんな結論を出したのか。
ランウェイで笑うこと、モデルが服のためにいるのではなく、人のためにある服をショーで見せる。
当日の体調に合わせて変えていく構成。。。人が第一

過重労働を否定する点にもその姿勢は現れている。
過労と情熱・・・作者は過重労働を否定する。しかし、過重労働してしまうに至る情熱そのものは否定しない。

人を大事にするから仕事の上で大事なのは人脈だとも描く。コネ作りも時には売るために頭を下げることも馬鹿にしない姿勢がある。

服は人を変えられるという1話で提示したものを最後まで貫き通して、ぶれてない。

服の記事や色など、質感をこだわる描写に挑んだのはすごい。画力の高さに驚かされる。

参照リンク
『ランウェイで笑って』は新しい価値観を提示する 「身の丈」からの解放|Real Sound|リアルサウンド ブック

〜漫画家を目指すキミに贈る〜漫画家(プロ)への花道【猪ノ谷言葉先生 編】 – マガポケベース
【期間限定・丸3巻無料】『ランウェイで笑って』作者・猪ノ谷言葉氏にインタビュー!【ビューティニュース】|美容メディアVOCE(ヴォーチェ)

猪ノ谷言葉(いのやことば) とは|KAI-YOU キーフレーズ
猪ノ谷言葉 (@inoya5108) / Twitter

「ランウェイで笑って」作者が語る服の世界の魅力とは | 繊研新聞
スポーツとは異なり、登場人物の男女が同じ舞台で競い合い、高め合えると思ったのです。元々服が好きだったというのも理由の一つです。

 
 
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 メモ終わり。

 インタビューで語っているとおり、男女が同じ舞台で競い合えるという点が生かされた作品になっていましたね。猪ノ谷言葉さんは、スローガンとして男女平等とかジェンダーフリーを掲げている感じじゃなくて、ごく当たり前にその価値観を、本当の意味で持っている感じがしていいですね。これからどんな作品を描かれるのか、すごく楽しみにしています。

 
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